FM三重『ウィークエンドカフェ』2016年11月12日放送

今回のお客様は、『お伊勢さん菓子博2107(第27回全国菓子大博覧会・
三重)』実行委員会委員長であり、伊勢市観光協会会長の濱田典保さんです。
来年開催の菓子博のこと、今の伊勢のこと、気になることがいっぱいです。

また、この季節は全国各地からたくさんの人が伊勢のまちを訪れます。
おもてなしの心でいつもお迎えされています。

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伊勢さんは2月の建国記念日までがお正月

伊勢はいつも行楽シーズンです。
特にこの時期は『新穀感謝祭』ということで、農協さんが初穂を神宮にご奉納に来ますので、いっそう賑わいます。
夏休みが終わって9月くらいはいったん静かになるのですが、また10月からは賑わいが再開します。
伊勢はちょっとお休みがあって、どっとお客さんが来るという繰り返し。
年末に向けて、またたくさんのお客さんがいらっしゃると思います。
なかでも、一年で一番お客をお迎えする時期は、やはりお正月。
紅白歌合戦が終わってからどっと来るという時代もありましたが、今では仕事納めでそのまま伊勢に来るという方も多く、年末から賑わっています。
でやっぱり一番お客さんが来るのが1月。
伊勢のお正月は2月の建国記念日まで続くので、1ヶ月半ほど。
その間、初詣のお客さんが訪れます。
私はいつも伊勢神宮に参拝されるお客様を見送っているので、なかなか参拝できません。

 

伊勢さん菓子博の概要

来年の4月21日開幕ということで、開催まで半年を切り、準備も最高潮となっています。
これまでは全国飛び回りましたが、これからは直接現場の準備も始まってくるため、地元と外と行ったり来たりで忙しいです。
日本中のお菓子が集まってくるという、なかなかない機会。
第1回が明治44年に開催なので、日本で一番古い博覧会だと思います。
お菓子の品評会ですから、より優れたお菓子を選ぶという、気合を入れたお菓子屋さんが集まってきます。
来場者の方々に、楽しみしていただきたいと思います。
お菓子は日常食べていますが、それこそ沢山の種類があります。
和菓子や洋菓子、スナック菓子、飴菓子・・・なかなか一堂に会することはありませんし、お菓子にはそれぞれの地域性があります。
地域ごとのお菓子の違いなども感じてほしいなと思います。
菓子博覧会にくれば、日本中の地域のお菓子を見て食べることができます。
例えば京都なら雅なお菓子、三重県はお伊勢参りが盛んなので餅菓子・・・本当にお菓子は地方色が豊かですよ。

 

ペインの修道院で作られているお菓子

先日スペインに行った際、『サンティアゴ・デ・コンポステーラ』というキリスト教の巡礼の聖地を訪れました。
そういった人が多く集まる場所には、やはり名物お菓子があるんですね。
修道院で300年以上作っているお菓子があるそうで、これは食べなくてはと。
そのお菓子は、わかりやすく言うと『カルメ焼き』。
カルメ焼きとは、平らな鉄鍋にお砂糖を入れて火にかけ、ブクブクと膨れて焼きあがるとサクサクとなる美味しいお菓子。
昔はお祭りの屋台でもよく見ましたね。
スペインで見たのは、このカルメ焼きそのものの、素朴なお菓子でした。
巡礼の方たちが遠くから歩いてきて、疲れたところに甘いものを食べると。
ヨーロッパと日本、場所も隔たっているし人種も違います。
違いがありそうですが、実は同じような味覚を持ち、同じような甘いものを昔の人も食べていたのかなと、ちょっと面白かったです。
伊勢のおかげ参りもそうですが、お菓子は楽しむのはもちろん、疲れた時に心と身体を癒やすものであったりもします。
お菓子にはいろいろなシーンがありますね。

 

川の渡しの展示物は必見!

菓子博は技術を競う品評会という面もあるため、今回もたくさんの芸術的な工芸菓子が集まってきます。
今回は史上最多の147点の作品が出店される予定で、ここが第一の見どころです。
それから全国のお菓子の紹介、さらに現在、三重県のお菓子を紹介する準備をしているところです。
一番すごいのは、昔のお伊勢参り、『宮川の渡し』を描いた浮世絵をお菓子で立体で表現することへの挑戦。
これは『三重県菓子工業組合』の青年部のみなさんが、一年がかりで仕事が終わった後夜なべをして作ってくれています。
横が10m奥行き6m。
1ヶ所で作ることができないので、今、三重県のあちこちで、それぞれの支部で作っています。
そして当日、こちらの会場ですべてが合体して作品が完成することになっています。
これはぜひ見に来てほしいですね!
今もずっと作業していまして、僕も見に行きましたが、細かくてとてもできません。
三重県の菓子工業組合は18支部あり、各エリアごとに集まって青年部を中心に作業を進めています。
普段なかなか自分の技術を人前に出さないですし、若手は勉強に忙しくなかなか横のつながりも作ることができないので、菓子博をきっかけに一緒に勉強して、一緒に一つのものを作っているのは、とても良いことだと思います。

いよいよ来年4月に迫ってきた菓子博、着々と準備が進んでいます。
全国からもいろいろなものが集まってきていますので、ぜひみなさんで揃って来てほしいと思います。
そして地元の観光協会も一生懸命応援しています。
菓子博だけでなく、三重県の旅を楽しんでもらえるといいですね。
地元のお菓子や町のこと、まだまだ知らないことがあると思うので、この機会に自分たちの町のお菓子を知ってもらえると嬉しいです。