第137回『サルシカ隊長レポート』2015年8月

有名スポットなのになぜかポッカリと行っていないところがある。
サルシカ隊長オクダにとってそんな場所とは、三重県多気郡明和町にある斎宮跡。
よみがえる歴史ロマン!その一部をマニアックにレポートしてみた!

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まず「斎宮(さいくう)」とは何か。
三重県在住の人や歴史好きの人はともかく、県外の人には説明をしておかないとわからないであろう。

斎宮。
別名「いつきのみや」とも呼ばれる。
天皇に代わって伊勢神宮に仕えるため、皇族女性の中から選ばれて、都から伊勢に派遣されたのが斎王。
その斎王の宮殿と斎宮寮(さいくうりょう)があったところが、斎王なのである。

中でも有名なのが、第11代垂仁天皇の皇女である倭姫命(やまとひめのみこと)。
天照大御神の社を伊勢の五十鈴川のほとりに建てたと言われ、いわば伊勢神宮起源にかかわる女性である。
しかし、伝承的な部分も多く、その実態はよくわかっていない。

ちなみに斎王は、天武天皇(670年頃)の娘・大来皇女(おおくのこうじょ)からはじまり、後醍醐天皇の時代(1330年頃)まで約660年間続き、記録には60人余りの斎王の名が残されているそうだ。
しかし、倭姫命を含め、斎王がどんな暮らしをして、どんな役割を追っていたのかなど、まだまだ謎の部分が多いのだ。

 

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伊勢神宮からおよそ15キロ。
三重県多気郡明和町。
かつて伊勢神宮と都をつないでいた伊勢道のルート上に斎宮跡はある。
1979年に国史跡に認定され、以来発掘がされてきた。

そこにある休憩所に車を停める。
休憩所には無料の観光案内だけでなく、土産物の販売や食事処もある。

この日は35度を越える気温であったため、まずは中に入って涼んでからアタックすることに。

 

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こちらは、いつきのみや歴史体験館。
このすぐ横に、ワタクシが前からみたかった斎宮の1/10模型がある。

 

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台地のようにもりあがった整備された田んぼのようにきれいに並んでいる。
田んぼのアゼの部分が道になっている。

その中央に、模型の町が見えた。

 

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まるでいにしえの町に襲いかかるゴジラのように、ワタクシはのしのしと近づいていく。
ミニチュアとか模型というのは、なぜか萌える。
ワクワクする。

 

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じゃーん!
これが1/10のサイズの斎宮!!
なかなかのクオリティである。
斎王らしき人物の人形もある。

 

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上手に撮影すると、ほら本物みたいでしょ。
なかなか楽しい写真が撮れるのだ。

 

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1/10で再現されているのはこの模型だけだと思っていた。
しかしどうやら違うのだ。
その昔、ここに存在した斎宮の規模は、もっともっと大きいのである。

 

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近鉄斎宮駅の北側に広がるこの斎宮跡歴史ロマン広場は、史跡全体を10分の1のスケールで表現しているのだ。
なんと!
先ほども紹介した台地のように盛り上がった区画整理された田んぼみたいなもの全体が、斎宮史跡なのである。
建物の模型部分は、斎王が住んだと言われる御殿をはじめとする中心区画の建物だけなのである。

かつて、この地にこんな大きな町があったのだ。
とても信じられぬ。

 

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それにしても暑い。
日陰が一切ないからもうギラギラの直射日光を受けまくり。
真夏に見学するなら、早朝か夕方がおすすめ(笑)。

 

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エアコンが効いていることを期待して「いつきのみや歴史体験館」にもお邪魔してみた。
ああああ幸せと声が出るほど涼しい。

ここは、展示物はそんなに多いわけではないが、手作り体験、貴族の日常体験、古代の遊び体験、平安装束体験などなど、その名前の通り、さまざまな体験イベントを開催している場所である。

 

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いにしえ、みやび。
そんな体験をぜひいかがであろうか。
基本予約が必要なので、ぜひ基本情報ページからいろいろ確認してもらいたい。

 

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こちらは平安装束。
自由に来て写真を撮ることができる。
これを着た写真を最終ショットにしようかと思ったけれど、女性用だし、変態だと思われて通報されると困るのでやめておいた(笑)。