三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2014年7月6日放送

明治時代に、国内に持ち込まれたインドの紅茶を起源とする日本最初の紅茶専用の品種『べにほまれ』。
一度は姿を消した幻の紅茶を、茶葉農家や市、県、企業が協力して復活させました!!

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今回ご紹介するのは、亀山市の『お茶』。
しかし日本茶ではなく、紅茶!
紅茶『べにほまれ』は、明治時代に、国内に持ち込まれたインドの紅茶を起源とするもので、日本最初の紅茶専用の品種になります。

この『べにほまれ』の生産が盛んだった亀山、実は、戦後から昭和40年代にかけて国内トップレベルの紅茶の産地だったのです。

が、その後、紅茶の輸入が自由化。
安い外国産に、太刀打ちできず、亀山から『べにほまれ』は消えたと思われていました。


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そして現在、『亀山Kisekiの会』が、市、県、企業の応援を受け、『べにほまれ』を、亀山の特産品にしようと取り組みを行っています。
『亀山Kisekiの会』代表の駒田六平さんに、『べにほまれ』についてお聞きしました。

「こちらにあるのが『べにほまれ』の茶畑です。
ウチでも40年以上前に三反ほど植えてましたが、日本茶に植え替えてしまったんです。
残っているとは思わなかったのですが、近所の方が奇跡的に『べにほまれ』を見つけてくださって。
そこで『べにほまれ』の生えている茶畑を借りて『亀山Kisekiの会』を立ち上げ、紅茶を作っています。
緑茶とかで発酵させた紅茶と比べると、味の違いがてきめんです。好みにもよりますが、紅茶の好きな人は、絶対こっちです」

『亀山Kisekiの会』は、5人のお茶生産者が中心となって、2年前に活動をスタート。
そこにNEXCO中日本が、社会貢献活動として、活動に協力し、荒廃していた『べにほまれ紅茶』の茶畑を、一緒に再生してきました。
現在、少量ではあるものの、亀山市内のお店で販売できるようになってきました。


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この日は、再生した紅茶畑での摘み取り作業。
作業には、NEXCO中日本の社員、そして、摘み取り体験として、地元の方も参加しました。


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茶摘みは、すべて手作業。
これも、『べにほまれ紅茶』をより良い状態で、よりおいしく、より広めていくための作戦です。
しかし、手間がかかります。
無心に、若い葉を選んで取り続けても、なかなかバケツは、一杯になりません。


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摘み取る部分は、この一番先の新芽。
新芽をよく見ると、少し赤らんでいます。
この赤っぽい葉っぱから、素晴らしい紅茶ができるということで、「誉れ高い紅茶の品種」という意味の『べにほまれ』という名前が付けられたとも言われています。
なんと、バケツ一杯に摘んでも、出来上がりの紅茶はおよそ100g。
約1/5の量になってしまうそうです。
だからこそたくさんの人に協力してもらう必要があるのです。


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「亀山に住んでいますが、去年まで亀山に紅茶があることを知りませんでした」
と、女性の参加者。

「抜開・除根(根を起こして、新たに植える作業)も、以前からしていたので、
かなり思い入れがあります。
どんどん成長していって、ちゃんとお茶が取れ、ずっと活動が続くといいなと思います」
と、活動スタート当初から関わるNEXCO中日本の男性社員。

実は、この『べにほまれ紅茶』の復活プロジェクトは元々、亀山市長が提案。
それを受けて、県の専門機関や研究機関が生産技術面を、市が財政面を、それぞれが支援する形でプロジェクトは進んできました。


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紅茶になるまでの簡単な流れは・・・。

まず、風通しの良いところに広げて、しおれさせます。
重さが半分ぐらいになるまで、しおれさせると、その後、揉む作業。
葉の細胞を壊すことによって、茶葉の発酵を促します。
ちなみに、緑茶には、発酵させる工程が無いので、緑のまま。

十分に揉んだ紅茶は、その後、一定の温度の元で発酵させると茶色く、そして、赤く、葉が変身し、さらに、芳醇な香りを生み出します。

こうした行程を経て、幻の亀山紅茶『べにほまれ』は丁寧に作られているんですね。


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そんな幻の紅茶『べにほまれ』をただけるお店が、市内に数店舗あります。
そのうちの1軒が『Café COZY-COZY』
お店の名前にある『コジ』は、英語で「居心地良い」という意味。
まさに、ゆったりとした空間で、時間を過ごせるお店です。


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登場したのは『べにほまれ』の中でも、質の高い茶葉だけを集めた『KISEKI(キセキ)』という名前の厳選紅茶。
数量限定です。


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『COZY-COZY』の末崎円果さんに、『KISEKI』を取り扱うきっかけをお聞きしました。

「知り合いの方から亀山に紅茶があると聞き、飲んでみたところとても飲みやすかったので。
個人的な感想では、日本茶と紅茶の中間ぐらいの感じで、飲み慣れていない方でも、すっと飲めると思います。
それでいて、味も香りもしっかりしていると感じました」

今では、『KISEKI』を求めて、県内各地からお客さんが来るほどになったそうです。

「茶葉の収穫量は極端に増やせません。
だからこそおいしい『べにほまれ紅茶』を飲むために、亀山に足を運んでもらいたいです」
と、代表の駒田さん。

亀山の『べにほまれ紅茶』を入れ、その香りと味に癒やされる。
ひとときのやすらぎを得る。
そして、ふるさとの歴史に、ふと思いをはせる。
復活プロジェクトが始まって3年。
亀山紅茶の物語は、ここから、新たに、紡がれていきます。

※亀山紅茶『べにほまれ』を提供しているお店
 8月頃には新しい亀山紅茶をいただけるそうです

●cafe COZY-COZY 
住所 亀山市栄町栄町1485-1
TEL 0595-84-0054

●トラットリア・イルテルノ
住所 亀山市アイリス町13-105
TEL 0595-96-8017

●レストラン コ・ビアン
住所 亀山市野村町3-9-2
TEL 0595-82-0808

●英国紅茶の店 アールグレイ
住所 亀山市関町木橋512
TEL 0595-97-8377

●かふぇ たいよう
住所 亀山市小下町14-23 
TEL 0595-98-5505

●亀山茶農協直売所 茶気茶気
住所 亀山市御幸町174-6
TEL 0595-82-0429