三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2014年2月9日放送

紀伊長島を歩いてガイドし、古きよき漁師町のぬくもり、その魅力をたくさんの人に伝えてきた『古道魚まち歩観会』が、拠点となる『魚まちのたまり場 旧マルヒ食堂』をオープン!
地元の人や、まち歩きに来たお客さんの憩いのスペースに!

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紀北町紀伊長島区で行われる長島神社の例大祭(れいたいさい)。
江戸時代から続く豊漁を祈願する祭りで、当日は神輿に、カツオ船を模した山車『船だんじり』が、長島港から長島神社まで練り歩きます。

船の上には、カツオの一本釣りを演じる子どもたち。
撒き餌に見立てた飴がまかれると見物客は先を競って拾います。


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そんな伝統行事に沸く紀伊長島で、この日オープンしたのが、『魚まちのたまり場 旧マルヒ食堂』。

長く空き家だった古民家を自分たちで改装し、紀伊長島を訪れた人や地域の人が、気軽に立ち寄れる場所を作りました。


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改装を行ったのは『古道魚まち歩観会』のみなさん。
紀伊長島のにぎわいを取り戻すため、住民主体で結成されたボランティア団体です。
紀伊長島を歩いてガイドし、古きよき漁師町のぬくもり、その魅力をこれまでにたくさんの人に伝えてきました。

また、散策マップの製作や陶板の案内看板の設置など、地域のために積極的に活動しています。


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『魚まちのたまり場 旧マルヒ食堂』をオープンした理由を、代表の植田芳男さんにお聞きしました。

「僕たちがガイドをする際、お客さんが立ち寄ったり休憩する場所がなかったのと、地元の人にも寄ってもらって話したり、イベントなどの拠点になる場所が欲しかったんです。この古民家を見つけたのは去年の春。1年かけて改装しました」


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地域の人も、そして、ガイドで案内する観光客も集える場所を・・・そんな熱い思いと、地元の好意からスタートした拠点づくり。
しかし、改装資金もないため、リフォームはすべてメンバーによる作業。
ほぼ1年がかりで、オープンまでたどり着きました。


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新たに完成した拠点『魚まちのたまり場 旧マルヒ食堂』について、メンバーの宮原良雄さんにお聞きしました。

「ここは築100年になる古民家です。かつては食堂で、その前はお風呂屋さんだったんですよ」

屋根が変わった形をしているのは、お風呂屋さんだったときの名残だそう。


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オープン日にはメンバー総出でふるまいを準備して、来場者をおもてなし。
昔、お寿司を握っていたこのスペースでは、ぜんざい。
かき氷を出していたスペースでは、昔懐かしい水飴が振る舞われました。。


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手作りのスペースでは『かんからこぼし座』による影絵の上映も。
紀伊長島に伝わる民話を子どもたちが演じる、影絵です。

メンバーであり、『かんからこぼし座』の代表でもある東佐知さんに、この取り組みについてお聞きしました。

「今上映している『かんからこぼしと治郎左衛門』は、この地域で一番有名な民話なんですが、実際に、全部知っている人は少ないんです。なので、影絵で見てもらうことで知ってもらおうと」


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他にも、昔撮影された8ミリフィルムの記録映像の上映もありました。
映像は、昭和30年代のシビ網(しびあみ)漁の様子。
昔の写真や地図なども展示されています。


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この日、『魚まちのたまり場 旧マルヒ食堂』は、小さな子どもから、おじいちゃん・おばあちゃんまで、様々な世代の人で大賑わい!

祭りを見に来て寄った家族連れや、近所の方・・・この日がオープンだと知らずに来た人もおり、祭りの日に合わせたオープンは、大成功でした。


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『魚まち歩観会』の武岡由紀子さん(左)と、植村岐穂子さん。

武岡「朝のうちからお客さんが100人近く来てくださり、ビックリしています。喜んでもらえてうれしかったですね」

植村「地元の交流の場として、また、まち歩きをされた時の休憩場所として気軽に寄ってもらえるようにしていきたいです」

他の団体と交流する際のベースとしての利用などもし、『魚まちのたまり場 旧マルヒ食堂』を拠点に、さらにつながってくのが理想だとか。


江戸時代から続く伝統行事に沸く紀伊長島。
昔ながらのにぎわいを、未来へとつなげていきたい。
そして、地元を思う気持ちを、さらに熱く、さらに強く、次の世代へと託していきたい。

そのためにも、活動をより地域に根ざしたものに。

そんなゲンキさんたちの次のステップへの「始まりの場所」とも言えるのが。
『魚まちのたまり場 旧マルヒ食堂』なのです。