三重県内の若手農業者が団結し、次世代の農業を築く農業者を相互にサポートしていこうという組織『miel』!
20年後の未来に向けて、農業科が持つ課題の解決に取り組みます!

今回は三重の浅井農園さんからスタート!
たくさんの人が集まっていますが、いったい何が行われるのでしょうか?
浅井農園の代表取締役、浅井雄一郎さんにお聞きしました。
「この集まりは、三重の次世代を担う農家の集まり『みえ次世代ファーマーズ miel(ミエル)』です。
今日は月1回の定例会ということで、津市で私の農園を見てもらいながらいろいろみんなからアドバイスをもらおうかなと思っています」
『みえ次世代ファーマーズmiel』は、三重県内の若手農業者が団結し、次世代の農業を築く農業者を相互にサポートしていこうという組織。
2013年、14人のメンバーによって設立され、20年後の未来に向けて、農業者それぞれが持つ課題の解決に取り組んでいます。
この日、交流会が開催されたのは、津市芸濃町椋本にある、『miel』代表、浅井さんが経営する浅井農園。
今回の定例会では、浅井さんのミニトマト栽培について見学をするようです。
こちらは、大ヒットとなった浅井農園の完熟チェリートマト。
このビニールハウスからスタートしたそうです。
「ここがうちの原点で、一番最初に建てたハウスです。
これは土を隔離してそこに苗を植えてるバック栽培をしているところです。
とにかく美味しいトマトを作りたい。
トマト嫌いの人や子どもたちが喜ぶようなトマトを作るため、根っこに少しストレスを与えると、どんどん甘くなって行くんです。
収穫量が生産量が少し少ないので採算としては微妙なんですけども、やはり美味しいものを作りたいんです」
と、浅井さん。
続いて、津市高野尾町にある浅井農園本社敷地内に建設中の、研究施設へと移動。
かなりの大きさです。
こちらはトマトを中心とした施設園芸の研究施設。
完成すると、国内最先端の施設になるそうです。
定例会では技術情報や農業の最新情報を共有していいます。
「5年前に三重大学の大学院の博士課程に入学しました。最先端の研究をトマトの研究をやっていきたいと思っています」
と、浅井さん。
浅井農園は明治40年創業。
サツキなど植木の栽培・販売を手掛けていました。
現在の代表、雄一郎さんは大学卒業後、東京で就職。
その後、家業を継ぎ、新規事業として平成19年よりミニトマトの生産をスタートしたのです。
浅井さん、実はもともとトマト嫌い。
なので、自分でも食べられるようなトマトを作ろうと思ったそうです。
「僕もトマト栽培をしています。
いろんな所で農業研修しましたが『miel』 に集まっている人はすごい勉強されています。
有機農業って結構閉じた世界なんですが、有機ではない世界に触れることで新しい知見を得られてます。
また、環境制御の話も、実際に手作業でやるのは難しいながら『知っている』ということがいつか応用できるかなという部分で勉強になっています」
「6月下旬くらいからブルーベリーの摘み取りを始める農園で働いています。
みなさんすごく勉強熱心で、FacebookとかmielのFacebookページにあがってきたり活躍している様子を見て、自分も負けたくないなという刺激になります。
農業してるのは一人じゃないとか、いろんな形があって応援してもらっているように感じられて嬉しいです」
と、参加者の人たち。
続いて、松阪市の嬉野町へみんなで移動。
やってきたのは、大手製油メーカー、商社、そして浅井農園が取り組む、次世代型農園、『うれし野アグリ』です。
『うれし野アグリ』は製油会社・大手商社と浅井農園が設立した合弁会社。
2014年12月に完成した国内最大級のミニトマトを栽培・生産する工場があります。
こちらは、最先端の技術を惜しみなく使ったハイブリッドファーム。
製油工場の排熱、余剰蒸気を再利用し、環境に優しく、そして安定した収穫が可能な生産システムを導入。
作物を育てるのも、最新技術が導入されたガラス温室。
太陽光、そして栽培から収穫までの工程をすべてコンピュータで制御。
国内最高レベルの収穫量を目指しています。
その規模、技術に、参加メンバーも驚きが隠せません。
温室内を見学する前に、白衣に着替え。
まさに徹底管理された植物工場です。
ご覧ください!
これすべてトマトです!
まるでぶどうのように房についた、房つきトマトが栽培されていました。
広さはおよそ2ha。
東海地域では一番大きなハウスだそうです。
そして一日あたりの出荷量は、今の季節だとおよそ2t!
ちなみにこちらのミニトマトは、一粒12〜3gです。
収穫は立ったままで行えるなど、働きやすい環境も重視しています。
作業はすべて手作業。
こちらで栽培されている『房どりトマト』は、県内だけでなく県外へもどんどん
出荷されています。
「噂には聞いていましたが、本当にスゴイです。
今日はいろいろな人に会い、どんどん刺激を受けました」
「水耕栽培の小松菜・水菜・レタス、主に葉物野菜を作ってます。農福連携で。
実際に見て、すごいなと思いました。
味も美味しいですし、経営者としてもたくさん学ぶことがありました」
見学が終わった参加者たち、相当刺激を受けたようですね。
見学が終わったあと、意見交換会。
互いに情報を惜しまず提供し、共に課題を解決して成長していく。
そして、次世代の農業の礎を築いていく。
それが『みえ次世代ファーマーズmiel』のスタイルです。
「『miel』はみんな若くてそして前向きです。
品種も経営スタイルも違いますが、農業に対する情熱が共通してるので、彼らが地域の農業のリーダーとなって、そしてみんなが集まって三重県の農業を盛り上げていきたいです。
やるからには、僕らの世代は日本だけじゃなくてグローバルに活躍できるような競争力のある農業を、みんなの力で仕掛けていきたいですね」
と、今日の定例会を終えた浅井さん。
彼らの活躍を受け、次代の三重の農業を担う若者たちが、これからさらに増えていくに違いありません!