FM三重『ウィークエンドカフェ』2014年1月11日放送

今回のお客様は、伊勢市の高柳商店街にある『おもちゃのダイコクヤ』の和田かおりさん。
あと数年で創業100年になる老舗のおもちゃやさんです。
高柳商店街は、6月の1・6・3・8の夜店でも有名な商店街です。
ご近所さんは、顔見知りばかり。
商店街の子供たちは、この場所でみんなに育ててもらいました。
家族のようなこの雰囲気がとってもいいんですよ、と和田さん。
お客様も、ひいおじいちゃんの時代からずっとご贔屓にしてくれる方が多いそうです。
地元の人々に愛されているんですね。

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■お正月は子どもたちがお年玉を握りしめて来る!

この時期ならではの凧、人気はカイトタイプです。
昔ながらのものも一応揚げることはできるんですが、2本のしっぽをつけないと多分、バランスが取れなくて揚がらないんですね。
それでもやはり難しいので、すぐに組み立てて揚げられるゲイラカイトが主流です。
特にお正月はキャラクターもの・・・アンパンマンや戦隊ものや仮面ライダーやワンピースなどのカイトを、子どもさんが喜んで揚げています。

今の時期は、お年玉を握りしめたお子さんたちがお店に来てくれています。
家族や親戚が少なくなり、また、普段からおもちゃを買ってもらうことも多いようですが、それでも来てくれるんですね、嬉しそうに。
『大物』のおもちゃはクリスマスにもらうので、お正月は、お年玉やお小遣いの範囲で買えるおもちゃと決まっているんですよ。
例えばカードゲーム用のカードとか。
いつもは1パックだけど、今回はがんばって10パックとか箱買いとか。
子どもが大人買いするわけです(笑)

子どもが何を喜ぶかは、普段から常にアンテナを張っています。
流行り廃れが早いので、よかれと思って多めに注文すると余ってしまったり、逆に「こんなんが良いんや」ということが多々あります。
私たちも子どもさんから、勉強させてもらっています。

また、学校々々で流行りも変わってくるんですよ。
例えばカードを例にとっても、この学校ではデュエルマスターズ、こちらの学校はバトスピ(バトルスピリッツ)が流行っている・・・など。
またちょっと離れて、志摩や津に行っても、それぞれ全然違います。
露天などで出店すると、それが露骨にわかります。
仲間同士で遊ぶので、仲間のみんなが持っているものが、『流行り』となるんですね。

また、おもちゃの流行りは、何年かに一回、巡ってくるものがあります。
ヨーヨーなり、ベイブレードなり、ビー玉なり、ミニ四駆なり・・・昔やったお父さんが、得意げに子どもさんに教えていますよ。


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■最近のお雛様事情

今、お店にはたくさんのお雛様が飾られています。
ぽっちゃりした顔の京雛、端正な顔立ちの江戸雛・・・。

例えば並べる順番もわかりやすくなっています。
三人官女の並び順は、両端は立っていて、真ん中の女官は座っていますね。
左側の官女は左足がちょっと前に、右側の官女は右足がちょっと前に出ているんです。
なので、ちょっと真ん中に寄せても、バランスが良い。
なかなかそこまで見ていないので、飾る時に説明させていただくと、お客さんも、感心されますね。

実はお道具なども、時代によって変わっているんですよ。
家具と牛車なのは同じですが、昔は牛車に牛が付いていたようです。
今は、牛はいないです。
七段飾りのお雛様には付いているのもありますが、それでも少なくなってきましたね。
昔の牛はリアルなので、今の人にはちょっと抵抗があるようになってきたのかもしれません。


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■女性はやっぱりお雛様が大好き!

お雛様には『厄除』の意味が含まれているんですよ。
災いを取るというので、生まれた娘さんのために、親御さんや祖父母さんがお雛様を買って下さるんです。
最近は三段飾りを選ぶ人が多くなったそうですが、おじいちゃん、おばあちゃんからのお祝いとして大きなお雛様を贈られる方もたくさんいます。
七段飾りは、私たちがその赤ちゃんのお家に行って、誠心誠意、飾らせてもらっています。
どのお雛様を購入するかを決めるのは・・・まあ、その家々によりますね。
ただ、お金を出すのはおばあちゃんというところが多いので、おばあちゃん主導のもと、お母さんが最終的には決めるようです。
持ち主であるお子さんには、残念ながら何の権限もありません(笑)
だから初めて選ぶお雛様は、自分の娘の・・・ということも多いようです。

年齢を重ねた方で、どうしても自分のお雛様が欲しかったという話もよく聞きます。
先日も70歳くらいのおばあさんが、お孫さんと一緒に来られました。
お孫さんのかと思ったら、おばあさんが欲しいとのこと。
嬉しいことに、お買い上げいただき、届けさせていただきました。
これは感動しましたね。

各地で行われる、お雛様のイベントなどで、母娘や女性三代がお暇様の前に立って、お話をしているのを良く見かけます。
昔は人形もたくさんないし、今ほど裕福ではありませんでした。
それでも、どこそこのお家に行ってひな人形の前で遊んだ・・・などの思い出話があるんですね。
どんな世代にも、雛人形に対する思いがあります。
お店に来て、お雛様を前に、ずっと話し込んでいるお客さんもいらっしゃいます。
その話を聞かせてもらうのも、勉強だと思っています。


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■非売品のウルトラマンを、楽しみに見に来る子どもたち

今、膨大な種類がのアニメが出ていますよね。
だいたい商品は数ヶ月前に発注するのですが、注文書が来ても全然わからず、人に聞いたり調べたりして、なんとか発注しています。
知らないことばっかり・・・勉強不足で申し訳ないです。

でも、お好きな方が楽しみにして下さっているので、できる限り勉強しています。
実は、ダイコクヤは、プラモデルのお店としても有名なんです。
マニアックなものが常に並んでいます。
お客様の年代としてはは30代から40代の男性が多いです。
少年のように嬉しそうに、プラモデルを買って行かれます。
最近は、フィギアのコレクターのお客様も多くなってきましたね。

ウチはどちらかというとこじんまりしているので、頼みやすい、注文しやすいようです。
大きなお店だと注文しづらいというか。
なので、常連さんになってもらい、注文をいただくお客さんが多いです。
これが商店街の良いところかもしれませんね。

昔はデッドストックものがたくさんあったのですが、ここを建て直す時に安く処分してしまったんです。
今思うと「あれを残しておけば」というのがたくさんあります。
お宝いっぱいあったよなあ、って。
今だったらネットでも販売もできますし(苦笑)

店頭にあるディスプレイ用の大きなウルトラマンを、売って下さいと言われることも多いです。
もちろん非売です。
昔はもっといろいろあったのですが、最近はメーカーさんも作らないし、お店も置かないようですね。
年に数回は売ってほしいとお願いされますが、小学生やお子さんがこれを見に、わざわざ来ることも多いので・・・ごめんさないね。

おもちゃ屋さんは、親子の距離を近づけてくれる場所です。
雛人形は、親子で毎年、一緒に飾ってください。
そのときの会話が、大切な思い出になります。
ヨーヨーが得意なお父さんがいたら、子供と一緒に遊んでください。
子供の成長の中で今しかない、この瞬間、このときを大事にしていってくださいね。
それをお手伝いするのが、町のおもちゃ屋さんです。