FM三重「ウィークエンドカフェ」2010年10月30日放送

今日は、三重で遊ぶ、触れ合う、暮らすをテーマに様々なところで活動しているサルシカ隊長の奥田裕久さんがゲストです。
活動しているお話を聞いていると、私も仲間に入れて~そんな気持ちになります。
大人が思いっきり遊ぶことを大切にしているんだなとも思います。
その中で三重県の魅力を探し、伝えられることって素敵ですね。
今は銭湯めぐりをサルシカのみなさんとしているそうです。
縦に長い三重県はその地域によって言葉や文化が違います。
そのエリアによっての違いを見つけていくことが魅力ともお話していただけました。

■奥田さんが隊長をつとめる『サルシカ隊』って?

僕は18歳で上京して、東京で会社をやっていたんだけど、もっとゆっくりした暮らしがしたくて、ここ美里に居を構えました。
こっちの人は本当にいい人ばかりで、自然もいっぱいで環境も良い。
でも激しく過疎高齢化が進んでいて、10年後には集落とか町が消えちゃうんじゃないか!という状態。
だから、三重県の良さ、里山の良さを紹介することで、僕たちのように外から移住してきて欲しい、県外に出た人も、Uターンで帰ってきて欲しい・・・。
そのための情報発信をする団体であり、サイトです。

■『サルシカ隊』・・・名前の由来は?

まあ単純に、僕の住んでいる地域に猿と鹿が多かったから。
で、スペルを「salsica」にすると、コルシカっぽくてカッコ良いでしょ(笑)
なんて思って付けてみたら、近所のおばちゃんに、
「あんた、サルとシカとか言うてるけど、あれは害獣やに!」
って言われて。
ああ、僕は都会モンで、考えが浅はかだったな、と。
それで急遽「猿と鹿と共存できる里山づくり」みたいなコンセプトにシフトしました(汗)

■どんな活動をしているんですか?

『三重で遊ぶ、触れ合う、暮らす』をテーマにしているんですけど、もっぱら『遊ぶ』ですね(笑)
やっぱりサイトを見ている人ってそういうのが見たいと思うし、「来たいな」と思うきっかけになってほしいですから。

サイトを見て、なんと山形からやって来た人もいるんですよ!
ちょうどツリーハウスを作っていたところで、手伝いに来てくれたんです。
その人が三重に来て感動したのが、
「大の大人が、お金ももらわず、本気になってスゴイ人数でツリーハウスを作っている・・・こんなアホな大人がいっぱいいるのが素晴らしい!」
って。
嬉しいですね、アホ認定されてますけど(笑)

会った人は全員隊員にしちゃうので、隊員は230人くらいいるけど、実際活動しているのは50~60人。
キャンプやバーベキュー、潮干狩りに山菜採り、薪集めイベント・・・いろんなことしてますね。
最近始めた企画は『銭湯めぐり』。
町を紹介する入り口として、サルシカらしく楽しいことから始めようと。
けれど始めてみると意外な実態も見えてきてね。
企画を始めた時点で49軒あった銭湯が、この短期間に2軒閉店しちゃったんですよ。
消える前に記録を残さねば!というわけで、どんどん紹介していこうと思ったんだけど、やっぱりカッコ良くではなくサルシカらしく。
なので企画参加資格は、肥満体であること。
銭湯を回る一年間で、目標体重を決めて痩せていく・・・はずなのに、お風呂に入った後飲みに行くんで、もっと太っていく(笑)

■三重で暮らして思うことは?

津に暮らしてたびたび思うのは、三重県は良い意味で生ぬるいというか中途半端ですね。
都会でもなければ、ド田舎でもない。
僕が暮らしているのは、ほんとに山の中の集落なんだけど、それでも車があれば30分で街に出られて何でも揃っている。
かと言って街中で渋滞はないし、人気のラーメン屋さんに行ってもほとんど並ぶことはないでしょ。
田舎の辛さと都会の辛さがない素晴らしい場所ですよ。
都会から北海道に移住・・・なんて極端なことを考えている人は、一度こっちに来たほうが良いよ・・・と思います(笑)

だけど反面、その中途半端さを、情報として発信するのが難しいんですよ。
この中途半端さとかぬるさって、体感しないとわからないから。

あとちょっと物足りないのは、三重の人があまり危機感を持っていないこと。
一方で消えていく集落があるのに、生活に困らないし恵まれているから、地域活性化のために動きが鈍いんです。

■地域に対しての取り組みは?

これまでは三重県から県外に向けての情報発信が中心でしたが、これからは自分たちが暮らしている地域に対しての恩返しをしたいですね。
どういった手法で地域の活性化をしていくのかを模索している最中です。

活性化をした結果が良い成功例になって、それをまた情報発信し・・・全国の地域活性化の見本となりたいです。
また、チャレンジ自体も『サルシカ隊』のコンテンツのひとつになりますしね。

しかし地域の活性化はゼロからでは無理。
人がいてその地域に根差した文化がある以上、それらを取り入れながらしないと成功しません。
そのためには他地域の成功例や手法を学んでいかないと・・・活性化は失敗するとリスクが大きいですから。

今、僕は幸い、地域活性化に取り組んでいる人たちと毎週のように会える仕事をしているので、いい話を聞かせてもらっています。
また、今のうちに協力をお願いしておいたり、自分でも、聞いた話を整理して蓄えてたり・・・。

■奥田さんの夢は?

最終的には畑を作ったり、ゆっくりと自然の中で家族と向き合って暮らすこと。
それはすなわち、あまりお金を使わない生活とかな。
まあ、実際そういう暮らししていたら、お金もあまりないと思うし(笑)

と言いつつ、今は庭の草刈すら出来ない状態で、家内に怒られています。