FM三重『ウィークエンドカフェ』2015年8月29日放送

今回のお客様は、モルタン川村さん。
川越町で春と秋に行われる『川越マルシェ』をはじめ、桑名や四日市などで『モルタンマルシェ』を開催しています。
ブルーとオレンジのタープがモルタンさんのマルシェの目印。
自分がやりたいマルシェとは・・・を考えたら、自分自身で立ち上げていました。
構想は3年前。スタートとなった川越マルシェの第1回は2年前のことでした。

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■『モルタン』は『めちゃくちゃたくさん』という意味の造語

『モルタン』は僕が勝手に作った造語。
イタリア語の『モルト』と『タント』をひっつけて。
日本語で言うと「めちゃめちゃたくさん」という意味です。
めちゃめちゃたくさんの情報や楽しいことを集めたり広めたりしようかな、ということで『モルタン』という言葉を作りました。

 

■商品にこだわりを持つことが出店のルール

『モルタンマルシェ』ではブルーとオレンジの、統一したタープを使っています。
お客さんからすると、『モルタンマルシェ』とすぐわかるので、狙い通り、ある意味ブランド化されてきました。
販売するものは、本当は全部こだわりたという想いはありつつ、人それぞれ好みがあるので、僕が1人で「これは良いね、悪いね」と分別することはしたくないです。
野菜の販売店もありますが、よく勘違いされるのは、無農薬やオーガニックでないと出店できないと思われていること。
でもそうではないんです。
まあ、無農薬やオーガニックのものを買いたい人は、そういう出店者から買ったら良いですよね。
でもやっぱり野菜を作る上で農薬は便利な部分もあり、農家さんの立場に立つと、最低限使わなきゃいけないこともあるわけです。
そういうところが出られないのはおかしいし、農薬を使っていてもオーガニックじゃなくても良いという人もたくさんいるので、その人は非オーガニックの出店者さんから購入すれば良いでしょう。
正直、こっちで面倒な住み分けを作りたくないというのもあります(笑)。
こだわりはありますが、オーガニックじゃないとダメ、とかいうのはウチのマルシェではしたくないんです。

ただし1つだけルールがあって。
自分が販売する商品にこだわりのある人しか、出店しないでほしいということ。
あと、お願いしているのが、自分のお店の商品の売り込みだけでなく、両隣や近くのお店の売り込みをしてもらいたいということ。
自分の商品を売るのは当たり前ですし、それよりも自分の儲けに関係ない商品をアピールするのは面白いんですよ。
これはあくまでもルールではなくお願い。
この取組みを2年間続けてきたところ、出店者さんが休憩などでお店が空けてしまう場合でも、ほとんどの出店者さんがそのお店の店番をできるくらい、そこの商品を知っているようになっています。
『モルタンマルシェ』は、競争するマルシェではなく、出店者さんがみんなで協力して販売するというのが、特色かと思います。

 

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■出店者は個性豊かな人たち

ウチのマルシェは三重県の北勢地区(四日市・桑名・川越)で行っているのですが、驚くことに、毎回、石垣島から出てくれるお店があるんです。
毎回マルシェに合わせて石垣島から飛行機で、パイナップルなどの商品を持って来てくれるんです。
これはさすがにビックリしますよね。

僕がマルシェを始めた理由の1つとして、子どもさんの手が離れた主婦が、雑貨などの作家さんになることが結構多いんですけど、その人たちの商品を売る場というのを作りたかったというのがあります。
普段は普通の主婦なのに、とんでもないステキな作品を作られる人がいるんです。
一例として、運営チームのメンバーの1人、消しゴムハンコ作家の*gegekoko*さん。
普通の白い消しゴムを削って彫ってハンコを作るのですが、とんでもなく売れるというか注文が入ってきちゃって、3ヶ月待ちになっているほど。
本当に普段は普通の主婦なんですけど、マルシェになると、とんでもない人気作家の顔になる・・・意外とそういう人が近場に隠れているので、なんとかそういう人が活躍できる場が作れればな、と思います。

集まってくるのは、だいたい変な人ですよね(笑)。
普通の人は集まってきません。
個性豊かな・・・僕は『変人』って呼んでますけど、だいたいマルシェに出るのは、濃い人ばっかりですね。
僕はマルシェをはじめてから、こういう人がいるんだとわかりました。
やっていなかったら、多分そういう人たちに出会わないし、作家さんのような商売があることも知らな方かもしれないので、けっこう新鮮でした。

 

