FM三重『ウィークエンドカフェ』2014年11月8日放送

水郷のまち桑名。
歴史上の人物では、徳川四天王のひとり本多忠勝や、家康の孫娘である千姫、桑名藩第18代目の藩主松平定敬、鳥羽伏見の戦いで大敗を喫した桑名藩の軍制を立て直した、立見尚文らが有名です。
その桑名の町の見どころを今回は、桑名市観光協会会長、永野元康さんが紹介してくれます。

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■桑名は町衆文化の街

歴史的に言えば、桑名は町衆の街なんです・。
かつては誰でも自由に商売ができる自由都市、『十楽(極楽)の津(港)』と呼ばれていました。
寺町通り商店街をはじめとして、昔から商店街がたくさんあります。
商人の町としての面影も残しています。
現在も昔ながらの姿の商店街が残っているので、ぜひ来ていただきたいですね。

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■桑名のおすすめの場所!

桑名は江戸時代には東海道の宿場町、そして本多家や松平家の11万石の城下町として、伊勢湾や木曽三川の水運で栄えていました。
揖斐川の川岸にある『六華苑』はぜひ訪れていただきたい場所です。
二代目諸戸清六の邸宅として、大正2年に完成しました。
本園には鹿鳴館の設計で有名な、ジョサイヤ・コンドルによる、四層の塔屋を持つ木造二階建ての天然スレート葺きの洋館、和館や蔵、池泉回遊式庭園などがあります。
和洋の様式が調和した明治・大正期を代表する貴重な文化遺産であり、国の重要文化財に指定されています。

六華苑の周辺には、『伊勢国一の鳥居』がそびえる七里の渡し跡、桑名城跡の『九華公園』、夏には日本一やかましい祭りと言われる『石取祭』が行われる『春日神社』など、江戸から大正にかけての名所がたくさん残っています。
六華苑周辺に来れば、昔の桑名を見ることができるわけです。

揖斐川の河川敷から上流を向けば、遠く御岳山を一望できるサイクリングコースやジョギングコースなどが人気です。
最近ではよく、東海道をウォーキングされる方をお見かけします。
他にも夜には『諸戸氏庭園前』のレンガの水路や、寺町通商店街東側の寺町堀などがライトアップされ、とても風情があります。
桑名を歩いてもらうと新たな発見があると思うので、ぜひ散策してみてください。


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■おいしい特産品がたくさんある桑名

桑名といえば、なんといっても時雨煮。
ハマグリやアサリなど、日持ちする保存食として昔から親しまれてきました。
また、『その手は桑名の焼き蛤』という言葉もあるように、桑名はハマグリが有名です。
料亭では高級な桑名産はハマグリも、赤須賀漁港の『はまぐりプラザ』でなら、大変お値打ちにハマグリのセットを食べることができます。
ゆるキャラも『ゆめはまちゃん』という、ハマグリのキャラクターです。
他にも、多度や播磨地区のタケノコ、長島のなばなやトマト、木曽三川河口の海苔やうなぎなど、桑名さんの美味しいものはたくさんあります。
美味しいお肉やうどんも有名ですが、醤油や味噌なども有名です。
いろんなものが桑名の名産。

桑名のご当地グルメは、『くわなめし』と名付けられたものが7種類。
その中でも『桑名流 しぐれ肉巻きおにぎり』や『桑名カレー』、『桑名コロッケ』に『バンブー焼きそば』は、市外のイベントでも出展することが多く、召し上がれた方も多いのではないでしょうか。
私も全部いただきました。
ぜひ、多くの方に楽しんでもらいたいです。

また、桑名といえば、『和菓子』がとても栄えた町です。
東海道五十三次の宿場町として栄えた桑名には、昔から旅人たちを癒した店が多くありました。
『安永餅』や『かぶら煎餅』、『たがね』に『とらや饅頭』などの老舗の和菓子屋さんや、桑名の夏の銘菓『アイス饅頭』など、季節を通して素敵なお菓子がたくさんあります。
桑名の和菓子を楽しむイベント『桑名城下町和菓子クーポン』を10月1日から開催し、クーポン券を販売しています。
これは協賛店21店舗から選んで、お店の看板メニューやオススメ商品と交換できるお得なクーポンです。
桑名土産として親しまれている『安永餅』などが、普段よりもお得に購入できるんですよ。
価格は800円。
寺町商店街の『くわな まちの駅』や、桑名駅前サンファーレ2階の『桑名市物産観光案内所』で購入することができます。


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■秋のみどころ!

