FM三重『ウィークエンドカフェ』2015年6月6日放送

今日のお客様は湯の山温泉協会の坂口智美さんです。
坂口さんはいつも温泉街にある協会で、訪れるお客様に湯の山のいろんなことを紹介しています。
今の季節はウォーキングや登山を楽しむ人も多く、御在所に登ったあと、温泉でのんびりしようとやってきます。
今の季節はマイナスイオンがたっぷりで本当に癒されるんですよと、坂口さん。
協会からは赤いロープウェイが見え、なんだかほっこりできる場所です。

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■一年を通じて楽しめる菰野町

春は桜、アカヤシオ、シロヤシオ。
夏は平地よりもだいぶ涼しいので森林浴を楽しみに、避暑がてらに来て欲しいですね。
秋は紅葉、山の頂上からふもとまで、だんだんと綺麗に色づいていきます。
冬になると御在所岳の山上では樹氷や氷爆を楽しむことができます。
それを見てから温泉でほっこりしていただけると良いかと思います。

 

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■湯の山温泉の歴史

『湯の山温泉』は、3年後に開湯1300年を迎える、とっても歴史のある温泉です。
古くは養老年間、西暦718年に浄君和尚という僧侶が夜、夢の中に薬師如来が現れ、傷ついた鹿がお湯に浸かって傷を治している場所に行くようにとのお告げを見たんです。
翌日、その場所に実際行ってみると、傷ついた鹿が湧き水のところに浸っていた・・・それが温泉の発見だったそうです。
そして、それから長い間、栄枯盛衰がありました。
織田信長の伊勢侵攻の時に『三岳寺』というお寺が焼き討ちに遭って衰退し、
江戸時代になってから、温泉宿ということでまた復興しました。
また、明治時代になりますと、西南戦争での負傷兵の療養所として再興。
さらに昭和の愛知国体で、登山競技開催地となったことで、ここの温泉が全国的に知られるようになったのです。
その後、爆発的な人気のきっかけとなったのが、御在所ロープウェイの開通でした。
ロープウェイが出来たのは55年前の昭和34年。
三重県民なら、家族旅行や社員旅行、その他諸々の旅行などで、一度はロープウェイに乗ったり山登りをされたりしたのではないでしょうか。
景色も四季折々で、とても素敵ですから。
湯の山温泉には三岳寺、蒼滝、大石といった見どころを歩く遊歩道もあります。
どの場所も情緒があって、のんびりと時間を過ごすことができますよ。

 

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■恋結び折り鶴伝説

時は江戸時代、上方の大店の娘・葵さんと、使用人の佐吉さんがならぬ恋に落ちたんですね。
実らぬ恋ということで、2人は駆け落ちして、この湯の山温泉まできました。蒼滝に身を投じようとしたその時、2人の前に僧兵が現れたんです。
その僧兵に、「死に急ぐことはない、温泉に入れば気が変わるかもしれぬぞ」、と言われ、2人は温泉に入りました
するとなぜか、思いつめた気持ちがほんのりと溶けていったそうなんです。
そしてあくる朝、僧兵にお礼を言おうと三岳寺を訪れたところ、そこには僧兵の姿はありませんでした。
そこでせめてものお礼と、折り鶴を奉納したところ、折り鶴が飛び上がって行ったそうなんです。
その不思議を目の当たりにした2人は、明るい望みを持ち上方に帰って行きました。
数年後に2人がまた三岳寺を訪れ、住職に当時の話をしたところ、この寺にはもう年々も僧兵はいないと。
あの僧兵は仏様の化身に違いないとなり、今でもその折り鶴を奉納していただくと、永遠の愛と幸せが結ばれるという、『折り鶴伝説』となったのです。

訪れる人はカップルが多いですが、お一人でも思いを寄せる方がいましたら、折り鶴を奉納してくださいね。
また、大石公園には大石小石という石もあります。
カップルや夫婦はお互いの名前を、片思いの人は意中の相手の名前を『相合傘ストーン』に書き、恋石の上に積み上げて恋愛祈願。
恋が実るかもしれませんよ!

 

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■イベントの問い合わせ内容に変化

数年前まで、温泉協会にへのお問合せは、宿の空室状況がメインでしたが、インターネットが普及した関係でかなり減ってきています。
ただ、お正月やゴールデンウィーク、夏休みやお盆などにどうしても部屋が取れない方が、温泉協会に電話してきますね。
最近のお問い合わせの多くは、サクラの開花状況、紅葉状況やイベント情報など。
湯の山温泉では、一年中なにかしらのイベントを開催していますので。

こちらに電車で来る場合は、近鉄の湯の山駅まで来て、そこからは三重交通のバスになります。
10分弱でこちらに到着するので、比較的交通の便も良いかと思います。
また、川沿いを走るので、ここに来るまでの景色も楽しめると思います。

今の時期は新緑で山がきれいなので、登山のお客さんが多いですね。
山ガールも増え、みなさんお洒落な登山服を着て登っていますよ。

それから、今は夜になると蛍の鑑賞ツアーが行っています。
6月10日までなので、この時期を狙って来られる人も多いですね。
また夏になると近鉄名古屋駅を出発して、湯の山温泉駅までの特急の旅が
楽しめる『サマーライナー』も登場しますよ。

 

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■勇壮な『僧兵まつり』は必見!

一年中何かのイベントが行われている湯の山温泉ですが、この地域の最大のお祭りといえば、10月に行われる県下最大の火祭り『僧兵まつり』。
600kgの樽の神輿に108本の松明を付けて、温泉街を練り歩くんですね。
僧兵の衣装をまとった60人ほどの男衆が松明を担ぎ、夜空に火の粉が飛び散る様子は圧巻です。
何度見ても良いです。
見飽きません。
8月くらいから旅館やホテルの若旦那が力を合わせて松明を作ったりお祭りの準備もしますので、その頃からワクワクしますね。

祭り当日は、地元はもちろん県内県外からたくさんの人が来てくれるので、毎年大いににぎわいます。
ありがたいことですね。
去年は外国の方も参加したんですよ。

湯の山温泉を楽しむ基本的なコースは、まず三岳寺山に行って恋結びの奉納。
そこから赤穂浪士の大石内蔵助ゆかりの大石公園で森林浴し、温泉街を楽しんで宿で温泉に浸かるのが良いと思いますよ。