「おはなし会」を中心に、地元の学校への出張授業、そしてイベントの参加と、積極的に活動!
絵本の読み聞かせや人形劇で、子どもたちを笑顔にします!
こちらは津市久居にある、久居ふるさと文学館。
市営の図書館ながら絵本などの児童書が充実しているのが特徴で、週末ともなると大勢の子どもたちで賑います。
その久居ふるさと文学館を拠点に、絵本の読み聞かせや人形劇で、子どもたちを笑顔に、そして地域をゲンキにしようとがんばっているみなさんがいます!
それが『久居おはなしの会かたつむり』のみなさん。
室内には、たくさんの作品が展示されています。
もちろんすべて手作りなんですよ!
『久居おはなしの会かたつむり』は、久居に残る昔話や伝承を今に伝えたいとの思いから25年前にスタート。
メンバーは20代から70代の女性7人。
久居ふるさと文学館で定期的に開催されている「おはなし会」を中心に、地元の学校への出張授業、そしてイベントの参加と、積極的に活動しています。
代表の日間賀京子さんに、『久居おはなしの会かたつむり』の活動のきっかけをお聞きしました。
「平成2年に当時の教育委員会が作った『ふるさとを語る昔話』という本に、小林と水谷と日間賀の三人が挿絵と文章を書いたことが、活動のきっかけとなりました。
本が発行された時に挿絵の原画展をしたのですが、その時に原画の前でお話をしました。
それをきっかけに、『そおはなしの会かたつむり』が生まれたのです」
子どもたちのため、地域に根ざした活動をコツコツと続けて25年。
そんな活動が評価され、さまざまな賞を受賞し、今年は文部科学大臣賞を受賞しました。
こちらは日間賀さんの作品。
大きな施設で発表することになっていたため、お客さんに通じるよう、大きな作品を作ったのだそう。
題材は、地元に伝わるお話が多いとか。
こちらは小林茂美さんの作品である、エプロンシアター。
エプロンをかけてお話を語りすすめるのが特徴です。
「昔話でも、こういうふうにエプロンシアターにすると、小学校6年生の男の子でも目を輝かせて見てくれるんです」
水谷てつ子さんはパネルシアター。
絵本と違い、絵が取れるのが特徴です。
「普段はこういうふうに閉じていて、『こりゃーっ!食べちゃうぞ!』とかやると、子どもたちが喜んでくれるんですよ」
かたつむりのみなさんが作品をつくるのは、それぞれの自宅で。
家事の合間を利用し、子どもたちが喜ぶ顔を想像しながら制作しているそうです。
こちらは子どもたちに大人気の仕掛け絵。
引っ張るだけで一瞬にして絵が変わります。
実はこれ、2枚の紙を使い、互い違いになっているのです。
地道に、地道に作品を作り続けて25年。
この積み重ねが、子どもたちの笑顔につながっています。
この日は、久居ふるさと文学館で定期的に行われている「おはなし会」の日。
おはなし会やイベントは毎月いくつもあるため、メンバーで分担して担当しています。
日間賀さんが読む本の呼びかけに、子どもたちが応えます。
おはなしに入り込んでいますね!
続いては、田中素眞子さんによる紙芝居。
それが終わったら、お話に出てきたトンボを作る工作タイム。
小さな子どもたちも退屈しないように工夫されています。
「とても楽しく、子どもが行きたい行きたいというので、時間があるときはいつも参加させてもらっています」
「上手にお話してくれるので物語に入りやすく、子どもたちの反応が全然違います!
上の子が本を読むと下の子も好きになり、兄弟みんなが絵本を読むようになりました。いつも感謝しています」
と、子どものお母さんたち。
「子どもたちが笑ってくれたりとか真剣に向かい合ってくれるととてもうれしく、次ももっとがんばろうと思います。
励みになるというか、楽しくてやめられないです」
と、田中さん。
「地域のお話を聞くことで、子供たちにふるさとを大事にしてほしいです。
また、大人の方たちにはこれをきっかけにふるさと見直して、子どもたちにも伝えてもらいたいですね。
今は70代の会員が一生懸命がんばっていますが、若い世代に受け継がれて、『久居おはなしの会かたつむり』が続いていくことが、一番の夢です」
と、代表の日間賀さん。
子どもたちに笑顔と、希望と、可能性を。
ひとりでも多くの子どもたちに興味を持ってもらうために、どんな工夫をこらすか、『久居おはなしの会かたつむり』のみなさんは、いつも考え続けています。