三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2015年6月7日放送

伝説をもとに遊覧船とウォーキングのツアーを開催!
自分たちの力で公園を整備し、大杉の自然と歴史を後世に伝えます!

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大台町大杉谷は、紀勢自動車道、大宮大台インターを下りて、車でおよそ50分。
自然に囲まれ、山も川も美しい地域です。

 

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こちらは宮川ダムの遊覧船船着場。
『大杉地域おこしの会』のみなさんがお出迎えです。

この日は『大杉地域おこしの会』が主催する、『遊覧船と大杉ウォークツアー』。
宮川ダム湖遊覧船と大杉谷にまつわる話を聞きながらウォーキングを楽しみます。

「みんなのふるさとが湖底にあるので、それを知ってもらい、全国に広げてもらいたいですね」

と、代表の村田稔さん。

 

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さっそく乗船!
2004年の台風で寸断されていた大杉谷登山道全面開通に合わせて、2014年7月宮川ダム湖観光船『望郷丸』も10年ぶりに運行を再開しました。 

 

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『大杉地域おこしの会』は、昨年発足。
メンバーは村田さんと奥さん、そして弟の民(みん)さん、地域在住の岡村さん、巽(たつみ)さんが参加して5人で活動。
大杉の魅力をたくさんの人に知ってもらおうと、今年からこの遊覧船とウォーキングのツアーをはじめました。

活動の軸となっているのは、この地に伝わる『こいこい小女郎』の伝説。

 

『江戸時代半ば、この大杉谷には、世にもまれな美少女「おさき」が暮らしており、若い男たちはみな思いを寄せていました。
そこへ、紀州藩の若侍、浅井三郎四郎がやってきて、おさきと恋仲に。
それに嫉妬した村の若者たちは、三郎四郎を崖から突き落とし、殺してしまいます。
三郎四郎の死を知ったおさきは、宮川の淵に身を投げ、恋人のあとを追ったのです。』

 

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湖面からの眺め。
石垣が見えているのが、集落のあった場所。
今では湖となっているため、見えている部分が一番高い家だったそうです。

「紀州藩から永遠に二人の供養を成し遂げよとお示しがあったので、子どものころから、先代らがずっと供養しているのを見続けてきました。
だから、今どんな苦労をしてでもその歴史の跡を作らないと、死んでも死にきれない」

と、村田さん。
大杉の歴史と、地域に暮らす人の熱い思いを知ることができました。

 

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続いて訪れたのは、大杉明神へと続く道の途中にある小さな公園。
実はこちら、大杉地域おこしの会のみなさんが自分たちで切り拓き、整備している『大杉仁衛門坂公園(おおすぎにえもんざかこうえん)』。
この大きな桜と水車が目印です。

 

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昨年からメンバー5人全員で、風の日も雪の日も、こつこつと作業を続けてきました。

 

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『大杉地域おこしの会』のみなさんが今、公園で取り組んでいるのは、ニジマスの釣り堀づくり。

「7月にはオープンできるよう、進めています。
子どもが釣ったニジマスを、そのまま串に刺してここで、焼いて食べてもらいます。
一生に一度でも、忘れられない思い出に残る公園にしたいです」

なんと魚を焼く炭も自家製!
自分たちで山の木を切り、自分たちで炭を焼くそう!
みなさんの夢は留まることを知らず、どんどん広がるようです。

 

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ツアーに参加すると、こんな素敵なお昼ごはんが!

「この地域で採れた食材を使って作っています」

と、村田さんの奥さん。
もちろんおはぎも手作りです!

 

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午後からはウォーキング。
『大杉大明神』という、この地の神様に通じる、祈りの道だそうです。

 

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そこになんと、道がハート型に見えるスポットが!
ウォーキングの際に、ぜひ見つけたいですね!

 

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到着したのは、大杉という地名の由来にもなった杉の巨木が祀られている『大杉明神』。
ツアーのゴールであり、大杉地域の起点です。

 

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「約90戸の人々が地元を離れ、全国へと分散しました。
しかし、その人たちにもそれぞれの子孫がいます。
そのうちの誰かがここに来た時に、歴史の主人公である『おさきさんと三郎四郎』に合掌の気持ちを思ってもらえるよう、そんな思いが果たせる史跡づくりができたら、自分たちがいなくなっても、来てくれた人がみんなそれを継いでくれると思います」

と、村田さん。

脈々と引き継がれてきた地域の歴史と文化。
いま、それを次へとつなぐ人は地元にいません。
だからこそ、他の地域から人を呼び、たくさんの人の記憶にこの大杉の歴史と文化を残したい・・・・。
それが、『大杉地域おこしの会』の切実な思いです。

 

◇遊覧船と大杉ウォーク
6/27(土)、7/4(土)・18(土)・25(土)開催 ※要予約