第10回「サルシカ隊長レポート」2011年8月

「サルシカ隊長レポート」神島編、ついに完結!
島の旅のラストは、B級グルメと最上の海の幸なのだ!

神島をぐるりと3.9キロ。
写真を撮りつつ歩いてきた隊長のワタクシとカメラマンのYU君は、全身汗まみれ、ドロドロのぐちゃぐちゃ状態で神島の集落へとたどり着いた。

目指すは、本日宿泊する宿である。
まだ陽は高いが、実はその宿でも、あるモノの取材をすることになっていたのだ。

宿泊するのは、「潮騒の宿 山海荘」。
神島の港から徒歩5分ぐらい。
斜面の集落の中ほどのところにある。

4階建てのビルで、宴会場やレストランもある。
30人のお客さんが収容できる神島最大の宿である。

その「山海荘」だけで食べられる、あるモノがあると聞いたのだ。

それは、「とばーがー」と呼ばれるご当地ハンバーガーのひとつで、この神島の、この山海荘だけでしか食べられない、鳥羽市認定の「たこかつバーガー」である。

じゃじゃん!!
実は事前に予約しておいたので、宿に入るなり、たこかつバーガー登場!!

金額500円。
いつでも注文できるわけではなく、提供時間は11:30~15:30。
基本的には事前の予約が必要である。

山海荘の女将さんにお話をうかがう。

そもそも「とばーがー」とは、鳥羽市が観光をより盛り上げるために考案した取り組みで、現在鳥羽市のさまざまな飲食店や宿泊施設がオリジナルのメニューを開発して販売している。

「とばーがー」を名乗るのには以下の条件があるそう。

①パティに地元産の食材を使用していること
②注文を受けてから作ること
③鳥羽市内で販売されていること

鳥羽が誇る豊富な食材をより多くの方に、そして手軽に味わってもらいたいという思いから、鳥羽のさまざまな企業が協力して取り組んでいるのだ。

そして!
その取り組みに賛同し、女将の息子さん(山海荘の主)が開発したのが、この「たこかつバーガー」なのであーる!

見よ、この断面を!!

神島の特産品である「タコ」をタマネギ、ニンジンなどと共にじっくり煮込んだ洋風カツ!!
もちろんソースにもこだわりが!

イセエビやアワビさえもエサにしてしまう神島のタコは、甘くてリッチな味わいで、そんなタコを一人でも多くの人に知ってもらいと、工夫を重ねて開発されたそうです。

「それではさっそく・・・」

「たこかつバーガー」を前に厳粛に正座し、両手を添えて持ち上げると・・・・
おもむろにガブリ!!!!

「うみょうううみゃうぬぬぬみひぇひぶふうううう」

よいこのみなさんは食べながらしゃべってはいけません(笑)。
何を言っているかさっぱりわかりませんし、お下品です。

ちなみになんと言っているかというと、
「うまいうまい、タコの味とイモの味が絶妙のハーモニー」
と、言っているのだ(笑)。

残り半分はカメラマンのYU君が食べた。

が、あと1時間ほどで夕食の時間である。
海の幸が待っているのである。
すでにお腹がいっぱいではまずいのだ。

で、疲れているのにまた港の周辺を散策することに。

神島の夕暮れ。
あたりがセピア色に染まり、ますますノスタルジックな気分になる。

鳥羽に向かう定期船の最終は15時45分。
もうとっくにその最終便は出てしまっている。
もはや漁船でも雇わない限り、本土に戻ることは出来ないのだ。

島の人たちだけの静かな時間である。

島の人たちは気軽に話しかけてくる。

お孫さんと散歩していたサングラスのお父ちゃんは、めちゃくちゃカッコよかった。
若い人がどんどん島を出ていく中、息子さんは島に残った。
そして孫たちがいる。

「こんな幸せはない、申し訳ない」

と話した。
その時、サングラスの奥の彼の目は、何を見て映していたのか。

夕焼けの神島を撮影しようと集落の最上部へ。
そこで三重テレビの取材チームと合流した。

三重テレビチームは、神島でたったひとりで奮闘する離島ドクターを取材していたのだ。

お医者さんと家族の夕食のシーンを撮影するため、三重テレビチームはまたアタフタと走っていった。
「あと1時間ほどで戻るんで、宴会の準備よろしく~」と言い残して(笑)。

ホテルに戻ったワタクシは、風呂に入る。
山海荘の浴室は4階にあった。
決して広くはないが掃除が行き届いていて、何より眺めがよかった。

さあ風呂に入って汗を流してキレイさっぱり!!
のどはカラカラ!!
お腹も再び空いてきた!!

三重テレビチームが戻ってきたところで、
「早く風呂行け、さっさと行け、すぐさま戻って来い、もうワタクシはガマンできん!」
と、勝手三昧をいってレストランへと移動。

そして!!
今日はじめて5人が揃ったところで、カンパーイ!となったのだ。

さて、今から紹介する料理の数々であるが、特別注文なしの基本的なコースである。
通常だと1泊夕食朝食つきで10500円が基本料金だというが、今回は神島に通いつめたビデオカメラマンのおかげで更に値引きされていた。

さあ、それではいよいよ神島の海の幸の登場です~!!!

お刺身の盛り合わせ。
鯛とタコ、そしてサザエをまるごと1個分!
ストレート直球で勝負という感じ。

そして他にも手を変え品を変え、神島の海がそのまま食卓へ総動員!
「これでもか!これでもか!これでもか!!」
という、海の幸の一斉射撃である(笑)。

上から串かつ。
突き出しのタコの煮付けと海老。
カワハギの煮付け。
鯛ソーメン。
サザエのつぼ焼き(1人1個)。

この他にも小皿などがあった。
恐るべし神島。
なめちゃアカンぜよ、神島である。

我われはしこたま食べ、しこたま飲んだ。

神島に来てたった1日。
が、これほど濃密で充実した1日はなかった。

布団に入ったなと思ったら朝だった。
それほど深く眠っていた。

翌朝、仕事があったので、8時35分の定期船で神島を離れた。

たぶんまた神島を訪ねるだろう。
それもそんなに遠くない将来に。

神島は、島全体が「人生の楽園」なのだ(笑)。

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