三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2016年6月19日放送

近年、食物アレルギーによる疾患を持つ人が急増している中、「アレルギーっ子の会 ぽかぽか」は アレルギーを持つ子どもの保護者らが集まって結成!
アレルギーを持つ子どもとその家族が孤立しないように支援する活動を続けています!

6-19-2

6-19-3

『芸濃総合支所』にて、『だれでもスマイルキッチン』による、お料理教室が開催されています!

 

6-19-4

お料理を担当している『アレルギーっ子の会ぽかぽか』の須川由利子さんに、この教室についてお聞きしました。

「私も『アレルギーっ子の会ぽかぽか』のメンバーも、自分の子どもに食物アレルギーがあるんです。
突然、自分の子どもにアレルギーで食べられない食材が出てくると、心理的にも料理を作るにも負担で、とても困ったんです。
そこで同じように困っているお母さんたちと集まろうと」

そんなアレルギーを持つ子どもたちの保護者4人が集まり、15年前に発足したのが、『アレルギーっ子の会ぽかぽか』。
現在の会員はおよそ50人。
津を中心に、伊勢、松阪、伊賀、桑名など、広い地域から参加。
アレルギーを持つ子どもたちを孤立させないように、様々な活動を続けています。

 

6-19-5

アレルギーの専門医である、『国立病院機構三重病院』の藤澤隆夫院長に、アレルギーについてお聞きしました。

「今や国民の1/3が何らかのアレルギーを持っていて、もはや普通になった時代です。
中でも食物アレルギーは、かゆみ・じんましん・皮膚が赤くなるなどの皮膚の症状、腹痛・吐くなどの消化器症状、咳き込み・ぜんそくなど呼吸器症状、そして最も重い症状として、全身性のアナフィラキシーショックがあります。
これは血圧低下や意識がなくなるなど、命に関わる症状です」

 

6-19-6

そんな食物アレルギーに対して情報を共有するため『アレルギーっ子の会ぽかぽか』では、定例会や勉強会を開催し、会報誌『POKAPOKA Station』を年3回発行。
グループで企画開催したイベントの様子、メンバーの日常生活での食物アレルギーに関する体験談などを発信しています。

「アレルギーは隠すことではありません。
実際に起きていることを、こうやって会報誌に載せてみなさんに知ってもらいたいというのが目的でもあります。
ちなみに私の子どもも多品目のアレルギーがあり、中でも卵は微量でもアナフィラキシーを起こすほどで、日常生活にも注意が必要です」

と、『アレルギーっ子の会ぽかぽか』代表の赤塚さおりさん。

会報誌は、食物アレルギーのことを広く周知するために、市役所など行政機関・病院などに置いています。

 

6-19-7

月に1回行われている料理教室は、小麦や乳製品などアレルギーを引き起こす原因となる食材を一切使わず、それでも、おいしくて栄養がある料理を、メンバーと栄養士が協力してレシピを考案します。

「先生といっても普通の主婦です。友人や栄養士さんなど、アレルギーで知り合って料理を担当しています
今日は100%米粉を使った米粉の惣菜パンを作ります」

と、料理教室の先生を務める佐脇見季さん。

 

6-19-8

こちらが本日の食材。
小麦粉のかわりに米粉を使用。
他にも、アレルギーの原因となるアレルゲンを除去した食材や調味料が並びます。
こういった食材を学べるのも、この料理教室の特徴です。

 

6-19-9

みんなで楽しそうに作っていますが実は、メンバーの準備は大変なんです!
食物アレルギーの原因を取り除いておくため、料理教室前日に調理器具・食器などの洗浄・消毒を徹底して行っています。

総菜パンの具として用意したのは、ヒジキ。
牛乳が飲めずに心配されるカルシウム不足を、ヒジキで補います。

 

6-19-10

卵を一切使っていないマヨネーズをたっぷり米粉パンに載せて。
そして牛乳の代わりに、お米で作ったライスミルクを使ったコーンスープ。
どのメニューも、本当に、色々と考えられたレシピになっています。

 

6-19-11

「うちは、卵・牛乳・大豆・小麦・大麦・ごま・そば・甲殻類・貝類・果物類のアレルギーです。
普段の食事は、とりあえず食べられるところを、チョイスしながらですね。
こういった教室があるのは知らなくて、友人から誘ってもらって初めての参加です」

「私も今までそういう友だちがいなかったのですが、たまたま教えてもらって初参加です。
とても楽しみですし、心強いです!」

 

6-19-12

お料理が完成しました!
この日のメニューは米粉惣菜パンと、ライスミルクのコーンスープ、そして小麦粉のパスタの代わりに糸こんにゃくを使用した『禅パスタ』。

 

6-19-13

「同じ皿から一緒に食べるということ自体あまりなかったのと、気兼ねなしにみんなと同じスペースで食べられることがとても良い経験になります。
食べたら危険なものを監視しなくて良いので、助かります」

「一番うれしいのは、アレルギーある子のために作ったものを、アレルギーのないお兄ちゃんも一緒においしく食べもらえること。
ここのレシピは本当に役に立っています」

と、参加者のみなさん。

 

6-19-14

この日の午後、メンバーによる交流会が開かれました。

「本当に少しの工夫や配慮で、みんなと同じようなことができるので『アレルギーだから、無理だな』とあきらめてしまわずに、少し立ち止まって考えてほしいと思います。
何か工夫してもらえるだけで、子どもたちの世界がずいぶん広がるので、そこだけ、周囲の方々にお願いしたいです」

 

アレルギーで子どもたちを苦しませないために。
アレルギーが原因で孤立させないために。
ここでの情報交換、そして、つながりが
日々がんばるお母さんたちの心の支えになっているようです。