FM三重「ウィークエンドカフェ」2010年11月27日放送

お久しぶりのこの方は、もくもくしお学舎のしお太郎こと尾上和寿さん。
カフェでどうぞ!とのことで新商品「塩けんぴ」を持ってきてくれました。
芋けんぴと比べるとうす~いお芋さんを油でぱりっと揚げているのですが塩がアクセントになっていて、やめられない。とまらない。
お年寄りにも子供たちにもとっても人気の商品です。
尾鷲の地元のものにこだわり、おいしいお菓子が出来上がりました。
塩らーめんに挑戦したい!とおっしゃる尾上さんでした。

■新商品の『塩けんぴ』、ちょっと変わった形ですね!

そうでしょう!
芋けんぴは誰でも知っているじゃないですか、
だからこそ定番の味とスティック状の形ではなく、『しお学舎』ならではのは芋けんぴを作りたかったんです。
パリパリ感を出すために、薄切りの細切りにして、塩味で・・・。
この味と食感を出すのに苦労しました。

芋けんぴ用のサツマイモは、普通は『黄金千貫』という品種を使うんですが、やはり他のと同じでは満足できないんで、『べにはるか』を使っています。
黄金千貫に比べると二倍以上の値はしても、糖度が全然違うんです!
『べにはるか』を作ってくれているのは、『夢古道おわせ』さんの隣で農業を行っている『向井の里』さん。
塩はもちろん海洋深層水から出来たもの。
塩もサツマイモも尾鷲産なんです。

ただ、『向井の里』さんの有機農地で採れる『べにはるか』は2tほど。
足りない分は、国内産のもので補っている状態です。

もう開発中は、毎日毎日芋のことばかり考えていて・・・気づいたら塩博士ならぬ芋博士・・・尾鷲いも太郎になるかも(笑)

■でもやっぱり考えるのは『塩』?

もちろんです!
旅行や研修など・・・どこに行っても『塩』という文字が目に付いて、塩関係の商品ばかり買って来てしまいます。
塩キャラメルや塩アメ・・・もちろん日本全国の塩そのものも。

塩を使った商品開発は、日々考え続けていますね。

今、商品開発の候補は『塩ごま』。
『ごま塩』じゃないくて『塩ごま』。
普通のごま塩って塩が下に沈んじゃって、味がばらつくでしょ。
この『塩ごま』は、しお学舎の塩を使った塩水に、黒ゴマを入れて一晩寝かせて焙煎したもの。
見た目は普通の黒ゴマなんだけど食べるとしっかり塩味が付いているんです。
コレは、試食した人は必ずビックリします(笑)

ちなみに黒胡麻も国産です!
実は『胡麻』って現在流通している90%以上が輸入物で、ほとんど流通していないんです。
なので、価格は海外産の7倍以上するんですが、『しお学舎』は国内産にこだわります。

できる限り地のもの・・・尾鷲産、三重県産、国産を使って、健康な食品を作りたいんです。
こだわりすぎて、この『塩ごま』には、ほとんど儲けがありません(笑)
だから卸価格も設定できないんですが、それでも卸して欲しい、と仰ってくれるお店や業者さんに卸させてもらっています。

■尾鷲海洋深層水の危機!?

今年(2010年)2月に、海洋深層水の取水管が故障するアクシデントがあり、約40日間、塩が作れなくなりました。
故障した時点ではそれがどのくらい続くかわからなかったので、急きょ3ヶ月プラン・6ヶ月プランを作成。
どの商品を優先して出すかとか、取引先に迷惑がかからないよう・・・最善策を尽くそうと。
取水管は自分たちの手の届かない作業場・・・もちろん僕らには原因もわからないし、辛かったですね・・・。

さいわい、思ったより早く復帰したものの、その間は生きた心地がしなかったです。
取引先にも最小限の迷惑で済んで良かったです。

■『塩』にかける夢は?

日々、塩に触れることで、塩の大切さ・・・ひいては口に入るものの重要さを知って、食に対する意識が変わりました。
スーパーとかでも必ず商品を裏返して、原材料や添加物などをチェックするクセがついちゃって。

そんな中で、僕が今一番作りたいのは『塩ラーメン』!
まずはここ尾鷲で、1店舗でも開店したいんです。
塩の味を生かした直球勝負のスープを作って、美味しければ、「ここの塩は美味い」とさらに認知されるでしょ。
尾鷲しお太郎から尾鷲いも太郎・・・次は尾鷲ラーメン太郎ですかね(笑)

いつでも商品開発をするのは自分たち。
自分たちで作って自分たちで販売・・・その時は生みの苦しみで、ホントにもう胃が痛いです。
でも、いったん生まれて、お客さんに「美味しい!」と言ってもらえたら、この苦しみは吹っ飛びます!

塩にはまだまだいろいろな可能性があります。
今は減塩志向なんで、『しお学舎』でも健康を考えた塩作りをしています。
塩分を1/3に抑えた塩の販売や、少しの塩味で満足できる調味料とか・・・。

『尾鷲海洋深層水の塩』を通して、尾鷲を全国に広めることが、自分の使命だと思っています!