生命の森を見て、触れて、感じる、森づくりの請負人!セミプロを目指して活動する森林施業認定NPO法人『森林(もり)の風』(ゲンキみえ)

三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2015年4月19日放送

森のスペシャリスト『きこり人』を養成し、放置された人工林を樹木や生物など多様性のある森へ再生を!
理想の森づくりを目指します!

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菰野町の森林でこの日開催されていたのは『まちのきこり人育成講座』。
森づくりをイチから学びたい、森林整備を始めてみたい人々を育成する講座です。


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開催しているのは、森林施業 認定NPO法人『森林(もり)の風』。
森林の環境保全を目的として、植樹、草刈り、枝打ち、間伐など、主に三重県北部の森林施行を請け負って作業をしています。
メンバーは32人。
活動をはじめてすでに10年目。
設立当時から、森林施業に関わる人材の育成、仲間づくりにも力を注いできました。

『森林の風』の設立と同時にはじまった『まちのきこり人育成講座』は、2ヶ月間に渡って10回開催。
森づくりの基礎を学び、なおかつ安全な作業方法を身につけます。


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『森林の風』代表の瀧口邦夫さんに、『まちのきこり人育成講座』についてお聞きしました。

「NPO法人を作って森に入るときに、当初の会員も勉強会をしないと山に入れなかったんですね。で、その時にメンバーが勉強会をするなら一般の人も一緒に巻き込んで勉強会をした方が早いというのと、一般の人からも次の会員を集めるために、同時にスタートしたのが『まちのきこり人養成講座』なんです」


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講座2日目のこの日は『森を歩こう』と題して、フィールドの見学と観察。
実際に森を見て、身体で感じて、森の管理法を理解してもらいます。
やってきたのは、菰野町の展望台とも言われる『菰野富士』。

登山道の階段の段差が高いのは、かつてはもっと上まで土があったから。
雨で土が流されてしまったんですね。

登山道の周囲は、ツバキが多いなど雑木林化している部分とスギ、ヒノキの人工林もありました

「ヒノキの枯れ枝は、木の中に水が入るんです。人工林としてはそこから腐ってしまいシミができてしまうので、良くないんですね」

と、瀧口さん。


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標高369メートルの菰野富士の山頂に到着。
ここからは御在所岳が一望できます。
そして興味深いのはこちらの山。
右側が自然林で、左側が人工林。
キレイに分かれています。


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「私は東京から来ました。
『森って何なんだろう』ということが気になって、調べてみたら菰野に森林について活動しているNPOがあるとわかり、いろいろ森について知ってみたいなと思って」

「私は魚屋を20年ほどしていますが、年々魚が獲れなくなってきています。そこで調べていると、山が荒れてきたから海が悪くなったのではという説に辿り着きました。
自分としては魚屋さんの中で第1号として勉強しに来ている気持ちです。
今の段階で僕らの商売にすぐ繋がるとは思っいませんが、10年・20年後の後輩たちに何か残せればと思っています」

と参加者の人たち。


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「若い人が来てくれるのはとても大変ありがたいです。
今回の講座でも、比較的年齢層の若い方が参加しているので、その中から一人でも二人でも一緒に活動をしてくれたらうれしいですね」

「森をキレイにしたら海の問題も、私たちが暮らしている町の問題も解決できるのではないでしょうか。
10年前にこの会を設立した世代から、なるべく沢山の知識と技術を受け継ぐことが私のやるべき事だと思っています」

と『森林の風』の中橋勇さんと、清水環さん。


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場所を移動して、こちらは長年放置されてきた人工林。
『森林の風』のみなさんが手入れをし、樹木や生物など多様性ある森へ再生させようとしています。
が、そこで鹿による被害を発見。
杉の皮が食べられ、めくれあがっています。


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杉の皮を舐めたところ、メロンのような味がする、と参加者。
これでは鹿が食べたくなるのも仕方ないのでしょうか。

「やっぱりこの森は放置されているという感じがしますね。
これから半分近く切ることで、ここでいろんな木々が生えてくると良い森になると思います」

と瀧口さん。
講座生は今後、この人工林の間伐などを行っていきます。


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『森林の風』の拠点に戻り、敷地内に設けられた育苗室を見学。

5500本の植樹を計画中のこちらには、現在1200本ほどの苗が。
これまでに植樹したのが1300本とのことなので、あと3000本の苗を育てる必要があります。


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フィールドワークを終えて、最後に、グループにわかれての検討会。
理想的な森林とはなにか?
それをつくり、維持するためには何をすべきか。
きょう実際に歩いて見たことを踏まえて、みんなで考えます。

「大きい木を切り倒すことで、若い木が森を作っていくのだと知りました」

「実のなる木を植えれば、すぐに利用できるようになるのでは」

と参加者。

対して『森林の風』のメンバーも、

「果樹園にするのは違うと思います。
人為と自然の調和という意味で、どういった形で実をならせるかの計画性が大事だと思います」

「みんなが楽しめるような場所を作るという意味で、桜とかもみじなど、季節感が味わえるものを植えてゆくのも一つの手ではないでしょうか」

と、意見を出し合いました。

こうして2回目の『まちのきこり人育成講座』が終了。
4月いっぱいは入門編として、森の測量、ノコギリによる木の切り方、倒し方、そして植樹の仕方を学びます。
5月は基礎編。
チェンソーの使い方を学び、実際に間伐や搬出を行います。

「森の整備の依頼がとても増えています。
断ると言うことはその森の整備ができないと言うことですので、頼まれたところはちゃんと整備していきたいですね。
そのためにはやはり人が必要なんです。みんなでどんな盛りが良いかを考え、それを実践することで理想の森をたくさん作りたいです」

と、瀧口さん。

木を伐り、植え、森を育てる。
人に学び、伝え、次世代のきこり人を育てる。
木々のあいだに通り過ぎる光と風。
人と森は、ともに育っていきます。