FM三重「ウィークエンドカフェ」2011年9月17日放送

『真珠婚式』ってご存知ですか?
結婚30周年のお祝いに、真珠の町鳥羽で、10年ほど前から行われているんです。
「そろそろ恋人同士に戻りませんか」がコンセプト。

今回のお客様は、その『真珠婚式』の立ち上げメンバーの一人、奥野和宏さん。
現在は、鳥羽市温泉振興会事務局長や、観光プロデューサーとして活躍しています。

鳥羽で真珠婚式を行う理由・・・鳥羽の観光にかける思い・・・などなど、お聞きしました。

■『真珠婚式』をはじめられたきっかけは?

大人の文化というか、新しいライフスタイルを提案しようと思ったのがきっかけです。
鳥羽の観光資源を使って、何か新しい、旅づくり・・・旅の組み立てができないかと。

そこで思い至ったのが『真珠の町・鳥羽』と『真珠婚』との組み合わせです。

鳥羽は風光明媚で海の幸も豊富ですが、それだけではない、物語のある町なんです。
真珠養殖を成功させたのは御木本幸吉ですが、それは妻・うめの協力なくしては成し得ませんでした。
つまり鳥羽は、真珠の町であると同時に、夫婦愛の町でもあるんですね。

そこで、「鳥羽こそ真珠婚の聖地としてふさわしい!」・・・と、勝手に決めたわけですね(笑)

また、『バリュー』と『ワース』という言葉がありますけど、
お金に換算できる相対的な価値と、夫婦にしかわからない絶対的な価値・・・
そういったプラスアルファーな付加価値を探して辿り着いたのが『真珠婚式』だったとも言えます。

■『真珠婚式』ではどんなことを?

ちゃんとホテルのチャペルを借りて行います。
もちろん牧師さんもいらして、祝福の言葉をかけますが、ご夫婦一組一組、話す内容は違います。
人生山あり谷あり・・・それぞれのご夫婦に、我々にはあずかり知らない歴史や、思いがあるでしょうからね。
ただ、どのご夫妻にも申し上げるのが、「第二の人生を、この鳥羽から出発してください」と。

それはもう感動します。
参列者もご本人方も、感動の涙、涙ですよ。
やはり、こうやって今まで結婚生活を振り返る余裕ができ、新たな気持ちになれるのが30年目なんでしょうね。

以前何かの雑誌で読んだ中に、

「紙婚式、木婚式・・・そんな記念婚式を越えて、真珠婚となったとき、相手に贈るのは真珠ではなくても良い。
お互いの時間を大切に、余裕をもつこと・・・時間と慈しみを贈る・・・つまり時間のプレゼントだ」

こう書かれていまして・・・この言葉には感動しました。

■申し込みされるのは?

圧倒的に女性が多いですね。
本人様からはもちろん、最近では娘さんや息子さんのお嫁さんなどからの、いわゆる『サプライズ』も多いです。
『真珠婚式』をはじめたことで、鳥羽に興味を持つ方、鳥羽を訪れる方の層が広がったのが嬉しいですね。

■奥野さんのホテルでの一番の思い出は?

私が39年間ホテルにいたうちの、35年間続けてお盆にお泊りただいているご家族がいらっしゃって。
たった一組ですが、そのお客様が、私の最高の満足であり、誇りですね。
お嬢さんは幼稚園の時分から来ていただき、また自分のお子さんも連れて来てくださって・・・。

嬉しいのは、自分(奥野さん)がいるから毎年来るのよ、と言ってもらえたことですね。
今年も満足いただけると、また来年も来ていただける。
そして毎年、お互いに一年を健康に過ごすことができたことを喜び合い・・これが私の一番の思い出です。

そしてやはり、人こそ一番の観光資源だと思いました。
人が人を、どんなに気持を込めておもてなしできるかが、一番大切ですね。

■鳥羽をハワイに!?

鳥羽をハワイに置き換えて、全体をリゾートテーマパークとしてみたらどうかな、とか考えています(笑)
やはり鳥羽駅前はハワイ中心部のオアフかな、とか、石神さんのある相差は懐かしい町並みだからノースシュアかな・・・と。
鳥羽はハワイと同じように、離島がありるので、知多の日間賀島などと合わせて、セブンアイランド構想や七福神めぐり・・・なんていうのも考えているんですよ。

もちろん4つの離島は、鳥羽の財産です。

鳥羽に来たお客さんが、帰って誰かにその話をしたときに、
「え、鳥羽にそんな場所があるの!? 知らなかった!羨ましい!」
と言ってほしい・・・つまりは鳥羽への旅で、優越感を味わってほしいですね。

一度来ただけではわからない、鳥羽の奥深さというか。
そういうわけで、観光地としてのハワイの作り方を参考に、優越感を味わえる観光地を目指しています。
年間通して、いろいろなプランを組み立て組み合わせて、お客さんがまんべんなく、年間と場所を分散して来てもらうのが大事ですね。

あとはですね、海女さんなどもそうですけど、鳥羽は女性が輝いているんです。
男はたいしたことないの(笑)
女性が輝ける観光地を目指したいですね!