FM三重『ウィークエンドカフェ』2016年11月5日放送

11月22日はいい夫婦の日。
この日に毎年、結婚30周年を迎えられたご夫婦が伊勢神宮、内宮にお参りをされています。
運営しているのは、志摩市の『真珠婚国際協会』のみなさん。
真珠のふるさと、志摩のみなさんが全国からお越しいただいた真珠婚のご夫婦をお祝いしています。
今回のお客様は『真珠婚国際協会』会長の濱口久雄さん。
現在は、伊勢神宮内宮へ真珠婚の方々がお参りをされる『真珠婚おかげ参り』ですが、この事業のスタートは、今から19年前の『伊勢志摩真珠フェア』が始ま。
志摩のことを大切に思う人たちが集まって、イベントが行われました。

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珠婚おかげ参りは15年め

伊勢神宮でこの行事をお願いしてから、15年になります。
神宮さんのお力はやはり大きく、魅力があるということで全国から申し込みがあります。
これからも、『神宮初の世界の風習』という形で残して行きたいと考えています。

19年ほど前、英虞湾の真珠養殖業者の大変な時期がありました。
真珠の母貝であるアコヤ貝の貝柱付近が、赤く変色してしまい、貝が閉じて死んでしまう『斃死』が起きたのです。
志摩の真珠業者が大変なことになっていると、当時ライオンズクラブの会長をしていた私と、もう1人、ロータリークラブの会長、そしてJCのメンバーと会長同士が集まって話し合いました。
みんなが協力し合って、シニアさんにがんばってもらうよう何かしようではないかと。
そこからスタートし、19年前である第1回目は地域の真珠業者さんを中心とした『伊勢志摩真珠フェア』を手がけました。
ところが地元を中心として組み立てていくと、経済的な活動としてあまり成果が上がらないんですね。
真珠に対する魅力の部分に関しては、他から見た真珠の値打ち感と地元の値打ち感があまりにも接近していて、魅力を感じなかったのだろうという反省がありました。
第1回目は3日間開催し、売り上げが2千万ほどあったのですが、これを数回繰り返したところ、年々パワーダウンするという傾向になりました。
そんなイベントの中であったのが、実は『真珠婚』だったのです。

 

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かげ参りのはじまり

当時、会場でパールシャワーを会場でやってみたところ、非常に興味を持ってもらえました。
しかしそれだけではやはり弱いので、いろいろな工夫をしてみました。
その中の一つが、地元の大神様である伊勢神宮の協力をいただこうというもの。
当時、真珠婚の夫婦が年間80万組ほどいましたので、全国規模に展開すればマーケットとしては大きいだろうと。
そこで『伊勢島真珠フェア』を徐々にスケールダウンさせ、15年前から『真珠婚おかげ参り』の方に特化させました。
今はマスコミの力をそんなに借りずとも、コンスタントに申し込みがあります。
それは15年間の積み重ねなんですが、一番多かったのが今から4年前、申込みが942組ありました。
今はそこまでではありませんが、口コミ、ネットでの受付があり、今年は159組。
そのうち毎年100組を抽選で選ばせてもらっています。

 

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珠婚おかげ参りとウェルカムパーティ

『真珠婚おかげ参り』は、朝9時30分、抽選で選ばれた100組のご夫婦が仲睦まじく、宇治橋を渡るところから始まります。
そして、神楽殿に真珠を奉納、正宮で正式参拝をされた後、お神楽を挙げていただき参集殿へ。
ここで、神宮からのお言葉をいただき、そのあとは、記念の真珠のペンダントをご主人が奥様につけるセレモニー。
恥ずかしそうにしながらも、うれしそうな皆さんの顔。
前日に『志摩観光ホテル』で行われるウェルカムパーティも素敵なパーティなんです。
これがまた非常に好評で、地元からは歓迎のセレモニーの中に『伊勢えび祭』の『じゃこっぺ踊り』も出させてもらいます。
今年は更に趣向を凝らし、真珠にまつわる面白いゲームなども考えています。
真珠婚は結婚30周年ですから、結婚した年はみな同じなんですね。
ですから、同じテーブルに着かれた方は、お互いに家族のことを話すなど、とても会話が弾むようです。
最初はそんなに打ち解けないのですが、宴席がお開きの頃になると、なかなか帰らず、ずっと話している人もいます。
開催する方も、とてもやりがいのあるパーティです。

 

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婚30年は、時間にゆとりが持てる年齢

去年印象に残ったケースとしては、ご夫妻の娘さんからの申し出です。
娘さんの身体が悪く両親がどこへも旅行へ行けなかったので、この機会にぜひ招待してほしいと。
その話を聞いて、スタッフ一同涙しました。
他にもご夫婦揃って車椅子という方もいらっしゃいました。
その年に限って運が悪く、雨だったんですね。
伊勢神宮へ行く際、スタッフがガードをして、一番上まで上げたという、そんな思い出もあります。
1回目からたくさんの笑顔や涙を見てきました。
来られた方みなさんが、あとでお便りをくださったりします。
我々、反省会も行いますが、本当にやりがいのある事業だと、いつも喜んでいます。
健康にもよりますが、結婚30年目は、まだまだ活動ができる年齢です。
中にはもうお孫さんがいるご夫妻もいます。
旅行をするにも非常にいいですし、帰ったらお孫さんがいる。
式典が終わって帰った後に、家族がお祝いしてくれるというケースがけっこう多いそうです。
なので、そういう意味では、家族全体でお祝いできる結婚記念日だと思います。

結婚30年を迎える方をみんなでお祝いしようと、神宮さんにも協力していただいているこの事業。
そのためにどれだけの労力が必要かと考えると、そんなに大なものではありません。
それでも、やることによっての、我々の幸せ感とやりがいがとても大きいんです。
幸せの種づくりというか、みなさんに幸せになってほしいです。