FM三重「ウィークエンドカフェ」2011年06月12日放送

今日は、鳥羽市にある伊勢志摩バリアフリーツアーセンターの野口あゆみさん(上の写真/右から2人目)がゲストです。
スタッフのみなさんと素敵な笑顔でお迎えしてくれました。
人に優しい伊勢志摩バリアーフリーツアーは、鳥羽駅すぐの鳥羽一番街の中にあります。
伊勢志摩へ旅したい!と思った高齢者の方、車椅子の方、ぜひ伊勢志摩バリアフリーツアーセンターで情報を!


■10年前にセンターを立ち上げたきっかけは・・・?

私はタウン誌の編集者をやっていて、夜は姉の飲食店を手伝ったりしていました。
ある日、その姉のお店に車椅子の若い男性がやってきたんですね。
はじめてのことだったのでびっくりして・・・。
でもその男性とお話をしている間に、車椅子にまず興味を持って。
まだ当時は車椅子の方をあまり街でみかけることがなかったので・・・。

それから、その男性も何度か店にくるようになって、仲良くなって(笑)、どこかにいっしょに出かけましょうか、ということになったんです。

私はタウン誌でバリアフリーのお店を何度か紹介していたので、車椅子でも行けるお店を知っているつもりだったんです。
でも、その情報がまったく役に立たなかった・・・・。

店内はバリアフリーでも入口に階段があったり、店内が狭くて車椅子で動けなかったり・・・。
ショックでしたね・・・。
私が伝えてきたことは一体なんだったんだろうって。

それがはじめるきっかけでしょうか。

■鳥羽が観光地だったから・・・・

先ほど話した車椅子の男性が夫になって、いざ旅行にいこうと思ったら、バリアフリーの情報がまったくなくて、泊まるホテルすらなかったんですね。
設備があったとしてもその情報がなかったんです。
知るすべがなかったら、ないのと同じですよね。

じゃあ自分のふるさとはどうかと振り返ったら、伊勢志摩もいっしょでした。
伊勢神宮にはたくさんの高齢者も人もくるし、これはなんとかしなくてはいけないと思ったんです。

たまたま生まれた地域が観光地だったからこそ、この活動ができたんでしょうね。
タウン誌の編集者のときは、地元の人に向けての情報発信だったけれど、それが観光客に向けての情報に変わっていったんです。

現場の情報さえあれば、バリアフリーじゃなくても、事前に準備して行くことができる。
必ず現場を見に行くことが大切なんですよ。

こんなステキな場所が・・・?

鳥羽駅を下りて、海の方にかもめの散歩道があります。
そこのベンチは座る部分を上に上げることができてここにすっぽり車椅子やベビーカーが入ります。
その理由は、同じ目線で隣り同士並んで海を見ることができるんです。
ベンチなどに座ったとき、車椅子の人の背中を見ながらの会話は寂しいですよね・・・。
私たちのアイデアが生かされた場所ですね。

旅はリハビリだと思うんです。
家でできなかったことが旅行で出来る・・・・状況が変わると気持ちが前向きになって、
いろんな化学反応がある。
外に出ると、家族の関係も変わるかも。
ありがとうの一言もいえるかも。
そんな何かを感じ取っていただくためにも、車椅子の人にどんどん出かけてもらいたい。
伊勢志摩にもどんどん来てもらいたいと思っています。