三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2015年4月26日放送

以前からあった数カ所の無人直売所をまとめ、大きな直売所を作ったところ大人気!
目標を定め、それを達成することでますます商品が充実し、お客さんが絶えません!

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今回ご紹介するのは、『風伝おろし』で有名な、御浜町の尾呂志地区。
『風伝おろし』とは、風伝峠に10月から5月にかけて、朝霧が滝のように山を流れる現象です。


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その麓にあるのが、いま注目のスポット『さぎりの里』です。
さぎりの里は、四季折々の野菜や柑橘類、地元のブランド米『尾呂志米』などを販売する直売所。
平成11年に、地域の農業従事者が集まって尾呂志地場産品組合を結成。
お店をスタートさせました。
今では観光バスが立ち寄るほどの人気です!


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みなさん、たくさんの野菜を購入していますね!

「なんでも置いてあるし、味もおいしいですよ」

と、お客さん。


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そして直売所のすぐ隣にあるのが『さぎり茶屋』。
こちらも連日大盛況だそうです。


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こちらの一番の人気メニューが、この『岩清水豚 厚切りヘレカツセット』1400円。
岩から湧き出る水を飲ませ、大麦を使った飼料で飼育した『岩清水豚』は甘みがたっぷり!
ご飯もここ尾呂志地区で穫れた『尾呂志米』を使っているので、とてもおいしいのです。
人気なのも頷けますね。


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『さぎりの里』直売所組合長の上ノ平弘男さんに、『さぎりの里』の成り立ちについてお聞きしました。

「昔から無人の直売所が各地にあり、それなりに人気もあったのですが、無人のため問題も起きていたんです。
そこで、それらを一緒にし、みなさんの経営も安定できるよう直売所をつくろうということになり、尾呂志地場産品組合によって平成11年にオープンしました」

初年度は750万の売上目標でスタートしたところ、なんといきなり2000万円を売上げたそうです。
そして現在はおよそ4000万円。
『さぎりの里』のみなさんの取り組みで注目すべきなのは、目標をしっかりと定め、それを達成するために何をすればよいか、みんなで考え、実行していること。
現在の売り上げ目標は、5000万円。
その達成のために、加工品の製造、販売に乗り出しました。


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そんな加工品の製造をしている1軒がこちら。
作っているのは草餅。
量は6升5合。
なんと朝4時前から、ご夫婦で作り始めているんです。

「加工品もプラスしないと収益性が少ないということで草餅づくりを始めました。
この直売所が始まるまでは、こんな田舎へお客さんが来てくれないだろうと頭にありましたが、お店を開いたら、お客さんが絶えない状態で、むしろ出品する品物が少ないっていうくらいの感じ。やりがいがあります」

と、旦那さん。


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午前8時の開店に向け、準備がはじまりまりました。
組合員のみなさんが朝採れの農作物を持ってぞくぞくと集まってきます。
現在の組合員は74人。
その人数は年々増えているそうです。


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「地場の商品をお客さんが喜んでくれると、良かったなあと思います」

「お客さんに褒めてもらうのが一番うれしい!」

「『さぎりの里』が始まって14〜5年になりますが、大きな地域活性化になっています」

と、メンバーのみなさん。


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『さぎりの里』のメンバーである岡さんが、山菜採りに。
こちらで採れるのは、ワラビやイタドリなどだそう。
実は、岡さん夫妻は移住者。
数年前に大阪から尾呂志地区に移ってきました。
畑で野菜をつくり、春にはこうして山菜をとって、『さぎりの里』で販売しています。

「シカなどの被害があるため、畑や作った野菜に囲いやネットを張らなければならなりません。
破られたネットを修繕する費用に、年金を使うと生活に影響するが『さぎりの里』での売り上げがあるから、修繕に投資しても、楽しい畑をやりながら暮らしていけます」

と、岡さん。


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そして変わった植物を栽培しているのが、『南紀グリーンハウス』。
こちらで栽培しているのは、なんとエアープランツ。
エアープランツとは中南米原産のパイナップルの一種とのこと。
この中で名前が付いているものだけで、1000種類ほどあるそうです。

『風伝おろし』の霧が朝夕流れこんでくるため、植物にとっては非常に状態の良い風がハウスの中に入ってくるので、エアープランツを育てるには尾呂志地区が一番適した地域なんだそう。


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「平成7年にUターンで帰ってきた時は、正直言って『さぎりの里』ができ、こんなに活発な活動になるとは思っていませんでした。
今は『さぎりの里』の活動に参加して良かったと思っています」

と、 『南紀グリーンハウス』代表の芝崎裕也さん。

「地域の環境と地域の経済いうのは結局一体だと思っています。
だから経済的に衰えていく、だんだんお金が入らない地区いうのは、やはり環境の方も徐々に荒れてくると思うんですよね。
経済効果をめざしてがんばっている地域は、地域の環境も維持されるのではないでしょうか。
売れる場所があるからこそ、農地も荒らさずに畑として活用できるんです。
そういうことも、生きがいとか目的とかになっていると思います」

と、『さぎりの里』組合長の上ノ平さん。

地域の経済と環境は一体。
地域の生活、環境を守るためにみんなで稼ぐ。
その明確なビジョンが、さぎりの里の強さです。