FM三重「ウィークエンドカフェ」2010年06月05日放送

今回のお客様は、なんと漁師さん!
桑名の『赤須賀漁業協同組合』の水谷隆行さんです。
一度は減ってしまった桑名の名物「ハマグリ」を、漁ができるまでに数を増やすとともに、桑名の特産であるシジミを地元の人に知ってもらうために奔走!
「次に何をしようか考えるのが楽しい」・・・そんなアクティブな水谷さんに、お話をうかがいました。

■桑名といえば『ハマグリ』ですよね!

そうですね。
しかし実は、桑名のハマグリは一時、危機的な状況になったんですよ。
干拓や地盤沈下があって、ハマグリの生息域である干潟がなくなったりで漁場環境が悪化してね。
昭和30年代には3000tも獲れていたハマグリが、平成7年には、なんと0.7tになっちゃった。
これはアカンてことで、稚貝を育てて放流するとか環境を整備するとかしてね。
今は、なんとか150tまで取り戻しました。
でも、せっかく復活した資源を枯渇させたらアカンで、一週間での出漁回数を決めたり、一回に獲る量を30kgまでにして、ハマグリを守っています。


■水谷さんは、なぜ漁師さんに?

子供の頃は、漁師になんかなりたくなかったんですよ。
漁を手伝わないと小遣いがもらえないし、日曜日も午前中は漁があるから、午後からしか遊べないし。

でもね、やっぱり漁師の思いというか、漁を守りたいというかね。
それで親に「漁師になる」って言ったら、逆に親に止められて(笑)
「市街地も近いし、このあたり(木曽三川河口付近)は開発公共事業が多いんやぞ!」って。
漁業の未来にあまり明るい思いを抱いていなかったようですね。

けれど伊勢湾の一番奥の、一番大事な場所だからこそ、守りたい。
確かに市街地・・・ていうか都会に近いけれど、それでも漁師はできるって思ったんですよ。
自分の子供に継いで欲しい思いはないけれど、もしも継ぐといったときに漁場を保ちたいし守りたい。
そんな気持ちも大きいですね。

■漁業協同組合としての活動は?

赤須賀漁業協同組合として、もっと情報発信したいし、もっと知ってほしいです。
例えば、赤須賀はシジミが一番多く獲れるんだけど、シジミを買う年齢層はすごく高いんですよ。
お年寄りばっかり(笑)
昔は自転車でジジミ売りに行くと、それこそ常連さんがいたっていうのに、寂しいじゃないですか。
そこでもっと若い人に食べて欲しいということで、市役所に掛け合って、学校の給食の食材に使ってもらったり、社会見学に来てもらったりしています。
結果は・・・お子さんよりもその親御さんが、シジミを意識してくれるようになりましたね。
日々の食材にシジミを取り入れてくれるようになって・・・嬉しいです。

■これからの取り組としては・・・?

新しい漁協事務所と地域の交流センターとして『はまぐりプラザ』をオープンしました。
地元の小学校で募集して、決まった名前なんです。可愛いでしょ(笑)。
ちょっと変わった建物なんで、近くを歩いている人が何気なく入ってくることもあって。
どんどん見ていって欲しいなあと思います。
ここで地域のこと、ハマグリやシジミについて、もっともっと知ってもらって、ゆくゆくは食事も出したりしたいですね。

まだまだ発信が足りないので伝えたいし広めたい・・・。
こうやって、「次に何しようかな~」と考えるのが苦労ではなく、毎日毎日、楽しくて楽しくて仕方がないんです(笑)

桑名のハマグリは最高です!
何といっても一番美味しい食べ方は『焼きハマグリ』。
美味しいハマグリを、多くの人に食べて欲しいので、是非、赤須賀に来てください!