三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2015年2月15日放送

三重県総合文化センター内に、障がい者雇用の推進を目的としたカフェをオープン!
みんなで育てた自慢の野菜をふんだんに使ったサラダや料理、スムージーなどを提供します!

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去年、平成26年12月24日、三重県総合文化センターの『フレンテみえ』内に、障がい者が働くカフェ『Cotti菜(こっちな)』が、オープンしました。
障がい者が就労に向けて訓練する場であるとともに、障がい者雇用の理解を深める場所として県が立ち上げたお店で、障がい者の就労を支援する鈴鹿市の『社会福祉法人朋友』が運営。
現在、8人の障がい者が、活き活きと働いています


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三重県雇用経済部雇用対策課・主事の池田智晴さんに、三重県が『Cotti菜』を開設した理由をお聞きしました。

「実は三重県内における『企業の障がい者実雇用率』が、過去10年間で4回最下位となっているのです。
そこで企業や県民のみなさんに、障がい者が働くことへの理解を深められるよう、また生き生きと働く姿を発信する場としてステップアップカフェをオープンいたしました」

障がい者の訓練の場であり、チャレンジの場、そして、交流の場としてオープンした『Cotti菜』。
和食を中心に、水耕栽培の野菜を使ったサラダバーなどのヘルシーメニューも話題となって、開店以来、連日の大賑わいだそうです。


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『Cotti菜』を委託運営する『社会福祉法人朋友』の豊田悦子さんに、障がい者のみなさんに仕事内容についてお聞きしました。

「従業員には身体障がい、知的障がい、、精神障がいの方がいます。
どの担当に付けば一番能力が発揮できるかというのを考慮し、接客などのホール担当、調理担当などの配置を心がけています」


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『Cotti菜』の厨房はオープンキッチン。
これはバックヤードで働いていると思われがちな障がい者のスタッフが頑張っている姿を、お客さんたちにも見てもらうため。
厨房は、作業工程順に調理器具を置くなど、調理・給仕がしやすい形にしてあります。


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「耳がちょっと聞こえづらいので、コミュニケーションがうまくいかない時がありますが、少しずつ、日に日に何かをつかめています」

「ホールに出ての接客が楽しいです。
お客様に『おいしかったよ』とか『親切にしてくれてありがとう』という言葉をかけてもらえることが、一番うれしいです」

仕事は、個人の能力、障がいに応じた担当制。
そして、厨房は、スタッフ同士が連携して働ける形を取り入れ、互いを助けあい、補いつつ、仲間と働く喜びも分かち合います。
スタッフが少ないため、ランチタイムの一番忙しい時間帯は、揚げ場・麺場・ドリンク場・ホール・・・一人で二役三役することもあるそうです。


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そして実は、『Cotti菜』で使われている野菜も、障がい者のみなさんが育てているもの。
鈴鹿市のこのハウスでは、現在15人の障がい者が、レタス・水菜・小松菜などの葉物野菜を水耕栽培で育てています。
朝採れたこの野菜が、そのままお昼のランチのサラダバーで提供されるのです。

「土日の休みを利用して、お店に食べに行くスタッフもいます。
そこでにぎわっている様子や、お客さんが『おいしい』とサラダを食べているのを見るのがとても励みになっているようです」

と、豊田さん。


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こちらが1日50食限定の『週替りランチ』。
ヘルシーがコンセプトながら彩り豊かで、目でも楽しませてくれます。

この日のメインは人参を薄切り豚肉で巻いて揚げたカツ。
そして小鉢には小松菜の胡麻和えなど、たくさんの野菜が使われています。


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サラダバーの野菜はもちろん、今日の朝、採れたものです。
新鮮なので、これだけで食べても止まらないおいしさ!


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さらにスムージーは自家製の小松菜を使ったものと、マンゴー、ベリーの3種類。


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「最初は自分からお客様に話しかけられませんでしたが、慣れてくるうちに色々なことに気づけるようになったので、もっとお客様に喜んで欲しいです」

「ここはみんなが一緒で、みんなで働けるのでありがたいです」

と、スタッフのみなさん。

「『障がい者がやっているから行ってみよう』ではなく、とても野菜がおいしくてみんなが生き生きしているレストランができて、気づいたら働いている人たちが障がい者だった・・・そんなお店づくりをしていきたいです」

と、豊田さん。

ここでは、みんな一緒。
みんなで働き、楽しむことができる場所。
そして、働く姿を発信する場所。
それが、ステップアップカフェ『Cotti菜(こっちな)』。
今後は、企業との交流、研修の受け入れなど、障がい者と地域・企業を繋ぐ役割が期待されています。