料理を通じて仲間づくり、生きがいづくり!
60歳を越えた男性たちが、楽しく料理を作り、奥さまたちをもてなします!
四日市市、楠公民館の調理実習室に集まっている、60歳過ぎの男性たち。
実はこちらは、男性限定の料理教室なんです!
名づけて『男の昼めし会』。
栄養士の先生にきびしく指導してもらいながらの料理は、緊張と笑いの連続!!
失敗なんて当たり前です!
代表の志田米蔵さんに、『男の昼めし会』を始めたきっかけをお聞きしました。
「定年を迎えた時、何もすることがなかったんです。そこで、もともと好きだった料理で教室を開こうと。60歳をを越えた男性は新しい仲間を作りづらいので、そういう意味でも、男性だけの教室にしようと、市の広報で募集をかけたところ、あっという間に16名も集まりました」
しかし、最初からスムーズなスタートではなかったようです。
「最初はみんな、ボウルもバットもわからない状態。調理室で野球でも始めるのかなという感覚でした(笑)
コショウがわからないとか。『目の前にありますよ』と言ってもそれがコショウということがわからない。そんなスタートでした」
しかし月に一度の料理会を開いて27回目。
今では、和洋中、こんなさまざまな料理が作ることができるようになりました。
今回の『男の昼めし会』では、4班に分かれて4品の調理に挑戦。
料理をするみなさんの表情は、真剣そのものです。
初回から参加している人は、さすがに手際が良いです!
家でも料理を作るようになったメンバーもいるそうですよ。
みなさんが覗きこんでいるのは、今回の料理のレシピ。
アレがないコレがないと、大騒ぎです。
いよいよクライマックスの「昼めし」の時間が近づくと、調理実習室に奥さまの姿が。
料理をしている旦那さんの姿がよっぽど珍しいのか、カメラを片手に見学。
実はこの日は、「奥様謝恩会」。
日頃の感謝の気持ちを込めて、奥さまに手づくりの料理を振る舞おうという素敵な企画なんです。
こちらがこの日の料理。
・かぼちゃのスープ
・ポークソテー プラムソース
・洋風押し寿司
・いちご大福
もてなす方ももてなされる方も、妙に緊張しつつ、食事スタート。
その感想は?
「おいしいです」
「押し寿司を家であまりしないので、良いですね。とてもおいしい」
「作ってもらうのは確かにうれしいです」
『男の昼めし会』に参加してから、旦那さんは家で料理をされますか?
「・・・あまり」
「料理よりも洗い物の方が得意かも(笑)」
「この会を始めてから、夫がとても生き生きとうれしそうなのが、こちらもうれしいです」
と、代表・志田さんの奥さま。
奥様謝恩会を終えて、男性メンバーも厨房で自分たちが作った料理をいただきます。
つくって食べるのが昼めし会。
失敗しても、成功しても、笑顔がこぼれます。
『男の昼めし会』発足当時から講師を務めている、栄養士の福井幸子さん。
作る料理のレシピの作成もしています。
「最初はうまくいくのかどうか、心配でした。みなさん初めてなので、私の説明がうまく伝わるか・・・など。
はじめは、献立とまったく違う料理が出来上がったり(笑)
でも今では慣れてきて、楽しんでやっているので、良かったかなと思います」
料理をつくり、仲間をつくる。
料理を知り、妻への感謝の気持ちを知る。
そして、美味しく食べて愉快に笑う。
それが男の昼めし会の大きな魅力のようです。