第136回『サルシカ隊長レポート』2015年8月

平成26年3月。勢和多気インターから尾鷲北インターまでおよそ55キロ間において紀勢自動車道が全面開通した。
津市から尾鷲まで国道42号だと約130分かかっていたのが、紀勢自動車道を使うと約80分。驚くほど便利になった。
高速道路が開通して、並走する国道42号線沿いの地域はどう変わったのか。
サルシカ隊長の奥田は、相棒の写真師マツバラと共に国道42号線を南へとくだる旅に出た。

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われわれサルシカ隊が「三重のグアム」と呼ぶ、三重県北牟婁郡紀北町海山区島勝浦・・・なんつう長い住所だ・・・にある和具の浜に別れを告げ、さらに国道42号を南下する。

 

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清流・銚子川を渡る。
この上流に川遊び天国の魚飛渓や、日本有数の人気キャンプ場「キャンプinn海山」がある。
川に飛び込みたい衝動をぐっとこらえて尾鷲方面へ。

紀北町と尾鷲をつなぐ峠道は、驚くほど車の姿がなかった。
まっすぐに伸びる紀勢自動車道は無料だし、地元の人も観光客もわざわざ峠道を通らないのであろう。

 

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が、一転。
尾鷲に入ると、一気に車の量が増える。
伊勢自動車道勢和多気から分岐する紀勢自動車道が伸びているのは今のところこの尾鷲まで。
尾鷲の町中を走らないと、熊野へとつづく熊野尾鷲道路に入ることができない。
つまり高速を走ってきた車も国道42号を走ってきた車も、いったんすべて尾鷲の町に吸い込まれるのである。
そりゃあ交通量も多いはずだ。

 

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国道42号線を南下する旅の最終目的地は、ここ、夢古道おわせであった。
ゲンキ3ネットでも何度も紹介しているところである。

 

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ここの人気のひとつは、お母ちゃんのランチバイキングである。
尾鷲の3つのエリアで活躍する3つのグループが、交代でバイキングレストランを担当。
尾鷲ならではの食材をつかって、郷土料理が存分に味わえる。

 

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この日もおいしそうな料理がずらりと!!
しかもヘルシーであることがこちらの大きなポイント!

あと夢古道おわせは、海洋深層水を使った温浴施設が人気。
何度も紹介しているのでここでは紹介しないが、興味がある人は、ぜひ基本情報ページから確認してもらいたい。

 

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ここで、夢古道おわせの支配人・伊東将志氏(写真左)と打ち合わせ。
しかもなぜか、三重テレビ放送「ゲンキみえ!生き活きリポート!」のディレクターをしている油田さんも同席している。
ちなみにワタクシは、この番組の構成担当。
はははは。
なんとワタクシは旅の途中で、番組の打ち合わせを入れていたのですね(笑)。

 

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番組の打ち合わせをしつつ、「サルシカ隊長レポート」の質問もあれこれする。
まずは気になっている来客数の状況だ。

「高速がつながったことによって爆発的にお客が増えたとかいうことはないですね。
 着々とお客さんも売上も増えて成長はしていますが、高速道路の影響は思っていたほどじゃないですね。
 面白いのは、津や四日市、名古屋からのお客さんよりも、新宮や勝浦など、南からのお客さんが増えていること。
 人の動きが変わる気配を感じています」

では、この先、紀勢自動車道と熊野尾鷲道路がつながっても怖くない?

「これまでの紀勢道の延伸にしても今後についても、わかっていたし、わかっていることですからねぇ。
 しっかりとそれに対応して努力していれば問題はないと思っています。
 とはいえ、そもそも夢古道おわせに来ていただくために、もう本当に死に物狂いで努力してます。
 いろんな企画を休みなくやって情報発信して・・・。
 これを続けていれば大丈夫だと思っています」

なるほどな〜。
道瀬の一色さんもそうであったが、人が集まるところはすさまじい努力をしている。
常に話題をつくり、発信し、そしてみんなの期待を裏切らない。
そういうところにとって、高速道路のあるなしは関係ない。
だって、みんなそこをめざしてやってくるのだから。

 

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もうすっかり閉店間際の時間になっていたが、せっかくなのでわれわれもランチバイキングをいただくことに。
もうお腹ペコペコ。

 

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これがワタクシがとったバイキング料理の数々。
え、少ないじゃないかって?
はははは、これとは別にカレーライスもいただきました(笑)。

 

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ディレクターの油田さんとはここでお別れ。
写真師マツバラとワタクシは、旅の締めくくりに尾鷲から紀勢自動車道に乗り、津方面と向かった。

 

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やってきたのは、紀勢自動車道の海山ICと紀伊長島ICの間にある紀北パーキングエリア。
ここは上り線からも下り線からも入ることができる。

そこに、この6月オープンしたのが、「始神(はじかみ)テラス」!
紀北町の特産物が一堂に集められ、買い物や食事が楽しめる地域振興施設である。

 

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パーキングエリアは車でいっぱい。
しかも上りから下りからぞくぞくと車が入ってくる。

 

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東紀州には人を集める魅力もパワーもあるのだ。
高速道路の延伸はピンチではなくチャンスなのだ。

通過点から目的地へ。
立ち寄る場所から行き着く場所へ。

そうなるためにがんばらねばならないのだね。
いやー、ワタクシも大いに勉強になった。
これからの活動にどんどん活かしていきたいのだ。

国道42号線の旅、おしまい。

 

写真/松原 豊