FM三重「ウィークエンドカフェ」2011年6月4日放送

海山の遊びの達人、権兵衛さんといったらこの方!
『キャンプinn海山』の運営をはじめ、ふるさと企画者理事長の田上至さんです。
今日は農業担当の奥村美華さんも一緒にお越しいただきました。
今、田上さんたちは、清流、銚子川についてシンポジウムを開催したり話し合いの場を増やしたりと積極的に取り組んでいます。
そして奥村さんを中心に活動しているのが『くき漬け』つくりプロジェクト。
『ヤツガシラ』という芋の茎の部分を使って作る『くき漬け』は、海山、尾鷲の人たちにとってはなくてはならないもの!
その『ヤツガシラ』を、奥村さんが一生懸命つくっているんです。
たくさんの地域のみなさんが彼女をサポートしてくれてるんだそうです。

■最近では、清流・銚子川についての取り組みに積極的だそうですね

ホントは自然全部について考えたいけど、まずは地域の自然を大切に・・・ということで、銚子川の美しさを維持する取り組みをしています。

そもそも銚子川は海山区のアピールのシンボルだったんです。
けれど今は、日本全国における、銚子川の位置づけを知りたいと思い、
平成22年10月、水中カメラマンの内山りゅうさんに講演をしてもらいました。

内山さんは世界中の川を撮ってきた人なので、その彼からは銚子川はどう見えるのかな、と。

実は「日本一素晴らしい」と言って欲しくて、それとなく何度も誘導したんですが、最後までその言葉は聞けず(笑)。
でも、すごく嬉しいことを言ってくれたんです、
銚子川を「奇跡の川」と表現してくれた!

飲み水に出来る淡水は世界でも珍しく、それを風呂にも使うのも、なかなかないことだと。
日本一ではないが「よく残っていてくれていたな」と言ってくれました。

しかし「奇跡」という言葉は不安というか不安定ですよね。
バランスが少しでも崩れたら、その奇跡も崩れてしまう・・・それを知ることが重要だったと思います。

■川づくりについて・・・

四国から、福留修文さんという、『近自然工法』を提唱している水辺づくりの第一人者をお招きしました。
この工法は、なるべく自然に近づけながら行う水辺づくりで、水辺の環境づくりであるビオトープとは、また別のもの。
川の蛇行をそのまま生かしたり、川の局所を見るのではなく、絶えず動く流れを見るというものです。

その福留さんに銚子川を見てもらい、平成16年の水害で変わってしまった川を元に戻したいと伝えました。
そこで、講演では銚子川の現状を教えてもらったんです。

話を聞いて終わり・・・と思っていたら、参加していた『美し国おこし三重』の方々が、聞くだけでなく話し合おうや、と座談会が始まっちゃって(笑)。

そんな話聞いてもわからないんじゃないか、難しい話なんだぞ・・・と思いながらも、その熱意が嬉しかったです!

■銚子川ブランドを作る!?

例えば四万十川と言ったら、誰でも清流を思い浮かべますよね。
また『四万十』という商品名が付いていたら、あの綺麗な川をイメージして、売れますよね。
そのイメージで、僕は『銚子川ブランド』を作りたいんです。
けれど新しいものではなく、熊野古道とのつながりを考え、その時代から食べられてきた食品。

それが『くき漬け』です!
芋の一種『ヤツガシラ』の茎を使った漬物で、なんと古文書にも載っているんです。

だけどはじめてみたら、いきなり後悔(笑)
美味しいけど、手間ひまがかかりすぎて商売にならんのですよ!

けど、『くき漬け』担当の奥村さんが頑張ってくれているし。
商売というよりも、若い子が一から、失敗を重ねながら頑張る姿をネットで紹介していくのもドラマですよね。
また『くき漬け』を紹介することで認知度高まり、地域貢献になれば・・・なんてことも思っています。
若い子の感性で、新しい食べ方などを提案する取り組みもしてもらえたら、と。

■奥村さん、くき漬けづくりの経験は?

全然ないです!
就職したとたん、「くき漬け作って」って言われて(笑)

まったくわからないので、ヤツガシラ農家さんにお邪魔して、畑仕事を手伝いながら芋の育て方を教えてもらって。
それから収穫して、漬け方を教えてもらいました。
種芋を保管しなきゃならなかったり、結構大変です。
収穫した後の漬ける作業も大変ですよ!茎のアクで手が真っ黒になってしまうんです。

それでもやめたいと思ったことはありません。

土地は権兵衛さんが祀られている宝泉寺の檀家さんたちが遊休地を借してくださって。
ボランティアの人たちと開墾するところからはじめました。
収穫は7月中旬・・・もうすぐなので、楽しみです!

えーとですね。
田上さんはぜんぜん手伝ってくれないです(笑)
来てもすぐ帰っちゃいます。
本物の権兵衛さんは笑われても笑われても畑を耕した人なのに・・・(笑)

田上「うわ~!言わんといて!」

■田上さんがこれから目指すものは?

『ヤツガシラ』の畑に水路を引いて、銚子川の綺麗な水が入ってきたのを見たとき、めちゃめちゃ感動したんですよ!

こんな綺麗な水を使った『ヤツガシラ』は美味しいに違いない!
この水を使って、他にも何か育てられないかな・・・て言っていたら、奥村さんが「お米はどうですか?」と。

銚子川の水で育った『くき漬け』を同じ水で育った『お米』で食べる・・・最高じゃないですか!

この銚子川ブランド2つを、セットにして育てていきたいですね!