FM三重『ウィークエンドカフェ』2014年7月19日放送

今日のお客様、水谷伸子さんが代表を務める『鳥羽まちなみ水族館』が今年も
始まりました。
この水族館は、海岸に落ちているごみや流木などを使っての作品や、鳥羽の子供たちが作った海の生き物たちが鳥羽市内のあちこちに展示されます。
スタートしたのは平成17年。
今年で10回目となりました。
素敵な作品が今回もたくさん並んでいます。

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■『鳥羽まちなみ水族館』とは?

鳥羽は素晴らしいところだと思います。
中でも、湾の景色は最高です。
鳥羽湾を一番街から眺めた景色、安楽島の旅館街へ景色、船着き場から離島を眺める景色・・・鳥羽は本当に最高の土地だと思います。

しかし近年、観光客がだんだんと減ってきて、ちょっと寂しくなってしまっているんです。
そんな鳥羽の街を、私たちの手でなんとかできないかとみんなで考え、
「数ある観光地の中で鳥羽を選んでくれてありがとう」
という気持ちを表すことにしました。

鳥羽駅の横から一番街にかけての通路の両サイドに子どもや大人が作った作品を飾り、いらっしゃいませの気持ちを込めて、お出迎えをする・・・これが『鳥羽まちなみ水族館』です。

なぜ『水族館』にしたのかというと、『鳥羽水族館』は全国の水族館ブームの発祥地。
個人的には、日本で一番素晴らしい水族館だと思います。
この素晴らしい魚たちを、鳥羽の街並みの中にも表現したら素敵でしょう。
それから、鳥羽は漁業の街なのでみなさん魚に親しみがあります。
さらに、海岸沿いに打ち上げられている流木や捨てられているゴミ・・・これらを使うことで、環境に対しての考え方を子どもたちに教えながら、おもてなしの心を育てようと。
その思いと目的で『鳥羽まちかど水族館』を続けてきました。

最初のメンバーは2〜30人。
頻繁に集まっていたのですが、途中つまずきやいろいろありまして、現在は15人くらいです。
けれど、手伝ってくださる方がたくさんいます。
学校の先生方も協賛してくれて授業に取り入れたり・・・放課後教室の『国際キッズ』、安楽島小学校の放課後教室『あらっ子』、加茂小学校の『かもっ子』では、お母さんたちが子どもたちと一緒に海岸にゴミや貝殻を拾いに行き、環境について考えながら、材料を持ってきてくれるようになりました。


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■学校の先生の協力で4~500点の作品を展示!!

1人で2つ3つ作ってくれる子もいるし、一つの作品をじっくり作る子もいます。
今年のポスターは全部、生徒さんたちの去年の作品なんです。
海ゴミを使って作品を作ったり、紙粘土にカラフルに色を塗って、色々な海のお魚を作ってくれたりとか。
そういう楽しいイベントなので10年続いたんだと思います。

子どもたちはすごいパワーです。
私たちが指導するのは夏だけ。
常に子どもたちの指導をしている先生たちは、本当に尊敬します。

それから、子どもの発想力はすごいですね。
塗る色もカラフルだし、形も「えっ?」っていうのが出てきたり・・・見ていてとても楽しいです。
みんなの都合のつく時間と学校の時間を合わせて、指導に行っていますが、子どものパワーや発想力に付いていくのに、他のメンバーも必死です。
でも、楽しいから必死でもできるし、したいんです。
作品が壊れないように針金を通したり、色の塗り方を教えたり・・・自分も楽しみながら、アイデアをもらいながらやっています。


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■まわりのみなさんへの感謝の気持ちで10年間

みんな忙しいので、揃って行動することはなかなできません。
けれど、それぞれができることを一生懸命やってくれるたので、こうして10年間続いたんだと思います。
みんな影ではすごく努力しているんでしょうが、見せないですね。
いつも笑って明るく、大変なこともしてくれる。
チラシもメンバーさんの娘さんが作ってくれているんですよ。
プロの方ではなく、メンバーでデザインしています。
いつも生徒さんの作品を入れているところに、私たちの思いを感じてほしいですね。

10年間続けて来られたのは、学校の先生やまわりの方々からの協力も大きかったです。
こちらからお願いしなくても、みなさんがとても協力してくれるので、本当に感謝しています。
10年経つと子どもたちも成長し、入れ替わって行きます。
その時は意味がわからないまま作っていても、成長した時に、
「鳥羽に来てくれた人への感謝の意味でこれをつくっていたんだな」
「これを作ることで環境について考えたな」
と、理解してくれるれば、続けてきた甲斐があります。

また、就職などで鳥羽を離れても、夏休みなどに鳥羽に帰省して来たとき、
この『鳥羽まちなみ水族館』に出迎えられ、懐かしく感じてもらえるのが、私たちの望みです。

事業を一生懸命支えてくれた先生方、広告協賛してくれた企業さん、他にも私たちが気づかないところでフォローしてくださっている方々、本当に感謝しています。


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■『オンリーワン』の街づくりができたのが幸せ

一番最初の思いは、鳥羽の町並みが水族館になったら良いな、というもの。
なので、鳥羽のいろいなお店や街並みに作品が少しずつでも並んだり、ホテルや旅館などのカウンターに、「いらっしゃいませ」の心を込めて、並んでいって欲しいですね。

私たちがしたかったのは『オンリーワンの街づくり』。
どこも真似ができないような街づくりをしたかった。
多分こういう風に、手作りで街並みを作っていく地域活性化というのは、あまりないと思います。
1つのことをやり遂げるには10年かかるので、とにかく10年続けることを目標に頑張ってきました。
10年間続けて来られて、とても楽しかったし、町の役に立っているのなら本当に嬉しいし、大満足です。

『鳥羽まちなみ水族館』の開催期間は8月31日までです。
鳥羽駅連絡通路やマリンターミナル、みなとまち文学館などに作品が展示されています。
また、毎週日曜日はビジターセンターでクラフト体験も開催するので、ぜひ鳥羽に来て、作品を楽しんでください。