「ふれあい」VOL.23 2010年9月号

美しいホタルが飛び交う祝詞川を町の魅力に!!
「子どもの頃見たホタルの群生をふたたび!」そんな熱い思いに地元住民が川をよみがえらせました!

[写真:上段左から]西央隼さん、植村昌弘さん、奥山勝巳さん、小林一彌さん、奥山弘誓さん(幹事) [写真:下段左から]織田 悟さん(幹事)、大野一哉さん(会計)、野呂 保之さん(会長)、奥山泉さん(ホタル祭り実行委員長)


祝詞川ホタル愛好会 会長 野呂 保之(のろやすゆき)さん

地元への思いを込めて祝詞川にホタルを

祝詞川周辺はかつてホタルが乱舞する場所でしたが、農薬の使用などにより周辺環境が悪化、昭和30年代半ばにはホタルが全滅してしまいました。

そんな現状を嘆いた人の手により、「語らいの里・噺野(はなしの)」の施設内にせせらぎが造られ、ホタルの幼虫が放流されてきました。

私はその宿泊施設の管理人をしていたこともあり、ホタルの幼虫や、幼虫のエサとなるカワニナの飼育や観察を20年ほど続けてきています。

そのホタルが卵を産み、繁殖することで、近年になって祝詞川にも徐々にホタルの姿が見られるようになってきました。

これを放っておく手はないと地元の方々に声をかけたところ、賛同をいただき、一緒に活動を行うこととなりました。
活動を行う原点には、ホタルを通じて町を元気にしたいという想いがあります。

賛同者が続々と集まりホタル祭りを成功させる

昨年(2009年)3月には、「滝原を元気にする会」を立ち上げましたが、瀧原宮にゆかりのある祝詞川が活動の中心であること。
加えて、滝原のみならず地域住民みんなで町を元気にしていこうとの思いから名称を「祝詞川ホタル愛好会」に変更しました。 


2009年から「祝詞川ホタル祭り」を開催し、遠くは名古屋などからたくさんの参加者を集めるイベントができました。
開催まではとにかく大変でしたが、会員の皆さんのアイデアと努力が実を結び、すばらしい祭りになったと思います。
祭りだけでなく、年間を通じて川の清掃やエサやり、ホタルに関する勉強会なども続けています。

ホタルを育てるのに一番大切なのは「生態系を崩さない」こと。地域によるホタルの差異やカワニナの生態などを学び、これからもホタルの保護・育成に力を尽くしていきたいですね。そして、ホタルがこの地域の魅力の一つになるという願いをぜひ叶えたいです。

ホタルへの思いを持つ会員がマイペースで活動

地域住民が盛り上がることで町を元気にしていこうという会長の考えに賛同し、ホタルの保護活動をしています。
中心メンバーの平均年齢は60代後半で、幼い頃には自然の中でホタルの飛び交う様子を見てきた人ばかりで、ホタルに対する思いは人一倍強いと思います。
そのため、会長からホタルの生態について日々学びながら、楽しく活動を続けています。
6名から始まったこの会ですが、活動に賛同してくれる会員が現在では100名にまで増えました。
地域の中でもホタル愛好会の認知度が高まってきたので、住民のみなさんにもさらに気軽に参加してもらいたいですね。

ホタルで町を元気に

私たちの祭りは全て自分たちのアイデアや持ち寄りで行っているのでより力が入ります。
これからは住民自らの力で行動をおこし、行政と一つになって成長していくことが必要ではないでしょうか。

また、町内の他の団体等とも交流をはかり、連携していくことが大切だと思います。
高齢化などで地域の元気がなくなってきていますが、ホタルを地域の魅力の一つとして地域全体で一人でも多くの人が訪れてくれる町にしていきたいですね。
そして、ホタルをきっかけに、地域が元気になるような様々な取り組みにも挑戦していきたいです。