三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2016年3月13日放送

紀北町の基幹産業である農業・林業・水産業の一次産業が、担い手の高齢化、後継者不足が大きな問題となっている中、紀北町で、町の魅力、産業を知ってもらおうと一次産業の就業体験プログラムを実施!
昨年秋には、農業と林業の2つのプログラムを実施。
そして今回は水産業プログラムを先月2月12日~14日に実施しました!

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紀北町の基幹産業である農業・林業・水産業は担い手の高齢化、後継者不足が大きな問題になっています。
そこで、紀北町では、地方創生のための国からの交付金を活用して町の魅力、産業を知ってもらおうと、一次産業の就業体験プログラムを無料で実施。
この番組でも、去年、農業と林業、2つのプログラムをご紹介しました。
今回は、3日間にわたって開催された水産業の就業体験プログラムを紹介します!

 

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紀北町役場農林水産課の上村毅さんに、昨年の農業・林業の就業体験プログラムを実施した、その後についてお聞きしました。

「体験を通じて、紀北町の魅力を体感してもらえたと思います。
林業では体験者のうちも2人が森林組合の方へ就業してきました。
この就業体験以外にも就業促進する事業していますが、相談会であった人が就農してくれました。
少しずつ成果は出ていると感じます」

 

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今回の水産業就業体験プログラム参加のため、昨日から民宿に宿泊されているみなさん。
男性女性、そして年齢層も幅広いですね。

 

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「四日市市から来ました。
会社員をしていたのですが昔から漁師に憧れていて、高齢になってから漁師になるのは無理だと思い、早期退職しました」

「私は愛知県からの参加です。
やはり海と魚関係が好きで、こういう活動があると聞いて申し込みました。
ゆくゆくは紀北町で生活したいと思っています」

 

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2日目の朝、参加者のみなさんは紀伊長島・海野漁港に到着。
実際に海へ出て、『ヒロメ』という海藻の刈り取りを行うなど、紀北町の水産業を肌で学びます。

 

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ところで『ヒロメ』をみなさんご存知でしょうか。
紀伊半島と、ごく限られた地域でしか採れない貴重な海藻で、ワカメより薄く、シャキシャキした独特の食感が特徴。
ヒロメを紀北町で養殖販売しているのが、今回、参加者を受け入れる石原さん。
東紀州ヒロメ養殖協議会の代表もつとめています。

「今日は沖に行ってヒロメを刈り取って、洗ってもらいます。
天気が良ければ天日干ししてもらおうと思っていましたが、今日は曇っているので、塩蔵にしてもらいます」

 

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沖に見えてきたのが、ヒロメの養殖場。
このロープに、ヒロメが育っています。

普段は、ひとりで刈り取りをしている石原さん。
船から海をのぞき込むような、この姿勢のままロープをたぐりながら、ヒロメを刈り取ります。
参加者のみなさんも刈り取り体験。

 

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「今は波もないし、とてもやりやすいはずなんですけど、あの体勢のまま1人でやるのは、大変なことだと思います」

「やっぱり腰が痛いです。大変ですね」

 

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収穫を終えたら、港に戻って、洗浄作業。
海水でヒロメを一枚ずつ、手作業で、丁寧に洗っていきます。
甲殻類アレルギーなどにも気を使い、小さな海老などもしっかりと取り除きます。

晴れていたら、この後は干場に持って行って、一枚一枚洗濯バサミで干す作業。
量が多いので、これまた大変です。

 

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この日は、天気が悪かったため天日干しはやめて、塩漬けをすることに。
よく洗ったヒロメを、さっと湯に通して、鮮やかな緑色になったものに塩をまぶし、もんでいきます。
こうすることによって、ヒロメのおいしさを長く保てるそうです。

 

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プログラムの最後は、お待ちかね、ヒロメの試食です。
この辺りの地域でしか育たない、地元ならではの海の恵みヒロメを「しゃぶしゃぶ」でいただきます。
コリコリシャクシャク、普通のワカメと食感が違います!

就業体験プログラムは、翌日も続き、マダイやアオサ海苔、そして、地元ブランド・渡利牡蠣の養殖場などを訪ね、生産者の生の声を聞き、作業を体験。
2泊3日のプログラムを終えました。

 

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「やはり、所得の問題が厳しいところがありますので、水産業ということだけではなくて、『まちづくり』をしっかりやって、第一次産業で働く方をサポートしていく、暮らしやすい町を作っていくことが、大事だとと思います」

と、尾上嘉一紀北町町長。

 

漁業、農業、林業。紀北町の基盤を支える一次産業。
その魅力を伝え、少しでも体験してもらい、就業のきっかけにつなげていきたい。

 

紀北町の挑戦は、これからも続きます。