FM三重「ウィークエンドカフェ」2009年03月28日放送

渡利牡蠣ってみなさん知っていますか?
紀北町の海山区の白石湖で養殖されている牡蠣なんです。
今日のお客様は、その渡利牡蠣を愛してやまない、畦地宏哉さん。

白石湖は牡蠣の稚貝もつくられているんですよ。
全国様々な牡蠣の産地でこの白石湖産の種子が大きく育てられます。
実がぷりっとしたおいしい牡蠣、ぜひ紀北町にお出かけして、食べてみて下さいね。

畦地(あぜち)宏哉さんは生まれ故郷海山町渡利で牡蠣を育て、
地域のブランド食材にしようと頑張っています。

■渡利かきとよその違いって・・・?

夏7月にかきの子どもを獲ることから始まるんですよ。
秋口から出荷のシーズンまで、
本差しと言って大きく成長するようにロープにさし流して、
海に沈めて、翌年の秋から冬にかけて親かきを出荷します。1年と数カ月で子どもを産んでから出荷していますね。

牡蠣の子供なんて想像つかないですよね。
どんなんというと難しいですが、生まれたばっかの時は海を漂っているプランクトンみたい。顕微鏡でみやんとわからん。
ホタテの板とか牡蠣がらに付着したばっかりは宝石を見るような20倍のルーペで見るんですよ。
ほんとに最初ぱっと見た時は、どこについとるの?って感じ。
ゴマ塩をふったような点々がいっぱいあったり。
たまにゴミと間違うことがあります。(笑)

■白石湖というのは有名なの・・・?

地元で牡蠣の子どもを採取できる数少ない場所。
全国で見ても、かきの子どもを捕まえられるポイントは少ない。
三重県下は白石湖だけですかね。この事は地元の人はあまり知らないです。

僕もこの仕事に着くまで、漁師がかきの子どもを捕まえて自分で大きくしているんやと思っていた。ここはホント恵まれた漁場ですね。

自分の採ったかきの子どもを管理し、大きく育て、紫外線殺菌して出荷する。
他にはなかなかない、これが渡利かきの特徴です。
白石湖の稚貝・・・
ここが美味しい牡蠣のポイントですね。

■かき養殖の始まりは・・・?

おじいさんの時代からカキ養殖をしていたんですが、この地を離れ、他の仕事をしていました。
36歳の時にこの仕事に就くことを決心しました。

その時は全然素人でしたもん。
オヤジから学んだものは殻付きの牡蠣の掃除の仕方ぐらいかな。
紐の縛り方も知らない、船のエンジンの掛け方も知らない!
時期にする作業も全くわからなかったし・・・。
筏の掛け方も知らないし、作り方も知らない!
ほんとに2年3年はもう必死でしたね。

先輩の人らに教えてもらったり、育て方に関しては自分で研究したりしました。
まだまだですよ。

■渡利かきへの情熱はいつから・・・?

ノロウイルスが流行した時は、どこに出荷しても仲がいの人も消費者の人も買ってくれない状態で落ち込んでいました。
そんな中、初めて「渡利かき祭」をしたんですよ。
実行委員長をさせてもらって。

普段の海山のイベントって、集客人数が少ないんです。
よく集まっても1000人いるのかなって感じ。
ものすごく大盤振る舞いなイベントだったのもあるかもしれませんが、なんと5000人以上集まったと思う!
42号線が熊野の花火以来の大渋滞していたぐらい!

「俺は人間に毒な物をつくってるんか」と考えるほど追い込まれていたのに、
一般消費者の方は渡利かきを食べたいと大勢の人が来てくれた。
めちゃくちゃうれしかったし、自信になりましたね。

■渡利かきの畦地家レシピって・・・?

生でも美味しいし、フライでも美味しい!
オープンなそのまんまの味が楽しめるし、渡利かきの特徴として、
年内は小ぶり、年明けてくるとぽこっと急に大きくなってきます。

我が家ではかきカレー!
嫁はんの作るかきカレー美味しいすよ!
肉炒める代わりに牡蠣を炒めて、身を取り出して火を止める前に牡蠣を入れて・・・。
牡蠣の味がして。

子どもたちは無茶苦茶好きみたいですね。
かきが残ると朝にかきぞうすいにしたり。栄養が良すぎますね。
ええもんばっかり食べてって思いますね。

■お客さんとの関わりは・・・?

お客さんの意見って凄く参考にさせてもらってます。
パンフレットを作っていかなあかんのやなとか、商品のパッケージをこういうとこを直さなあかんとか。

それに、作っている人の顔をもっと知りたいって方が多くて。
渡利かきを買いに行くこと自体が1つのイベントになっているみたい。
美味しさ以上の何かがあるんですね。

私もちゃんと髪の毛を切ってネクタイしたりせなあかんですね。
カッパ姿でひげボウボウじゃあかんですね。
せめて穴の開いていないカッパにします。(笑)