まずは『九華公園』。
その形から扇公園と呼ばれ、さくら、つつじ、花菖蒲の名所として有名です。
特に、春と秋には『水郷舟巡り』が開催されています。
花の咲き誇る季節に、ぜひ来てください。

あとは『春日神社』。
桑名の総鎮守『石取祭』の会場として、二日目の本幕では大変賑わうところです。
近くにある青銅の鳥居は、1667年七代藩主松平貞茂が、桑名の鋳物師・辻内善右衛門種次に作らせました。

白馬伝説で有名なのは『多度大社』。
上げ馬神事や流鏑馬祭りなど、馬に関わるものがたくさんあります。
ぜひこちらも訪れていただきたいと思います。
私も今年、上げ馬神事に行きましたが、大変賑やかで勇壮でした。

これからの季節は、『諸戸氏庭園』ですね。
国の名勝で、春と秋に一般公開されています。
春はつつじ、勝負、秋は紅葉の名所として親しまれています。


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■映画の街・桑名

桑名は、映画やドラマの撮影場所として使っていただくことが大変多いです。
映画『人間失格』やテレビドラマの『運命の人』『リーダーズ』など、桑名は撮影場所として多くの作品に登場しています。

桑名は観光資源に恵まれていますので、これからは「映画の街・桑名」として、内外にPRしていきたいと思います。
先日、映画のプロデューサーから聞いたのですが、いろんな街を訪れると実は、我々がなんとも思っていなかった部分が街の魅力であったりするそうなんですね。
それを聞くと、こちらとしても再発見することがあり勉強になります。
市民の方々にご協力いただきまして、映画、ドラマなどにエキストラとして出てもらっています。
自分の知り合いや家族が出演していることで、より、桑名の街を誇りに思うことができるのではないでしょうか。
これからも「映画の街・桑名」としてPRして回りたいですね。


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■石取祭について

『石取祭』は、春日神社の流鏑馬神事の町屋川から石を運んだのが始まりと言われています。
毎年8月の第1日曜日の前日の午前0時、30台の祭車が一斉に打ち鳴らす鉦や太鼓の音は、何もかも吹き飛ばす勇壮無比な音色です。
日本一やかましい祭りと言われてまして、各町内の祭車が旧東海道などを練り歩き、祭車は見事な彫りに漆を塗ったもので豪華な天幕をつけ、勢揃いする様は一見の価値があります。
各祭車、いろんな見所がありますので、ぜひ桑名に来て、石取祭を楽しんでもらえれば、と思います。
こういった山車を間近で見られるのは、全国的に見ても少ないと言われています。
間近で見られるのも石取祭の良さではないかな、と思います。
400年にわたる石取祭を次の世代につなぐため、地元の皆さんを挙げて伝承してきたいと思います。

そして来年、平成27年の5月30日は、『全国・山・鉾・屋台保存連合会総会 桑名大会』が行われます。
国の重要有形・無形文化財の指定を受けた山・鉾・屋台とその行事に関する保護団体の関係者のみなさんが全国各地から集まる全国大会。
桑名では、歓迎の気持ちを込めて石取祭の祭車を市民会館の前に並べることになっています。
そして翌日の5月31日は、伊勢神宮内宮宇治橋の外側の鳥居をいただいて七里の渡し場の鳥居の立て替えを行う、七里の渡し・伊勢の国一の鳥居建て替え事業の日。
この日はこの御用材をお木曳する予定になっています。
そして翌週の6月7日に竣工式。
20年に一度の大切な日です。
ぜひ、その時も桑名にお越しください!