三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2016年3月27日放送

日本の発展を支えた貨車の歴史を後世に伝えたい!
ボランティアのみなさんが、廃車となった貨車を修復し、博物館を運営しています!

3-27-2

3-27-3

みなさんは、丹生川駅のすぐそばにある『貨物鉄道博物館』をご存知でしょうか?
『貨物鉄道博物館』は平成15年に開館した、全国初の鉄道貨物運送専門の博物館。
展示されているのは、明治以降、陸上運送の主役として活躍した貨車や機関車など貴重なものばかり。
まさに日本の近代化を支えた貨物鉄道の立役者が勢揃いしています。
入場は無料。
しかし開館日は毎月1回、第一日曜日のみ。

 

3-27-4

なので開館日ともなると、ご覧のとおり、全国の鉄道マニア、家族連れで大いに賑わいます。

「愛西市から1時間ちょっと電車に乗ってきました。貨物列車が大好きです」

「私は東京から。
以前からあるのは知っていて、一度来たいと思っていました。
ついでに三重県にあるナローゲージの鉄道(あすなろう鉄道)にも乗るつもりです」

 

3-27-5

この『貨物列車博物館』が作られた理由を、『NPO法人貨物列車博物館』常任理事の伊藤治さんにお聞きしました。

「昭和の時期、日本の経済の発展を支えた鉄道輸送の貨車たちが廃車されてゆくのをなんとか保存をしたいと思い、博物館を運営しています。
ボランティアの人たちに協力してもらい、大切な車両たちを後世に残すためにがんばっています」

 

3-27-6

貨物鉄道博物館を運営するのは、この博物館の維持管理を目的としたNPO法人。
40名ほどいるスタッフは全国から集ったボランティアのみなさん。
車両の保守、修繕はもちろんのこと、館内の草刈り、そしてガイドなどもつとめています。

 

3-27-7

『貨物鉄道博物館』理事の南野さんに、館内を案内してもらいました。
こちらはB4形蒸気機関車。
1898(明治31年)年にイギリスで製造され、東武鉄道の貨物輸送で活躍し、1966(昭和41年)年に引退しました。
ここ『貨物鉄道博物館』では、機関車も含めると15〜6両収蔵しているそうです。

 

3-27-8

こちらの貨車はなんと木製。
作られてからおよそ90年ほど。
2010(平成22年)年度、国立博物館の未来技術遺産に登録されています。

実際に、中に乗り込むことができる貨車もあります。
こちらはワ1形有蓋車。
1906(明治39年)年製造で、10トン積みの木製有蓋車の代表形式だそうです。

 

3-27-9

こちらは緩急車。
車掌さんが乗る車両でハンドルがついており、ブレーキをかけることができます。
こちらも2010(平成22年)年度の国立博物館の未来技術遺産に登録されています。

中にはんなんとクマの車掌さんが!

「車掌さんをイメージをしていまして、昭和の初期くらいの服装となっています」

と、南野さん。

 

3-27-10

館内の見学中、すぐとなりの線路を実際の貨物列車が通過。
これには見学者のみなさんも大喜び。
日本の発展を支えた貨車の歴史、そして「いま」を、目の前で感じられます。

 

3-27-11

そんな貨物鉄道博物館には、全国から集められた貴重な貨車、そして機関車が15台以上展示されています。

 

3-27-12

こちらは現在修復中の貨車。
月1回の開館日などを使ってボランティアスタッフたちが車両の修復作業を行っています。
この貨車は福島にあったものが震災の影響で置けなくなったため、こちらで所蔵することになったそう。
一度全部文字を落として塗装をし直したので、後は文字を入れ直して公開となるとのこと。
楽しみですね!

 

3-27-13

続いては屋内へ。
鉄道模型は寄贈されたもの。
他にも貨車の部品やナンバープレートなど、鉄道業界に関する品々。
さらに貨物時刻表なども!
鉄道好きにはたまりませんね。

 

3-27-14

こんな大きなジオラマも展示されています。
これには大人も子どもも夢中の様子。

そして小さな子どもも楽しめるように、鉄道のおもちゃも用意。
鉄道マニアから小さなお子さんまで、夢中にさせてくれる、そんな魅力がこの貨物鉄道博物館には詰まっているようです。

 

3-27-15

「こちらを見学しがてらカレンダーを買いに来た時に、理事の方から手伝ってみないかと誘われて、気がつけばもう4年目。
貨物列車の魅力を伝えるのは非常に楽しいです」

「電車が好きだったのもありますが、和気あいあいとした雰囲気が楽しいし、お客さんたちと話をしているのも楽しいですね」

と、ボランティアスタッフのみなさん。

「子どもたちに、もう走らなくなった貴重な車両をここで見て欲しいので、これからも保存をしていくためにがんばろうと思っています」

と、常任理事の伊藤さん。

 

たくさんの夢と希望を載せて。
日本経済の発展と、その歴史を積み込んで。
毎月第一日曜日。
貨物鉄道博物館は出発します。
向かうのは、明るい地域の未来です。