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■思いついたらすぐ行動

「誰もやらないなら僕がやる」
いつも僕が言う言葉なんです。
正直、明日死んでも後悔がない生き方をしようと、数年前から始めています。
明日とか来年からやろうとか言っていて、それまでに死んじゃったらできないでしょう。
今やりたいと思ったことは、できるだけ早くやろうと思っています。
その1つがこの『川越マルシェ』。
故郷である川越に観光地や名産がないので、マルシェで地域を盛り上げようと考えたのです。
いつやるのとなったとき、今からはじめなきゃできないでしょ、と。
やるんだったら、思いついたらすぐです。
使命感ではなく、自分が明日死んでも良いように、毎日楽しみたいだけ。
綺麗事を言えば、誰々のためとか人のためとか、なんとでも言えるんですけど、
自分がやりたいことをやっていたら、川越マルシェをやっていたと。
ちょっと変な感じですけど、これが正直なところですね。
第1回目には、近鉄富洲原駅前の会場に3000人ほどの人が集まり、手応えを感じました。

『川越マルシェ』が春と秋の年に2回開催で、他に、桑名の星川にあるサンシティというところで毎月第1日曜日に定期開催しています。
また、四日市の市民公園・・・博物館のある噴水の前で、毎月第3日曜日に『四日市マルシェ』を立ち上げようと動いていまして、ほぼOKが出ています。
HPをチェックしてもらえれば、他にもいろいろなマルシェの情報が載っています。
もうからないけど忙しいです。
普段はサラリーマンをしているので、マルシェは完全な趣味なんです。
月〜土曜日は働いていて、日曜日はマルシェで埋まっていく・・・修行みたいなもんです(笑)。
ただ、毎週マルシェを開催していると、作家さんが商品を作れなくなってしまうので、第1第3日曜日をメインに動いています。
ただ、秋のシーズンはマルシェのスポット開催もあるので、パンパンですね。

さらに、マルシェの延長線として『コーヒースタンド&バー M:U(ムー)』が近鉄富田駅前にできました。
いつもマルシェに出店してくれるバリスタ日本一の吉良さんと『モルタンマルシェ』とのコラボ店舗です。
ほかにも作家さんたちの商品を購入することができるので、マルシェの日以外はこちらにどうぞ!

 

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■マルシェを南勢地域でも開催したい!

『モルタンマルシェ』に興味を持って、ウチでもやってほしいというところがあったら、ぜひ連絡してきた欲しいです。
ウチのマルシェでは統一したテントを、運営の方で全部立てるパッケージ的になっているので、基本的に場所の提供さえしていただければ、どこにでも行くことができます。
今は北勢が中心ですが、年に数回は南勢にも行けたらなと思っています。
町おこしや地域の活性化・・・行政が関わっていなくても良いので、呼ばれたらどこでも参上し、お話を聴くつもりです。

三重県は南北に長いので、もっといろいろな商品が出てくると思いますんです。
実はお刺身を販売したいと考えています。
保健所の問題もあり難しいかもしれませんが、実際販売しているところもあるので、やっていきたいなと思っています。
やはり『マルシェ=市』なので、雑貨も楽しくて良いですが、野菜とか果物、魚介類なども販売していきたいですね。

実は『川越マルシェ』を始める前、マルシェの盛んなイタリアに行ってきたんですよ。
そこではカラフルな野菜や果物、魚も並んでいて、本当に生活に密着した『市』でした。
そこで店主とお客さんが楽しそうに会話をしていたり、花屋さんが出てきて、とてもカッコいい雰囲気があったり。
でも、海外じゃないとできないというわけではないでしょう。
三重は確かに地味な県かもしれませんが、やってみたいという人が集まったら、お洒落なマルシェができるのではないだろうかと。

統一したテントでやる意味としては、例えば200円でしか売れなかったキャベツを300円で売りたいという、裏コンセプトがあります。
安売りは簡単だけど、精魂込めて育てた野菜や時間を費やして作った作品には、売り手さんが思う適正価格があるとはずなので、それを実現させたいんです。
そして、農家さんが美味しいものを作ってくれたら、その販売や陳列の方法などは、雑貨の作家さんなどセンスの良い方と、マルシェの会場で相談しても良いですよね。
実際、ウチでは、ワインの木箱に野菜を入れて販売しています。
それだけでも見た目が変わってきますし、商品を入れる袋にしても、小売の商店でも八百屋さんや酒屋さん・・・いろいろなお店があるので、各お店の特色をマルシェの場で相談しあってパワーアップしていけば、商売をしながらの異業種交流ができるのではないでしょうか。

ずっとマルシェを続けていくのは大変ですが、商売人が何人か集まることで実現できました。
これからまた別に、地元に楽しいイベントを起こす人や団体が出てきてほしいなと思います。