FM三重『ウィークエンドカフェ』2014年3月22日放送

錦と奈良県。調べれば調べるほどに不思議なことや、さまざまなご縁があることがわかってきました。
その中の一つが、錦の豪族『丹敷戸畔(にしきとべ)』。
そこで、丹敷戸畔の謎解明プロジェクトとして、錦の3つのグループが活動開始!
歴史や言い伝え、祭り、方言を聞き取り調査し、その調査結果をもとに作った紙芝居を披露。
さらに皇學館大学の岡田先生を迎え、講演会や町歩きが行われています。
日本書紀の編纂1300年を迎える2020年を目標に、お母さんたちの歴史調査がスタートしました。それは、錦と奈良を結ぶ道を調べることです。

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今回お話をうかがったのは、錦のお母さんグループ『ISOMON6』の代表、西村元美さん。
毎年、『錦向井ヶ浜遊パーク トロピカルガーデン』で海開きイベントを開催するなど、錦の活性化を目指しています。
このイベントは、錦で古くから伝わる行事が織り込まれており、『ISOMON6』のメンバーが、歴史について調べるきっかけになったそうです。
「いろんなことを知るとわくわくしてきてね~」西村さんが笑顔でお話をしてくれます。


■錦は歴史が深い地域

私たち『ISOMON6』が開催している海開きイベントでも『浅間さん』という歴史ある行事を絡めています。
どうしても錦は歴史と切り離して考えることはできないんですね。
そんな錦の歴史を残していこうと始めたのが、錦のいろいろな話を伝える紙芝居づくり。
歴史をしらべるきっかけはそこからでした。
紙芝居が1つのお話で1枚。
今、40枚ほどできています。
それだけ歴史が残っていると言うことなんですね。

歴史にも疎いし、山のこともわからない・・・わからないことだらけなんですが、そんな私たちが調べてわかったことなら、誰にでもわかるように伝えられるのでは、と始めました。


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■『丹敷戸畔(にしきとべ)の謎』解明プロジェクト

錦には『丹敷戸畔(にしきとべ)』という豪族が存在したそうで、古事記や日本書紀にも登場してきます。
それが、考古学の先生によると、なんと女性だったそうです。
そう、まさに卑弥呼じゃありませんか!
その豪族がいたという証拠は、いろんなところに出ています。
錦で出土した古墳時代の『三角縁神獣鏡』は、魏の皇帝が卑弥呼に送ったとの説もあり、これこそ卑弥呼の鏡と言われています。
他にも錦には『海獣葡萄鏡』など、たくさんの遺物が出土しているんです。
ここで出土したということは、大切な儀式や祭事が錦で行われていたか、力を持った豪族が住んでいた、ということに行き当たると思います。
卑弥呼に通じるかもしれない歴史を、女性ばかりのメンバーが調べているのは、何か縁のようなものを感じますね。

『丹敷戸畔の謎解明プロジェクト』には3つのグループで活動しています。
私たち『ISOMON6』、地域の食べ物について研究している『アンチョビ・サーデン錦』、錦の歴史を専門に活動している、こちらも女性ばかりの『戸部の会』。
錦で神武天皇が丹敷戸畔と戦い、神武東征として奈良まで行き即位したという話があります。
私たちが調べているのは、神武天皇が錦から奈良へ向かう道。
その道をたどろうとしているんです。


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■錦と奈良の文化をつなぐ道

三重県のほとんどは、おかゆは白粥なんですが、錦だけは茶粥。
奈良は茶粥なので、やはりその文化が錦に伝わっているのではないかと。
そして錦からは、魚と塩を持って行ったのではないか、と考えられています。
錦には、天秤棒一本で大きな魚屋さんを築き、財を成した方がいるのですが、奈良の出なんです。
たくさん獲れても錦で食べる量は決まっているので、塩をして。
昔の人は足も丈夫だし、力もあったからか、1日半か2日で奈良まで行ったそうです。
すでに、平城京の時代の木簡に『錦の魚』と記されているんですよ。
「二つの色」と書いて『二色の魚』。そこに干し鯛とか書かれて。
今でもよく、産地を書いた札を置くでしょう。
おそらくそれと同じ感覚で、市に並べる時に書かれたのでしょうね。

●大紀町錦支所

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大紀町錦支所の資料館では、『三角縁神獣鏡』、『海獣葡萄鏡』や『二色の魚』と書かれた木簡、他にも土器などの出土品を見ることができます。


住所 度会郡大紀町錦736-7
お問い合わせ 0598-73-3111

■金蔵寺の凪の木

山の中腹にある金蔵寺には、凪の木があります。

凪は「風が凪ぐ」、また、葉っぱが幅広で横に千切れないため、「男女の仲が切れない」と言って、鎌倉時代の女性がお守りにしていたとか。
金蔵寺の凪の木は、幹まわりは3mほどもあります。
日本で一番大きな凪の木が4mほどだというので、かなり大きく、古い木だと思います。
穏やかな海に囲まれた静かな集落、錦。
この町には、素敵な場所がたくさんありますので、みなさんぜひ遊びにきてください。


●金蔵寺

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幹の太さおよそ3mの、堂々たる凪の木。
山の中腹にあるお寺からは、錦を一望することができます。


住所 度会郡大紀町錦229−1
お問い合わせ 0598-73-2105




さらに錦を楽しむのなら・・・


●錦ぶりまつり

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毎年3月終わりに開催される『錦ぶりまつり』!
今年は3月29日(土)に開催予定です。


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錦漁港で水揚げされた新鮮な「ブリ」はもちろん、アジやサザエ、干物、マダイの加工品、郷土料理のべっこうちらし寿司などなど、旬の魚介類を販売します。
お楽しみに!

第4回 錦ぶりまつり
・開催日時 平成26年3月29日(土)10時~13時
・開催場所 錦第二魚市場(築地) 度会郡大紀町錦891-1

漁業で地域をゲンキにする錦のみなさん