FM三重『ウィークエンドカフェ』2014年3月8日放送

度会町は、倭姫命が天照大神の御鎮座の場所を求めて巡幸された場所。
巡幸の始まりは大和の国から。
その後、伊賀、近江、美濃、尾張の国をまわられて伊勢の国に入ってから、磯神社、玉城、多気、女鬼峠を越えて度会へ・・・。
巡られたところには、今でも倭姫命とのつながりが残っています。

3-8-2

140224_173303

今回、お話をうかがったのは、『度会町地域資源を守る会』会長の橋本丈男さんです。
歩くことが大好きな橋本さんは、集落をゆっくりと回っていろいろなことを調べています。
度会には、素敵なお話がたくさん残っているそうですよ。



■度会町で倭姫命が最初に訪れた場所が『注連指(しめさす)』

倭姫命が最初に来られたのが、宮川の支流である『注連指川』を遡ったところにある『注連指』。
とても環境が良いので、天照大神様がご鎮座されるのに最適なのでは、と考えられたんですね。
ところで、この辺りには滝がたくさんあるものの、47しか見つかっていなかった。
こういうものは48が収まりが良いと決まっているので、倭姫命が滝をもう一つ探し、見つけたんですね。
その滝は女の神様が見つけられたので、『女滝』と名付けられました。
さらに少し上ったところには、倭姫命が定めたという、『滝原神社跡』がございます。
大紀町に内宮の別宮である『瀧原宮』がありますが、こちらは『滝原神社』です。

それから『注連指』という地名は珍しいでしょう。
ここは注連縄を作っている場所で、作った注連縄を倭姫命にお渡ししたと言われており、注連縄の作り手ということで『縄手』さんと名前をいただいたそうなんです。
実は度会町の副町長も『縄手』。
倭姫が付けた名前なんですね。


●女滝

3-8-4

倭姫命が発見したとされる滝。
注連指の集落の一番奥、『獅子ヶ岳』への登山道入り口にあります。
小さいながらも美しい流れと、その清冽さは見応えあり。






■倭姫命が休んだという、高さ36mの『乙女岩』

注連指から少し南下したところに『川上』という地域があり、そこに『乙女岩』と呼ばれる大きな岩があります。
5m四方ほどの広さで、ちょうど畳を敷いたような平らになっているんですね
そこに倭姫命が上られて休まれたところ、その素晴らしい風景に感動されたそうです。
そこで、土地の者が玉串を作って渡したところ大変喜ばれ、『玉串』という姓を付けられたました。
今も川上には『玉串』という姓が本家と分家の2軒だけあるんですよ。

乙女岩の石は、牛の角のように半透明でツヤがあるので、昔は『角の石』と呼ばれていましたが、今は『チャート』という名で統一されています。
固い石英質の石で、川上周辺はチャートの大きな岩石が山肌に広がっています。



●乙女岩

3-8-5

3-8-6

倭姫命が天照大神の鎮座地を求めて度会の地を巡幸した際、長旅に疲れてこの岩の上に休息し、大神をここに休ませられた、との伝説があります。
実際に登ると、川上地区を見渡せる絶景が!



●川上の清水
3-8-7

3-8-8

倭姫命が飲んだとされる湧き水で、『倭姫の神水』とも呼ばれています。
まろやかな風味の湧水は、県外からわざわざ汲みに訪れる人もいるほど。

※持ち帰り、飲用される際は、煮沸してください。




■豊作を占った栗原の『世の中石』と、水神を祀った『久具都比賣神社』

一ノ瀬川は栗原という地域も通っているのですが、そこにある三角状の石は、昔から『世の中石』と呼ばれています。
水の降り方や雨の量によって、米のできを占ったと言われています。
雨が降り、川の水位が上がると豊作に、川の水位が下がると不作に。
また、雷が多い年も豊作だといわれて来ました。
雷が起きると大気中の窒素が水と化合し、硝酸・・・つまり窒素肥料が生成され、作物がよく育んです。
昔の人は、理由はわからなくても経験でわかっていたんですね。

雨の降る日は『日待ち』と言って、饅頭を作ったり餅を作ったりして休みました。

そして、雨の降らない年は、滝に石を投げたり、腐った魚を投げ入れました。
滝には竜がいると言われていたので、怒って雨を降らそうとしたんですね。
滝のあるところに住んでいる人に聞くと、「滝に石を投げ入れた」という人が多いです。



●久具都比賣神社

3-8-9

倭姫命が定めた、度会町唯一の皇大神宮摂社。
水の神、久具都比売・久具都比古を祀っています。
倭姫命の巡幸以前から、久具に住む人々の守護神として祀られていたと言われています。


※今回ご紹介した場所は整備されていない箇所が多いため、動きやすい服装と歩きやすい靴、そして自己責任での見学をお願いいたします。

ちょっと足をのばして旅の続き・・・

●ふるさと味工房アグリ

fe19-003

度会町のお隣、玉城町。
農業観光公園『アスピア玉城』の中にある産直販売のお店。
地元玉城町で採れた新鮮な農作物のほか、ブランド豚『玉城豚』や、ソーセージやハムなどの加工品を販売しています。
また、ソーセージ作りやパン作りなどの体験メニューも充実している、人気の施設です。
バーベキューハウスでは、バーベキューはもちろん、トンカツなどの豚肉を使った料理を楽しむことができます。


fe19-006

また、アスピア玉城には全国有数の療養泉・玉城弘法温泉の日帰り入浴施設『ふれあいの館』も併設しています。


→ふるさと味工房アグリ