三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2014年9月14日放送

「破損した『飛び出し坊や』を直したい」という、母親の目線で気づいた小さな思いが、地元企業などの協力によって実現し、さらに広域型学童保育の運営まで発展しました!!

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こちらの看板は、津市内の子どもたちが遊ぶ公園の近くや通学路などに設置されている、ドライバーへの注意喚起の看板で、『飛び出し坊や』と呼ばれています。

この看板の破損状況をチェックし、拭き掃除を行っているのが、今回ご紹介する『NPO法人 どんぐりの会』理事長の木崎芙美さん。

「この看板は、NPO法人が設置した看板なので、私たちで点検と拭き掃除をしているんです」

なんと、NPO法人が看板を設置及び管理をしているのです。
現在、津市内の10の小学校区内で82体。
通常は町内会や学校のPTAが設置することが多いですが、限られた予算や1年で役員が変わったりするため、維持できないこともあります。


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そこで『飛び出し坊や』に企業の名前を入れることで、その企業から維持管理費を出してもらい、その予算で修理や管理を行っているのです。

しかも活動はそれだけに留まらず、『NPO法人どんぐりの会』は、子どもたちの親が安心して働ける放課後教育、そして子どもたちの笑顔あふれる課外活動にも積極的にチャレンジしています。


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それがこちら『どんぐりの家』。
この日は夏休み期間だったこの日は、8名の子どもたちが元気に学んでいました。

『NPO法人どんぐりの会』が運営を目指すのは、住む地域や通う学校、学区に関係なく、子どもを通わせることができる広域対応型の学童保育。
また、受け入れ時間も柔軟に対応。
残業で遅くなる場合も、その時間まで預かってくれるそうです。
現在はまだ期間限定の試験運営。
まもなく働くお父さんお母さんの強い味方が誕生します!


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この日の昼食は『どんぐりの家』の人気企画、流しそうめん!
楽しく遊んで、お昼ごはんにもなるから一石二鳥ですね!!
使っている道具は、『NPO法人どんぐりの会』の『飛び出し注意看板の協力企業』さんからの提供です。


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そうめんでお腹がいっぱいになったら遊びの時間。
いったい何をしているんでしょうか。
実はこちらは、大きく広げた透明シートにみんなで思い思いの絵を描いて楽しむ「空に絵を描こう!」。
こうして子どもの目線で見上げると、空に絵が浮かび上がるのです。


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「木﨑さんと同級生で、『どんぐりの家』を立ち上げるという話を聞き、私も子どもたちにかかわったり英語で遊ぶことにとても興味があったので。
子どもたちにはすごいパワーがあって圧倒されることがありますが、本当に毎日楽しいです」

「僕は三重大学院からのインターンとして参加させてもらっています。
最初は子どもたちもちょっと緊張していましたが、少しずついろんな遊びをしていると徐々に仲良くなれるので、今はワイワイしながら楽しんでいます」

と、スタッフの女性とインターンの男性。


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ところで、木崎さんはなぜ『NPO法人どんぐりの会』を立ち上げるにいたったのでしょうか。

「私自身がシングルマザーとして10年間、一人で子どもを育ててきたのですが、子育てをしながら仕事をするというのは大変でした。
仕事と子育て、両方しなければならない状態で、こういった施設の必要性を感じ、取り組みを始めました」

木崎さんがはじめた『飛び出し坊や』の看板整備と『どんぐりの家』。
企業が飛び出し坊やの看板設置と管理費を負担することで、学校、PTA、地域は、その負担が減った分、子どもたちを手厚く見守ることができます。
そして、学童保育の運営によって働くお父さんお母さんを支援。
それが企業の福利厚生、雇用の安定につながるという、子どもの笑顔を中心にした循環の仕組みなのです。


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協賛企業の一つ、ある警備保障会社を訪ねてお話をうかがいました。

「私どもの事業は警備保障なので、『人を守る・企業を守る・町を守る』ことが業務です。
その業務の延長線上にある業務を『社会貢献』と考え、支援をさせていただこうと思いました。
特に学童保育の事業を今後拡大していこうとしていたため、非常に共感したのです」


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夕方。
お迎えの時間がやってきました。
ひとりのお母さんにお話をうかがいました。

「子どもがいると仕事に行けないので、その間、預かってもらっています。
毎日とても楽しそうに通っていて、帰るとその日のできごとを教えてくれるんですよ。本当に助かっています」

はじまりは、母親の目線で、ふと気づいた小さなことでした。
破損した『飛び出し坊や』を直したい、そんな思いからスタートした『NPO法人どんぐりの会』。
子どもの安全を守る。
学校、PTA、地域の子育てを協力企業の皆さんと地域社会全体で支援する。
そして、お父さんお母さんが安心して働ける環境をつくる。
どんぐりの会の仕組みは、子どもの笑顔を中心に回り続けます。