三重テレビ「ゲンキ!みえ!生き活きリポート」2009年2月15日放送

森を守り、地元の木材の魅力を伝えることで地域をゲンキに!
尾鷲ヒノキの家づくりで、住む人もゲンキに!


海・川だけでなく、森も豊富な、北牟婁郡紀北町海山地区。
かつて林業が盛んで、製材工場は日本一多いところと言われてきましたが、輸入木材の流入や価格競争により、減殺は非常に厳しい状況に。
しかし最近になって国産木材が見直されつつあります。
それはやはり、自然なもの、身体に優しい木材を使おうという近年の傾向から。
国産の木を使うことによって、家の寿命も延びるそうです。

そして今、家を建てる人たちが注目する地域の木材が、『尾鷲ヒノキ』。

『東紀州・尾鷲ひのきの会』メンバーの、川端基洋さん。

『東紀州・尾鷲ひのき会』の創設は2003年。
この地域の山林業、製材業、木工業、森林組合、木材共同組合、建築業の、13の事業所からなる組織です。

「地域の尾鷲ヒノキの良さを一般の方により広く知って欲しい。家を作るときに、一本でも尾鷲ヒノキを使ってもらえたら・・・」

そんな『東紀州・尾鷲ひのきの会』が主催しているのが『楽しい木の家づくりセミナー』。

このセミナーは、設計、施工、製材、林業など、木と家をつなぐ仲間が集まり、実際に木に触れながら「木の家づくり」を知ってもらおうという企画。

セミナー参加者は、実際これから家を建てる人、国産の木の家に興味のある人・・・など、さまざまです。
尾鷲ヒノキを育てる山を実際に歩き、さらに製材や木工の現場を見学します。

尾鷲ヒノキの産地として200年以上も受け継がれてきた、大田賀山林。


樹齢200年になる木をはじめ、さまざまな年数・種類の木が広がる森・・・。
それは、数百年前から造林業を営んできた、この地域の歴史が守ってきたものであり、その健全な森こそが、良質の尾鷲ヒノキを育てているのです。

その実績と自信から、環境を配慮した森林管理を評価・認証する『FSC森林認証』を受賞。
国内第1号の認証となり、ブランド力の強化につながりました。

製材所では、伐り出された木材が製材になるまでの過程を見学。
赤みが、尾鷲ヒノキの特徴です。
木工所。
ここでは、尾鷲ヒノキをはじめとする地元の木を使って、木工細工からヒノキ風呂まで、さまざまなオリジナル商品を作っています。

材木の切れ端を見つけ、積み木遊びをはじめる子どもたち。
こうやって木に親しんでもらうことも大切なきっかけです。

「都会の人にも山を守ってもらうためには木を使った欲しいですね。
 仕事が来たら雇用も増えるし、木が活きるし、地域も生きると思います」

セミナーに来た人たちが尾鷲ヒノキの良さを知り、将来家づくりをするときに役立てて欲しい・・・。

尾鷲ひのき会の願いは、地場産業としての林業の復興です。
そのためセミナーのほかにも、実際の住宅建築現場の公開や、住宅関連の展示会に出展し、都市部の人にも尾鷲ヒノキの良さを知ってもらう・・・などの活動を行っています。

また、今だけでなく将来を見据えたプログラムも開催しています。
それが『林業塾』。

これからの林業の担い手となる人材を育成することが目的の研修会。
大学生や社会人などが参加し、4日間にわたって、講義、フィールド研修、グループディスカッションを行います。
ただ森林を見るのではなく、産業や協力体制などの組み合わせも含めつつ森林を管理していくことが、これからは必要だと考え、それを次代に伝えていこうとしているのです。

人が森を作り、森が木を育て、木を使うことで地域が活きる・・・。
『東紀州・尾鷲ひのきの会』は、自然と地域経済の大きな循環を取り戻し、森と地域をゲンキにしようと、がんばっているのです!