第144回『サルシカ隊長レポート』2015年10月

古い蒸気機関車が展示され、時に子どもたちの格好の遊び場になっている公園がある。
あ、私も××公園で遊んだことある!って方は多いのではないであろうか。
私もそのひとり。
津駅近くの偕楽公園に置かれている蒸気機関車でよく遊んだ。
運転手になった気分で、小さな窓から線路なき前方を眺め、吹き上げる煙と車輪が動き出す音を想像してコーフンしたものだ。
県内には、蒸気機関車を展示している公園(無料で入れるところ限定)が6ヶ所あるという。
そのすべてを回ろう!!
そんな思いつきの旅に写真師マツバラと出かけた。

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亀山公園の蒸気機関車の取材を終えたとき、すでに午前11時半になっていた。

写真師マツバラとの取材旅では、食事も重要なテーマである。
古びて味わいのある食堂や、地元の人に愛されている定食屋を見つけては、わざわざ遠回りしてでもそこで食事し、それすら取材してきた。

今回も気になっているお店があったのである。
が、関の方に少し戻らなくてはならない。

今回取材で回る公園は6ヶ所。
伊賀、関、亀山と3ヶ所をすでに取材してきたが、まだ半分。
しかもこれからは玉城、松阪、津と移動距離が長い。

「今回はメシのレポートは諦めよう」

ワタクシが写真師にそう告げると、写真師はがっくりと肩を落とし、

「わかっちゃいるけど、つらい・・・つらすぎる・・・」

何もメシを抜くわけではない。
メシの取材を抜くだけである。
が、この落胆ぶり(笑)。

で、われわれは亀山から下道を走り、伊勢自動車道芸濃インターから高速へ。
途中、サービスエリアで軽く食事をとり、そのまま玉城インターにまで走ったのである。

 

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やってきたのは田丸城址。

玉城町のシンボルともなっているところで、約670年以上前の1336年(延元元年)、北畠親房・顕信父子が南朝義軍の拠点として砦を築いたのが最初だと言われている。

 

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今や天守閣は失われており、代わりに玉城町町役場がある。

その正面にあるのは、朝日新聞の創設者した『村山龍平』の記念館。

>>『村山龍平記念館』の情報を見る

 

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『村山龍平記念館』の脇の道を石垣に沿って歩いていくと・・・・

 

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展示してある蒸気機関車を発見!

が、ここからは中に入れない。
ん?
入口はどこにあるのだ??

 

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少し戻って、『村山龍平記念館』の駐車場の脇に入口があった。

ここが本当にメインの入口かなあ。
たぶん他にもあるんだろうな。
でも私と写真師にはここしかわからなかったので、ここを入口としておく(笑)。

入口にはイノシシの罠が置いてあった。
半ばひからびた餌がぶら下がっていたりして、かなり生々しい。

まずは蒸気機関車のまえに罠をご覧くださいませ(笑)。

 

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ようやく正面からご対面! 城山公園の「C58414」

「C58414」は、昭和22年5月に製造。
その7月に北海道で運行を開始し、冬は雪の吹きなぐる函館線、千歳線で活躍。
昭和48年に廃止。
27年の間に、130万キロ以上、およそ地球を32.5周も走った。

亀山にあるのと同じC58型。
こちらの方が3年ほど新しい。

保存状態は、亀山も玉城もほぼ互角といったところ。
非常に良い。

ただし、こちらは北海道を走っていたこともあって、前に雪かきがついている。
ここは要チェック!!

 

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玉城のC58には乗り込むことが可能!

亀山のC58は眺めるだけで触ることも乗り込むこともできなった。
が、ここのC58は乗り込める。
うれしい。
ポイント高し!

 

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ここは写真撮影に最適!

周囲に柵がなく、空間が広いので撮影がしやすい。
写真師、がぜん張り切る。

「運転席へ行って空を眺めろ!」
だの
「車輪に頭を突っ込んで笑え!」
だの
「線路に寝転んで笑って汽車を見上げろ!」
だの、黙って聞いてると、どんどんわけのわからぬ要求をしてくる。

では、ここから「鉄ちゃん萌え萌え」の写真の数々をご覧くだされ。

 

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午後1時40分になろうとしていた。

「あと2ヶ所、急がねば!! さあ行くぞ、写真師!」
「あとえと」
「なんだ、ひょっとしてまたアレか?」
「だってさっきごはん食べたから」
「食べたらすぐ出るのか」
「健康だから」
「ああ、もう急げ! 日暮れまでに終わんぞ!!」
「あいあいさー」

写真師はガニ股で走って村山龍平記念館に駆け込んでいった。
この旅、なかなか終わらない。
次回は松阪の蒸気機関車と出会う!

 

写真/松原豊

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