三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2015年11月1日放送

現役でありながら今なお歴史を刻みつつある亀山市加太地区の鉄道遺産を、地域づくりに活用!
ゆくゆくは休憩所や産直品の販売所など、夢が広がります!

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明治21年に着工され、明治23年に四日市・草津間が開通した『JR関西線』。
現在も生活の足として利用されているこの沿線には、歴史的に希少で、なおかつ、現役で使用されている『鉄道遺産』がたくさん残されています。

 

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現役でありながら、今なお歴史を刻みつつある亀山市加太地区の鉄道遺産を、地域づくりに活用しようと取り組んでいるのが、『加太鉄道遺産研究会』のみなさん。
地元有志を中心に、メンバーは16人。
今年から本格的に活動を開始しました。

 

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『加太鉄道遺産研究会』の会長・坂政明さんに、グループを設立した理由をお聞きしました。

「加太地区もどんどん過疎化が進んでいます。
10年以上前から加太地区の地域作り計画を立て、それを元にいろいろな活動を行ってきましたが、マンネリ化していました。
そこでもう一度、加太にある良いものを掘り起こしたいと洗い出した結果、この鉄道遺産が浮かび上がってきたんです」

 

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この日は研究会で設定した『加太越え鉄道遺産の散歩道』へ、みなさんをスムーズに案内するための看板立ての下見。
どこに立てれば最適かを歩いて調べます。

 

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加太地区に残る鉄道遺産。
まず案内してもらったのは『板屋川橋梁』、加太川を跨ぐために造られた鉄橋です。
建造されてから125年ほど経つにもかかわらず、とても良好な状態で、今も現役の施設として使用されています。

解説してくれたのは、亀山市役所まちなみ文化財室の稲冨正充さん。
加太の鉄道遺産に着目し、地域づくりへの活用を提言した一人だそうです。

「石積みも角が取ってあったり、上流側は、三角に尖っていて、水の流れをしなやかに流すという風な工夫がされているんです」

 

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この道は大和街道という古くからの街道。
その大和街道を跨ぐために作られたのが、この『大和街道架道橋』で、加太地区の鉄道遺産群の中でも、規模が大きいものです。

 

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内部は石を4~5段立ち上げ、その上をレンガで積み重ね、さらにレンガでアーチを描いています。
長い層と短い層が交互に積み上がった部分は『イギリス積み』という積み方で、まっすぐに立ち上げるのに向いています。
そしてアーチ部分の曲線を描く所からは『長手積み』という、長手方向の積み方だけに。

普段は何気なく通りすぎてしまう、古いレンガ造りの架道橋ですが、2種類のレンガの積み方を使い分け、強度を保ちながら、アーチを形作るための工夫が施されていました。

 

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現在、加太鉄道遺産研究会のみなさんが鉄道遺産としてピックアップしているのはトンネル、駅舎などの10ヶ所。
今なお現役で使われ、歴史を刻み続けています。
ちなみに研究会のみなさんが作成した、鉄道遺産を巡る散策マップには、モデルコースも紹介されています。

 

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メンバーのみなさんが話し合いを進めていたのは、鉄道遺産を巡る散策コースの途中。
案内看板のサンプルを前に、意見を出し合っていました。
看板は、コースの案内と現地の案内を含め、およそ30ヶ所に設置予定だそうです。

 

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鉄道遺産を求めて、加太地区に足を運ぶ人の案内も始めようと、研究会のみなさんは定期的に勉強会も開いています。

手元の小冊子は、加太鉄道を案内する際の基本的なマニュアル。
どのメンバーがお客さんを案内することになっても、統一した説明をできるように作られました。

 

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「JRのOBとして、加太駅が繁栄するのが我々の役目かなと思っています」

と、『加太鉄道遺産研究会』のメンバーであり、元JR職員の福森文四郎さん。

「鉄道遺産1つ1つに対して、美しさや、携わった技師たちの心意気を感じて欲しいです。日本中の人に知って欲しいです」

と、同じくメンバーの大原善男さん。

 

「ここ全体を『加太越え鉄道遺産』として保存していきたいです。
『加太越え』というのは、中部圏から関西圏に抜けるための唯一のルートで、昔から非常な難所なんです。
徳川家康が境から逃げるときも、ここを通ってたと言われています。
これからは、この重要なルートをPRしていきたいですね。
加太地区全体を巡る散策道を設定し、他地域の方を呼び込むことで、レンタサイクルや休憩所、または農産物の販売所を開設するなど、地域の活性化につながることを期待しています」

と、会長の坂さん。

 

鉄道遺産を巡る散歩道の整備は、着々と進んでいるようです。

 

加太、秋の産品と鉄道遺産を巡るウォーキングツアー
開催日時 平成27年11月15日(日) 9:00
集合場所 JR関駅
募集人数 先着25名
お問合せ TEL 0595-97-8877(亀山市観光協会)