■肉球グッズ専門店をはじめたきっかけと、猫商品と犬商品のバランス

もともと私は犬が苦手だったんです。
が、姉が大好きで、勝手に飼い始めてしまったんですよ。
最初は逃げていたのですが、一緒に暮らさなきゃならないとなったら、どうにか仲良くしなきゃと。
姉がしつけをしているのを見て、勇気を出して『お手』をやってみたんですね。
そうしたら「ポン」って、お手してくれて。
その感触がとても印象的だったんです。
ちょうどその頃、ネットショップを始めたいという思いがあったものの、何のグッズにするか迷っていた時に、肉球。
あ、これだ！と。
それが2006年・・・10年くらい前ですね。

始めた当時は、国内に肉球グッズというのはほとんどなくて、アメリカなどの海外から仕入れました。
海外の商品は原色が主でしたが、日本人の好みは圧倒的に黒なんですね。
お客様のニーズをきちんと整理し、アイテムを充実しました。

海外からの仕入れと同時に、シールなどのオリジナル商品もどんどん作りました。
肉球がプリントされたレジ袋、紙袋、セロテープやシールは定番商品です。
おかげさまで、今では『肉球グッズ』と検索すると、トップに出てくるようになりました。

肉球好きは、日本では圧倒的に猫好きの人が多いですね。
お客さんの中には肉球は猫にしかないと思っている人もいて、それくらい肉球といえば猫として捉えている人が多いです。
でもそれは個人的に嫌なので、犬と猫のバランスをとるために工夫しています。

■アイテム数は400から500

現在のアイテム数は400〜500。
猫グッズ犬グッズを合わせると600くらいです。
ネットショップなので、お客さんは日本中にいます。
最近ではちょくちょく海外から・・・台湾や香港が多いですね。
あとは海外在住の日本人とか。
実際に商売ベースとして成り立ってきたのはオープンして2年ほど経ってからでした。
それまでは副業としてやっていたのを、楽天市場に出店することになったのを機に仕事をやめて、独立という形になりました。

自分のやりたいことをやりたいと思って始めたので、どうなるかはわかりませんでした。
でも好きなことをするのだから、最低10年は続けてみようと。
気がついたら、もうすぐ10年ですね（笑）。
自然に任せてきたので、深く、「起業しよう」とかは考えていませんでしたね。

最近では、時代が追いついてきた感じがしますね。
誰かが勝手に宣伝してくれますし（笑）。
肉球マニアって、けっこう多いんですよ！
始めた当初はアイテム数が少なかったため、最初の頃のお客さんの中には、
「そちらで販売しているものは全部買っちゃって、もう買うものがない。どうしたら良いですか？」
と。
どんどん仕入れてくれとの要望がありました（笑）。

■実店舗は実家の干物屋さんの一角　地場産品とのコラボ商品も

ずっと神奈川県で営業していて、3年前にこちらに戻ってきました。
向こうでも実店舗を構えていましたが、売上は9割がインターネットだったので、こちらに戻ってきてもそんなに影響はないと思っていましたし、実際、影響はまったくありませんでした。
お店は尾鷲市九鬼町、実家の干物店の一角にあります。
メディアで紹介されてからは、県外から九鬼まで足を運んでくれる人もいるんですよ。
ありがたいですね。

地元コラボもいろいろ行っています。
『えびすや』さんという木工屋が作っているヒノキのフォークやスプーン、ナイフに肉球を入れてもらって作ったりしています。

他の地方だと群馬県なんですが、生のシイタケに肉球を彫ってもらって、『肉球シイタケ』。
これが売れているんですよ！　
高いんですけど、とても大きくて立派な生シイタケ。
彫ってもらって、産地直送で販売しています。
あとは萩焼きの肉球プレートとか、箸置きとか。
肉球グッズはなんでもイケます（笑）。
尾鷲でもなにかやりたい人がいたら、声をかけてもらいたいです。

いろんな県や特産品とのコラボもできますし、それこそ海外の商品でもできますし・・・夢が広がりますね。

■商品化を思いついたら、積極的に行動！

私は何をするにも、だいたい思いつき。
パッと思いついたら、すぐに聞調べたり聞いたり、やってみませんか、と声をかけたり。
普段は全然喋らないんですが、そういうことに関しては積極的なんです。

最初に海外から輸入する時は、最初ということもあり訳がわからないですが、連絡を取らないと始まらないので、英語で翻訳して直接メールしました。
20件・・・もっと出したかな？
返事が返って来たのが3〜4件。
その会社とは、今でも取引しています。
日本でも気になる人がいたら、すぐにメールなり電話なりして、「取引きできませんか？」と。
けっこうガンガン行きます。

アイデアは自分の中で貯めまくっているので、他の人が肉球で商売をしようと思っても、絶対勝てると思います。
それだけは自信があります。
小さく始めたので小さく小さく、コツコツやっていきますよ。