三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2016年4月10日放送

キノコを特産品にして、地域づくり!
『キノコドレッシング』を開発するなど、六次産業化も視野に入れて、地域に根ざした産業に育てています!

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こちらは名張市にある『錦生(にしきお)』という地域の、『名張錦生ふるさとパーク』。
こちらは閉校となった旧錦生小学校の跡地を活用した地域の活動拠点。
かつて教室だった部屋の一部は、地域の歴史遺産などを紹介した郷土資料館に。
体育館と運動場は地域のスポーツ施設に。
プールはなんと、国の天然記念物であるオオサンショウウオの飼育所になっています。

 

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その一角にあるのが『キノコセンター』。
『地縁法人・錦生自治協議会』のみなさんが、キノコ栽培を行い、地域の活性化を目指しています!

 

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キノコの栽培室は小学校の給食棟だった場所。ここではシイタケを栽培しています。
奥に見えるのはナメコ。
とても大きいです!

 

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こちらで栽培されているのはシメジとキクラゲ。
シメジは温度管理と湿度管理が一番大切で、温度が15~19℃の間で、湿度が1100%必要だそう。
だからこそ別室で蒸気を出し続けているんですね。

 

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『地縁法人 錦生自治協議会』会長の冨山修さんに、お話をうかがいました。

「キノコ栽培は、地元団体である『地縁法人錦生自治協議会』のメンバーを中心に、地域住民も参加し、錦生地区全体で取り組んでいます。
キノコ栽培をはじめたのは、川を挟んだ地区が赤目で松茸の産地として有名ですが、こちらでもキノコはよく採れるので、松茸の『香り』に対して『味シメジ』で行こうと。
また、『味シメジ』というキャラクターを出したら面白いかなと思ったのです」

 

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現在、シメジ、シイタケなどを中心に、一年を通して5種類のキノコを栽培。
このキノコづくりにはここ『錦生自治協議会』の生産センターだけでなく、地域の方々も、生産に乗り出しています。
地域の方が育てたものも、このセンターに集められて出荷。
今や、錦生のキノコは、『味しめじ』の名称で地域の特産品、そして、地域の産業として育ちつつあります。

 

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「多い時は1日に200個パック詰めする日もあります。
一度食べてもらうとリピーターになりますよ。本当に美味しいです」

「定年で一度は会社を辞めているので、働くことで生活のリズムができるのがありがたいです。
お客さんに食べてもらって『美味しい』と言われるのがうれしいです」

と、メンバーのみなさん。

 

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そしてメンバーが向かったのは、名張市赤目にある温泉宿『山水園』。
なんと、みなさんは、キノコの配達もしていました。
『山水園』さんが錦生自治協議会の取り組みに注目し、取引が始まったんだそうです。

『山水園』料理長の藤原義雄さんに、こちらのキノコについてお聞きしました。

「今まで、市場で使っていたシメジと食べ比べたところ、味や鮮度がまったく違いました。
キクラゲにしても、冷凍や乾燥を使っていたのに対し、生は全然別物ですし、鉄分もレバーの3.5倍ぐらいあるんです。
鍋に使わせてもらっています」

 

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一方こちらは加工所。
こちらではなんと、キノコを使ったドレッシングが作られています。
キノコのドレッシング作りをしているのは『錦生女性くらぶ』のみなさん。
錦生自治協議会の依頼で、ボランティアで取り組んでいます。

キノコ栽培では形の悪いものや出荷のタイミングを逃してしまったものがどうしても発生してしまいます。
それを無駄にせず、加工品にして販売していこうと始まりました。

 

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ドレッシング使う調味料など、キノコ以外の材料も10種類以上。
それぞれ分量を細かく決めたレシピで定期的に集まって、こうして調理をしています。

 

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こちらが、10種類以上の材料をあわせて出来上がったキノコのドレッシング。
「味シメジ・シイタケ・キクラゲ」の3種類が販売されています

これをかけると、濃厚な味がして、普通のサラダがワンランク上の味わいに!
キノコの食感がアクセントになっています!
これは評判が良いのも納得です。

 

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「作り始めた当初は不安でしたが、食べた人からの反響がとても良く、今はとても作り甲斐があるかなと思っています」

「過疎化が進んでいますので、キノコドレッシングが特産品となり、少しでも活性化してくれるとうれしいです」

キノコを錦生の特産品に。
六次産業化も視野に入れて、地域に根ざした産業に。
『錦生自治協議会』の新たな試みは、始まったばかりです。

 

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実は、『錦生自治協議会』は、これまでにも地域のためにと様々な取り組みをしてきました。
特に、他地域から注目を集めたのが現在も、地域の足として走る『コミュニティバス』の運行と運営。

他にも、地域の幅広い世代が交流できるようなものや子ども向けのものなど、地域参加型のイベントを開催。

 

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また、高齢者のみなさんが集う憩いサロン『ほっとサロン』の運営など、その活動は多岐にわたっています。

「『地域は地域でまかなっていける』ような活性化をしていかなければならないという意味から、みんなで協力し、利益も上げて。
そういう方向を作り出していけば、この地域がまた活性化するはずです」

 

地域のみんなが参加し、やりがいを得て、そして、自分たちに手で地域を作っていく。
小さな活動の積み重ね。
それが、これからの錦生地区を育てていくのです。