三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2016年4月24日放送

県内で唯一の弦楽器専門店!
製作や修理はもちろん、音楽教室も開催!
弦楽器に触れ、音楽の世界を広げよう!

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中野雅敏さん。
津市内で『バイオリン工房NAKANO』を経営し、バイオリンをはじめとした弦楽器の販売、修理、製作、調整、そして教室と、そのすべてを手がけています。
弦楽器の専門店としては県内唯一。

「弦楽器は基本的にはどんなものでも直せます。
修理の魅力は『元に戻す』と当たり前の事なんですが、元に戻すことで使っている方がとても喜んで下さるのが一番の魅力ですね」

 

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『バイオリン工房NAKANO』は、国道23号線に面した津市栗真小川町にあります。
工房の中には一番大きな標準のものから、小さなお子さん用の小さめのサイズのものまで、多くのバイオリンが陳列されています。

 

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修理中のバイオリン(上)は、経年劣化した『指板』という黒い板を直しています。
製作中のバイオリン(下)は、バイオリンの裏板を作っている最中。

中野さんは県内の大学を卒業後、バイオリン製作学校に入学。
同校での講師を経て、津市にバイオリン工房を開きました。
以来17年、三重のバイオリニスト、音楽文化を支えています。

 

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「たまたま読んだ雑誌に、大阪に新しくバイオリンの製作学校ができるという記事があり、それでもう決めました。
当時は大学4年で、企業に就職が決まっていたのですが、それは迷いながら決めたものでした。
しかし製作学校への思いは迷いがなかったので、親を説得しました」

 

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バイオリン製作学校時代の中野さん。
4年間、削り、磨き、塗り、バイオリン製作の技術を磨きました。

「習うのは製作だけだったので、修理はまた違う所で勉強しました。
バイオリンの構造がわかるなど、製作の技術が修理の技術にも役に立っています。
最初は他の専門店との仕事を掛け持ちしながらやっていたので大変でした。
けれど弦楽器をを演奏する人が徐々に増えて、だんだんそのニーズに合わせて、仕事の形態も少しずつ変えたり、教室も開始し少しずつ増やしたりしています」

 

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こちらは『バイオリン工房NAKANO』の中にある音楽教室。
バイオリン・チェロ・フルート・ピアノなどの音楽教室があります。
この日は姉妹がバイオリンの練習に来ていました。

 

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「バイオリンは4年しています。
練習は大変だけど、楽しいです」

と、お姉ちゃん。

「バイオリンは全然知りませんが、工房がたまたま近くにあったので、音楽に親しめる子になって欲しいという簡単なきっかけで始めました。
子どもたちも、少しずつ上達する喜びを感じているので、長く続けて欲しいですね」

と、お母さん。

 

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「私はこの教室で教えてもう、10年ほどになります。
子どもからもいろいろ教えてもらって、日々勉強ですね。
バイオリン工房がここにあることに気づいている人は意外と多いので、バイオリンをしていない人でも、入りやすいというか近づきやすい感じがします」

と、バイオリン講師の笠井まい子さん。
ちなみに中野さんは、チェロ教室を担当しています。

 

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一方、工房ではバイオリンの修理が続いていました。
こちらはニス塗り作業。
製作の場合だと、これを30回ほど塗り重ねるそうです。
しかも塗っては乾かし、塗っては乾かしの繰り返し。
ひとつのバイオリンを仕上げるのに、1カ月近くかかる場合もあるそうです。

 

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続いては弓の毛替え。弓の毛を新しくします。
ただ交換するだけでなく、毛替えの際、毛を留めている木も新品に交換する必要があるので、細かい作業です。

中にはひどい状態になり、修理に高額の費用がかかる場合もありますが、持ち主の「なんとか直したい」との思いを汲み、中野さんはバイオリンを直します。

 

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このチェロは中野さんが製作したもの。
1996年に作ったものだそうです。
工房を開いてから、ここまでの思いをお聞きしました。

「あっという間ですね。始めたばかりくらいの感覚です。
10年前に比べると弦楽器を演奏する人が、少しずつ増えているように感じます。少しずつお店ができたり、教室ができたりしていますからね。
これからも増えていってほしという気持ちは変わらないです」

と、中野さん。

『バイオリン工房NAKANO』
弦楽器に出会ってみたい、触れてみたいと思う方は、一度訪れてみてはいかがでしょうか。