「ふれあいvol45」

勢和多気ICから車で約15分。
清流宮川沿いにある中山間集落である大紀町金輪区では、住民の皆さんが地域の良さを生かしながら、活動を行っています。
その元気と活力の源に触れてみました。

kanawa1-1

金輪_おもて7

※WE LOVE金輪地域づくり協議会とは
金輪区において誰もが健康で生きがいを持って暮らすために、自然環境や歴史、文化を大切にし、安全で住みやすい美しい地域づくりを進めることを目的に「金輪朝市の会」「金輪花の会」「NPO法人大紀町日本一のふるさと村(以下 ふるさと村)」「むかしのくらし博物館」などが連携しながら活動しています。


kanawa1-4

会長 辻原雄司さん


■住民が参加する地域活性化の協議会を設立

金輪区は高齢化率が高い地域ですが、住民の皆さんが地域を元気にするため、自分たちができることは何かを考え、各団体が地道に地域活性化活動に取り組んでいました。
そんな時、一つの転機が訪れます。
平成22年に都会へ金輪の魅力を発信するため、「大紀町日本一のふるさと村」が民宿を始めることになりました。
これがきっかけとなり、各団体が区全体の視点で互いに連携し、包括的な地域活動を目指した「WE LOVE金輪地域づくり協議会」を設立しました。
この協議会は、私たちの活動に賛同いただける金輪区の住民にも、メンバーになっていただいており、区をあげての活動になっています。

■みんなで力を合わせて活動をより広い地域へ

活動の柱は、「山林整備」「休耕田再生」「農村文化の保存」の3本柱です。
地域の歴史・文化を子ども達に継承してもらいたいと、昔登った山道を整備し、登山など自然に触れ合ってもらっています。
区内外の多くのファンに喜ばれているチューリップ祭りは、金輪花の会が15年前に始めた休耕田再生の取り組みがきっかけになっています。
現在、地域の方からお借りしている古民家は、昔の暮らしを知り、体験できる「むかしのくらし博物館」として運営しています。
この他にも、金輪朝市では地産地消に寄与するとともに、一人暮らしの高齢者との癒しの場となったのも良かったですね。
最近では協議会という名のもと、互いに連携することで地域が一つになり、さらに効果的な活動につながることを実感し始めています。
今後は、賛同いただける区外の皆さんとも連携するとともに、現役世代の皆さんが活動を継承できるような環境づくりを行いたいですね。
さらに、子ども達が将来にわたって、この地に住んでもらい、大紀町全体が元気になるような取り組みにつながっていくのが理想ですね。


●金輪朝市の会
kanawa1-5
kanawa1-6

代表 辻原希代さん


平成18年に無人販売の青空市として始め、平成22年に金輪朝市としてリニューアルオープンしました。
金輪区の住民が育てた新鮮な野菜や、大紀町錦の魚々錦による鮮魚など様々なものを朝7時から販売しています。
この朝市は販売だけでなく、住民の憩いの場や、子どもや一人暮らしの老人などの見守りの場も兼ねています。
こうしてみんなが集まっておしゃべりし、人の輪が広がるので参加していても楽しいです。
今後は若い人達にも参加してもらい、子ども達に地域の食品を届けられるよう、朝市を継続していくのが目標です。


●金輪花の会
kanawa1-7
kanawa1-8

代表 瀬古たけ子さん


平成11年に地元の有志が金輪区の入り口にあった、雑草が生え荒れた休耕田でチューリップを大切に育て始めました。
私たちの花畑のうわさを聞きつけた、たくさんの人達がチューリップを見に来てくれるようになり、より楽しんでいただくために「金輪花の会」を設立しました。
さらに、平成24年からは協議会の皆さんと一緒に活動ができて心強いです。
この他にも、金輪区武士谷では、後援のなでしこ会によるあじさい祭りも行っています。花の会となでしこ会は共通の会員も多く、協力しあいながら地域を盛り上げています。


●大紀町日本一のふるさと村

kanawa1-9
kanawa1-10

理事長 瀬古悦生さん


都会とふるさとをつなぐため、4年前に体験型農家民宿を始めました。
同時期に金輪朝市にも参加するようになり、現在はイチゴや釜戸炊きご飯パンなどを出品しています。
うちの民宿には都会から泊まりに来る人が多いのですが、この地域の住民は気さくで親切なので宿泊客も喜んでいます。
このような住民のもてなしの心が地域の一番の財産です。
今後、この地域を元気にするには、熊野古道歩きや農業体験など、地域の特色に着眼し、これを生かしたものを企画していくことが大切。
有機農作物や無農薬野菜など農業に興味を持つ人は多いので、次世代の担い手となる若い人にも参加してもらいたいですね。


●むかしのくらし博物館

kanawa1-11
kanawa1-12

館長 柳田さえ子さん


お借りしている古民家は、かまどや五右衛門風呂が残るなど、古き良き日本の原風景を感じることができます。
そこで、金輪の伝統的な文化を発掘・保存し、子ども達に自分が住むまちの良さを知ってもらいたいと考え、昨年、博物館として利用し始めました。
物品を展示するだけでなく、本膳での伝統的な食事、かまどでご飯炊き、裂き織りの機織りなど、四季折々の体験をメインに運営していきたいですね。
今後は地域のお年寄りから昔の生活様式や歴史などについて伺う機会を設け、子ども達が伝統を継承できるような活動も積極的に行っていきたいです。

WE LOVE金輪地域づくり協議会の活動
・金輪朝市の会: 週1回(木曜日)
・金輪花の会 チューリップ祭:4月頭〜5月上旬
・金輪区 櫃井原組 あじさい祭り:5月下旬〜7月上旬
・金輪区 桜祭り:3月
・ふるさと村:四季折々の体験イベント
・くらし博物館:四季折々の体験イベント