企画展「道の世界遺産 熊野古道中辺路~熊野三山を結ぶ信仰の道~」

■開催日時

平成28年4月29日(金)~6月26日(日)
9時00分~17時00分

■開催場所

三重県立熊野古道センター 展示棟企画展示室(向井)

■内容

熊野へ至る信仰の道中辺路を、皇族・貴族が歩いた中世、武士や一般庶民へと広がりをみせた近世、伊勢参宮から西国三十三所の巡拝と結びつきをみせた近代、そして世界遺産に登録され多くの人が訪れ歩く現代と、それぞれの時代の変遷を概観しその魅力を紹介します。

<内容>
【1.中世の熊野詣】
平安時代の後期いわゆる院政期にはいると熊野参詣が過熱し、鳥羽上皇、後鳥羽上皇をはじめ多くの上皇や貴族が中辺路を通り熊野へ参詣しました。それらを如実に物語る日記や絵巻を紹介し、当時の熊野詣の様子を紹介します。
【2.近世の熊野詣】
江戸時代に入ると紀州藩による熊野三山復興がおこなわれると、再び「蟻の熊野詣」が最盛期を迎え、貴賤男女を問わず多くの一般庶民が熊野を目指しました。絵図や図会で描かれた近世の熊野詣の様子を展示紹介します。
【3.近代の熊野詣】
明治以降、鉄道網や車道の発達に伴い、観光周遊を兼ねた熊野詣がおこなわれるようになり、参詣の形態が変化しました。また神仏分離や神社合祀により、道中の王子社が姿を消すなど中辺路の様子が激変しました。本展では、古写真と現在の写真を比較展示することにより、中辺路の変遷を紹介し、また近代の中辺路が記述された紀行文などを紹介します。
【4. 現在の熊野詣】
2004年に世界遺産登録後、歴史探訪や健康ウォーキングとして多くの人が熊野三山を結ぶ熊野古道中辺路を歩くようになりました。本展では現在の中辺路の姿を動画と写真で紹介し、その魅力を紹介します。
【5.熊野三山】
それぞれ独自の自然崇拝を源とする熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)は、主祭神を相互に勧請し「熊野三所権現」として信仰を集めるようになりました。本展では、近世以降に描かれた絵図や近代以降の写真を展示し、熊野三山の信仰の歴史を紹介します。

■関連イベント事業

1.「中辺路を歩く~小雲取越・熊野三千六百峰を見る~」
 熊野那智大社と熊野本宮大社を結ぶ雲取越えルートの後半、小雲取越を歩きます。道中には伊勢路本宮道の終着点があり、また賽ノ河原地蔵や紀伊山地の重畳たる山並みが見渡せる百間ぐらなど奥深い熊野の風景を望むことができます。
1.日時:5月21日(土) 午前7時~午後4時30分
2.参加料:1,000円 *別途、バス運賃必要
3.定員:20人(要申込・応募多数の場合は抽選)
4.場所:中辺路小雲取越(新宮市熊野川町~田辺市本宮町)
5.案内人:西浦康代さん(新宮市観光ガイドの会会員)
6.対 象:どなたでも ※健脚者向けコース(歩行距離約15㎞)
7.受付:4月21日(木)~5月14日(土)

2.講演会「川の参詣道・熊野川」
川の熊野古道として世界遺産に登録されている熊野本宮大社と熊野速玉 大社の間の熊野川。この川の参詣道の歴史・名所についてお話しいただきます。
1. 日時:5月29日(日)午後1時30分~午後3時
2. 場所:熊野古道センター 展示棟映像ホール
3. 入場料:無料
4. 定員:80名(要申込・先着順)
5. 講師:山本殖生(しげお)さん(熊野三山協議会幹事) 
6. 演題:「川の参詣道・熊野川」
7. 受付:4月29日(金)~5月28日(土)