FM三重『ウィークエンドカフェ』2014年5月10日放送

今回のお客様は『伊勢市観光協会』の専務理事、西村純一さんです。
昨年、伊勢は1500万人を超えるお客様をお迎えしました。
マスコミの取材の数もとても多かったそうです。
その依頼に応えるのが観光協会の職員さんたち。
テレビやラジオ、雑誌を通して、多くの人が伊勢に行ってみたいなと思ってもらえるように、いろんな情報をお届けしてきました。

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■神宮の存在と、遷宮にあたってのマスコミ取材

私たちはの仕事は『神宮』に関するものが非常に大きいです。
だからこそ、本当の神宮について、お客さんにも知ってほしいと思います。
なぜここにあって、なにをされているか。
本当のことをわかって、本当にお参りしてもらう。
『神宮』は、ただ単に自分のお願いをしにくるところではないんですよ。

私は伊勢志摩観光コミッションもしています。
9月10月は取材の依頼が非常に多く、全国のキー局などからも取材がありました。
今まではどちらかというと、伊勢神宮のある伊勢志摩の局県内。
つまり東海TVやCBCさんとか。
なので去年は本当にびっくりしました。
しかもどの局も、これまでに出ている情報を、さらに掘り下げたいと。
「新しくできたお店はありますか?」とか「まだどこにも放送されていない場所はありますか?」とか。
だんだん難しくなっていくんですよ。
また、「明日いきなりロケハンに来きます」、さらには「明日ロケに行きます」なんてのもありました。
フィルムコミッションもしている関係で、そういったロケに付き合ってほしいと頼まれることもありますが、あまりに突然だと、こちらも困るわけです。
いろいろな予定も入っていますし。
TVの撮影には半日〜1日かかりますので、ずっとは付いていられません。
スポットで許してもらうことも何度もありました。

・・・そして今はありがたいことに、ちょっと一息ついたところです。
それでもいろいろなTV局さんから、ちょくちょくと依頼は来ています。
今年は遷宮の翌年の『おかげ年』なので、お客さんの入りについてなどの取材が入っています。


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■リサーチして伊勢を訪れる、若い世代

今回の遷宮で一番変わったことは、情報の出方が昔の遷宮と違うことです。
高度情報化の結果、インターネットなどでオンタイムで、自分が欲しい時に欲しい情報を手にすることができるんですね。
一番アンテナが伸びているのが若い世代、特に女性。
彼女たちはかなりリサーチしてきますね。

「外宮から内宮をまわらなきゃいけないんですか?」
「外宮の神様の名前は豊受大御神ですが、どんな風に参ったら良いのですか?」

など、最近では一歩踏み込んだ質問も来ます。

ちなみに観光協会への一番多い問い合わせは、外宮から内宮への行き方なんです。
他にも交通状況や、高速道路は今、降りられますか、など。
伊勢はいろいろ交通規制をかけて、渋滞の緩和をしているのですが、そういう質問が来るということは、かなり浸透してきているということですね。
おそらく前回来られて体験して、今回規制は行っているのかを確認してくれているんです。

以前多かった質問は、「パワースポットはどこですか?」でしたね。
しかしマスコミさんが、パワースポットという言い方よりは、『神宮』さんそのものを表現してくれるようになったこともあり、「パワースポット」という言葉を、最近あまり聞かなくなりました。
先ほども話した情報化のおかげで、本当のお参りをしてもらえる情報が先に出るようになったのかな、と思います。


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■観光協会職員は勉強熱心!

私たち職員は全員、回ってくる情報にはすべて目を通し、軽いご案内はできるように知識を入れています。
やはり案内する側が知識を持っていないと非常に困りますから。
そんな理由から、時々古事記についての講演会も行っています。
先日は『伊勢の神さん』といったようなタイトルで、伊勢の神様の系譜や、どういった神様なのかを学びました。
だって、「伊勢の豊受大御神はどんな神様ですか?」と聞かれて、答えられなかったら恥ずかしいでしょう。

こういった説明も、おもてなしの一貫なのでわかりやすく説明できるよう努力しています。
しかしわかりやすく説明すると、誤解も招きやすい。
その辺りのバランスが難しいですね。
特に神宮さんがされてきたことは、わかりやすく正確にご説明できるよう心がけています。

さらに地理や街のことは、お店ができたりと日々変わっていきますので、その都度アップデートしていく必要があります。

あとはちょっとした蘊蓄を教えてあげると喜ばれますね。
最近の例では、ハートの石が埋まっているところがあるんですよ。
内宮の宇治浦田の駐車場から、志摩へ抜けて行く道をくぐる地下通路の、おはらい町側の出口の左側のところにあるんです。
職人さんが遊び心で埋めたらしいんですけど、若い女の子の間で話題になっていて、わざわざ聞きに来られる人もいます。

ご縁がいただけるかもしれませんね(笑)


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■青年部が中心になって、新しい取り組みを!

今、観光協会の青年部では面白い取り組みをはじめています。
それは『伊勢なのにお寺参り』。
伊勢と言えば神宮さん、猿田彦神社、興玉神社・・・神社が多いんですけど、仏閣もあるんですよ。
青年部でそれを掘り起こしていこうと。
特に『松尾観音』さんは1300年という歴史があります。
外宮さんで1500年前、内宮さんが2000年。
それを考えると非常に由緒正しいお寺なので、ぜひ回っていただきたいですね。

さらに青年部では、もっと深く伊勢を知ってもらうために『乗って食べて伊勢参り』というイベントも開催しました。
レンタサイクルや持ち込みの自転車で伊勢市駅に集合し、和菓子屋さんを回ってもらうというもの。
協力してくれる店舗にはカードが置かれていて、そこに一文字か二文字、文字が書かれているんです。
全部回ると一つの言葉になるようになっています。
さらに、全部写真を撮ってきてもらい、好きなところでお菓子を食べてもらう。
参加料をいただく代わりに金券を発行しました。
完成した人にはプレゼント、すべて完成した人にはパーフェクト賞です。

10時スタートで、一番早い方は、13時に帰って来られた。
度会橋から二見町と広いエリアで30ヶ所くらいあったはずですから、とても早いです。
しかし早く帰ってきても、キーワードの組み合わせがわからないと終わりません、
ちなみにキーワードは『とようけのおおみかみ』。
バラバラになっているため、神様の名前を知らないと、キーワードを解くことができないんです。

1回目は『乗って撮って』、2回目は『乗って撮って食べて』。
次回はもしかすると、『食べて』の部分が和菓子じゃなくなるかもしれませんね。

さらに今は、今後の伊勢旅についても考えています。

伊勢から少し離れた明和町には、斎宮さんと資料館があります。
伊勢にも関係が深くストーリーのある所なので、一緒に見てもらえるとさらに伊勢のことがわかってもらえるのではないでしょうか。
斎王さんは天皇の娘、つまり皇女。
都でいろいろな事情もあるでしょうに、単身で伊勢の近くに来なければならない。
そういう話もありますので、遷宮が終わった次のストーリーとして、斎王さんを注目していきたいですね。