「子供の頃よくいったあの駄菓子屋は今もあるんだろうか・・・・?」
酒の席でふと出た思い出話からスタートしたのが今回の駄菓子屋めぐり。
今から40年以上まえ、まだヒゲはなく髪の毛があったオクダ少年は、何十円かを握りしめ、駄菓子屋に通った。
そこで遊び、さまざまな体験をした。
駄菓子屋は子どもたちの聖地であったのだ。
あの懐かしい場所はまだあるだろうか・・・?
写真師マツバラと隊長オクダによるノスタルジックツアーがはじまった。

津市の駄菓子屋めぐり。
1軒目の松田商店さんをなんとか取材させてもらって、次のお店へと・・・。
が、ワタクシも写真師マツバラも手持ちの駄菓子屋情報がなかった。
いや正確には情報はいくつか持っていたものの、そのすべてがすでに閉店してしまっていたのだ。
なぜかわれわれは海に出た。
そして松田商店さんで購入した駄菓子を食べながら、ここからどこへ行くか考えた。
まずサルシカのメンバーにメッセージで情報を聞いてみる。
が、出てくる情報はすでに知っているもの、すでに閉店したところのものばかり。
改めて写真師と2人でiPhoneで情報検索をしてみた。
こういう時、本当にスマホは便利ですなあ。
陽射しが照りつける海岸でオッサン2人が駄菓子をもぐもぐ食べながらスマホをいじいじ30分。
なんと!
駄菓子屋のホームページが見つかった!
しかも今いる海岸からすぐ近くである。
われわれはズボンの砂を払い落とし、走りだしたのであった。
やってきたのは、津市藤方の結城団地の近くにある「野末商店」。
よくぞ!
よくぞ残っていてくれた!!
店内には人影はない。
店の入口に「3人以上のお客さん入店お断り」とある。
こっちは2人だから問題ないが、何やらハードルが高そうである。
奥の和室で店番をしていたお母さんと取材交渉。
もう90歳と高齢だし、いつ店を閉めるかわからないので・・・と取材拒否。
ああ、ダメかと思った時、奥から息子さんが出てきて助け舟。
せっかくだからと取材を受けていただけることになった。
ありがたや。
美しく並んだ駄菓子の数々。
清く正しい駄菓子屋さんの姿である。
ワタクシはここで懐かしいソフトグライダーを発見!!
なんと100円!
昔これをよく作って飛ばしたなあ。
まだ製造され、販売されてたんだ!
感動した!!
感動のあまり思わず購入!
秘密基地へ帰ったらDroneといっしょに飛ばそう!(笑)
こちらのお店も50年近い歴史があった。
お父さんが経営していたが、今から10年ほどまえに亡くなり、そのあとお母さんがやってきた。
もう歳も歳だしお母さんはやめたいと思っていたが、健康のためにと息子さんにすすめられてやっている。
ちなみにホームページは、名古屋にいっているお孫さんが勉強のためにとつくってくれたそうだ。
ホームページがある駄菓子屋なんてそうそうない。
自慢していい(笑)。
「昔はねぇ、本当に毎日子どもたちがたくさんやってきてくれたんやけど・・・・。
今は団地にもほとんど子どもがおらんからねぇ・・・」
お母さんは昔を懐かしむように遠くを眺めながら話す。
いったい子どもたちはどこへ消えたのだ。
いくら過疎高齢化と言っても、この地域には小学校も中学校もあるのだ。
それでも夏の間は、幼稚園児が海水浴にくるので賑わう時もあるという。
写真を見せてもらったら、ワタクシが通っていた幼稚園であった(笑)。
ひょっとしたら45年ほど前、幼稚園児のワタクシはここへ来たことがあるのかも知れない。
ゆっくりと商品を数えながらお会計。
ひとつひとつの値段がしっかり頭に入っている。
まだまだですよ、お母さん。
これからもずっとお店を守っていってくださいね。
こちらはホームページもあるので、住所なども記しておこう。
■野末商店
住所:三重県津市藤方2422-2
営業:09:00〜18:00
定休:日曜日
Website:http://noz-log.com/
写真/松原 豊