「ふれあい」VOL.20 2010年3月号

ひらけ!ごま!ごまで新たなコミュニティビジネスを!
そして地域を元気に!

右/オープンセサミカンパニー(代表) 伊藤 衡基さん 
左/オープンセサミカンパニー 西村 耕平さん

新たなビジネスチャンスを求め
「ごま」をまちおこしのツールに

2人は建設業で関わりがあり、たまたま西村さんが仕事で地元のごまを扱う会社とお付き合いがあったことから、国産ごまの需要が高いということを知りました。
新しいビジネスとして成り立ち、さらに地域おこしにもなる有効な手段を考えていた矢先でしたので、ごまを利用することにしたのです。

現在、国内で消費されるごまの99・9%が輸入に頼っています。安全な食が求められる今の時代、「国産」というのは売るための強みにもなります。
また、ごまは生命力が強く、栽培に手間をあまり必要とせず、比較的獣害にも強い作物と聞き、私たちが育てるのも容易ではないかと目をつけたのです。

荒れた休耕田をごま畑に
新品種「ごまぞう」栽培に挑戦

この地域は山間部にあるので耕地を広く持てるわけでもなく、近代的な大規模農業にはあまり向かない土地柄です。
加えて過疎化や農業者の高齢化が進み、手入れが行き届かず荒れた農地が増える一方でした。
こうした農地を利用することで荒れた土地を減らし、さらにビジネスにもつながれば、これは地域にとって良い結果をもたらすのではないかと考えたのです。

そこで我々は近隣の農家さんを回り、ごまの栽培を薦めてみましたが、今の農家さんにとって魅力ある作物には映らなかったようです。
農業をしたことのない私たちには、そういった基本的なことから分かってなかったのです。

それならば、人にお願いをする前にまずは自分たちで作ろうと、地元の方にお借りした農地で、栄養価の高い新品種「ごまぞう」の栽培にチャレンジしました。
栽培まで自分たちで行うとは想定しておらず、当初考えていたビジネスモデルとは随分違う船出となりましたが、結果として、物を作る楽しさを知ることができ、とても良かったと思います。

ごまを通して地域の方々との
つながりの大切さを知る

幸い、ごまはこのあたりでもかつて育てられていたこともあり、周りの方々に親しみや懐かしさを持って受け入れられました。

地域の方々との交流の一環として、大紀小学校の児童と大紀保育園の園児にごまの収穫を体験してもらい、そのごまを小学校の給食に使ってもらいました。
私たちも給食に招待していただき、美味しいふりかけになったごまを児童たちと一緒に食べたんですよ。

また、地元の食のサークル「たちばな会」の女性たちには、ごまを使ったホットケーキを、お店にはごまのパンを試作していただきました。
ごまを通して地域の人とつながり、食育にも利用していただけたことで、「つながりの大切さ」に気づかされました。

大規模に耕作できないというこの土地の弱点は考えようによっては強みにもなります。
その上で「国産」「手作り」「身体によい」「無農薬」といった付加価値をつけることで、作った物の価値をさらに高めていけるはずだと感じるようにもなりました。

神崎 正巳 校長

子どもたちが自然や生命の大切さを肌で感じるためにと、地域の農作業を実体験できる機会を探していました。
今回、PTA会長の伊藤さんからお誘いいただいた、ごまの収穫にも喜んで参加させていただきました。

今年度小学校が統合され、大紀小学校として新たなスタートを切りました。
そんな中、色々な地域の取り組みに参加することで、児童は地域のことを知り、地域の人たちには学校のことを知ってもらう絶好の機会となります。
今後も地域とのふれあいを大切にし継続的に参加していきたいと思っています。

大辻 茂子 教諭

児童が地域の活動に参加することで、地域の人たちの活力になると感じました。ごまの収穫は児童にとって新たな発見だと思います。経験することは、物事に関心を持つきっかけになると改めて感じました。

「ごまぞう」に元気をもらって特産品作りを!

地域の小学生・保育園児と一緒にごまの収穫を行い、元気をもらいました。
若い人が始めたごまの栽培が広がるよう、私たちも「地域が元気になるよう」特産品作りを目指し頑張っていきたいと思っています。

アイディアと行動力で
新たなコミュニティビジネスを自ら開拓

ごまを通して、その土地でできるものを作り、それに付加価値をつける楽しさ、さらに地域の人たちとつながりを持つことの良さを気づかせてもらいました。
すでに本年度の作付けをやってみたいと手を挙げている方々もいらっしゃって、仲間の輪が広がりつつあります。
この先に自分たちが進めていくコミュニティビジネスがあるんだと思います。
将来的には、乳製品など地元企業と協力した新しい特産品作り、さらなる販路の開拓、都会に住む人に向けた農業体験事業などを進めていきたいですね。

ごまを核として人々が集まり、畑を持っていない人もごま栽培ができるようなコーディネイトにも力を入れていきたいです。
私たちの会の名前「オープンセサミ」とは、「ひらけ!ごま」の意。文字が意味するように「間口を広く、誰もが参加できるように」との願いを込めて名付けたものです。
この言葉はご存知「魔法の呪文」なのですが、「解決のカギ・糸口」という意味もあるんですよ。

ごまが地域を元気にするコミュニティビジネスとして成功すれば、似たような地域に住む人にとっての励みとなるはずです。
そのためにも、知恵と行動力で土地の弱みを強みに変え、まずはここで成功のモデルを作っていかなければと意気込んでいます。

一緒にごま栽培を始めませんか!

農業未経験の方大歓迎。
ご年配の方にも手軽にできます。
興味のある方は左記まで

【お問い合わせ先】 オープンセサミカンパニー
TEL 0598・72・2429
伊藤 衡基 / 西村 耕平
http://ameblo.jp/opensesame-company/
栽培期間
6~9月頃