FM三重『ウィークエンドカフェ』2017年1月7日放送

今回のゲストは『志摩自然学校』の校長先生、生賀照央さん。
暑い日も寒い日も、お天気がいい日も雨の日も、志摩の自然は魅力がいっぱい。
自然学校に訪れる人たちに志摩の素敵なところを教えてくれる先生です。
志摩自然学校には、冬の寒さにも負けず多くの人たちが訪れています。
それは冬にしか味わうことができない自然アイテムがたくさんあるから。
名物の1つ、ウォーターボールも冬おすすめのアクティビティです。

摩の朝日は必見! そして冬はイチゴ狩りとウォーターボール!

志摩自然学校は英虞湾の西に向いているので、桐垣展望台からすぐ目の前に、志摩が見える景色があります。
夕日の英虞湾は有名ですが、僕が好きなのは、朝日を浴びた英虞湾の緑の美しさ。
午前中、東から照らす陽の光に映える緑の美しさと海の美しさ、そして向こうの大台山系にうっすらと雪が積もっているのが見えます。
安乗方面を見れば、朝は富士山が見えることもあるんですよ
冬のその景色がとても良くて、大好きです。
冬は、海の色もとても綺麗です。

しかし年々少しずつ暖かくなり、春が旬だったイチゴが、今は冬が旬になっているくらいですよね。
JA鳥羽志摩の、長沢のイチゴ園で作っているレッドパールがとても美味しいんですよ。
そこのイチゴの食べ放題とウォーターボールで遊んでもらうとのセットが、ここ2〜3年お客さんの人気が高いです。
イチゴを食べて身体も動かして・・・健康的ですよね。

2月にはバレンタイン、3月にはホワイトデーと、恋の季節じゃないですか。
ウォーターボールというアイテムを使い、特別感と季節感を作りたいなと思っています。
ウォーターボールはけっこうカップルで利用される方が多いですね。
透明なので中がよく見えるのですが、初々しいカップルと、お付き合い長いカップルと、両方いらっしゃいます。
初々しいカップルはこちらも見て見ぬふりをしているのですが、なかなかアツアツです。
自分の若い頃を思い出して、キュンキュンしちゃいますね(笑)。

 

摩は普段着のアウトドアができるところ

普段着のアウトドア、プチアウトドアができるのが志摩。
緊張する冒険的なアウトドアではなく、人の営みがすぐそばにあり、人と絡み合って自然が保たれているのが見えるような。
そういう里山・里海を間近にしつつ安心してのんびりできるような。
今はストレス社会で、みなさん都会でストレスを溜めていますよね。
穏やかな海辺に触れてもらって、安らいでリセットしてもらって、また明日へのエネルギーを充電して帰ってもらいたいですね。
穏やかさと静けさが、英虞湾の売りであり、力だと思います。

また、志摩自然学校といえば、カヤック体験。
海女さんは夏は表海でアワビやサザエを採っていますが、冬の11月から2月頃までは英虞湾内でナマコを採っているのを、時々見ることができます。
本当に間近に見られるんですよ。
カヌーに乗っていて海女さんと出会えるなんて良いですよね。
海女さんたちにとっては日々の営みですが、それをツアーの中で見かけることができると、みなさん喜ばれますね。
カヌーはあまり危険がないため、海女さんと会話できたりします。
先日も「寒くないですか〜?」なんて声をかけたら「寒いに決まっとるやろ〜!」とか言われたりね(笑)。
やり取りが、お客さんにとっての『旅感』となって、うれしいですね。

 

まこ茶漬けやひじきのおいしさ

志摩には牡蠣や伊勢海老、ふぐなどの高級食材がありますが、また違った美味しいものもあります。
例えば『なまこ茶漬け』とかね。
ご飯にナマコが乗っていて煎茶をかけるのかな・・・いやお出汁かな・・・浜島町の『ヨット』というお店で出しているんですよ。
この土地に来なければ食べられないもので、とても里海らしいですよね。
僕はナマコが大好きなのですが、他で聞いたことがありません。
この時期、この場所だけのものでしょ。
伊勢海老やふぐなど、いわゆる一流のグルメではなくても、地元だけの美味しいものがあるので、冬の恵みを味わいに来てほしいと思います。
伊勢志摩を知り尽くしている人の中には、ひじきが美味しい、と渋いことを言う人もいます。
海藻が採れるのはやはり冬場。
2月頃、春先にひじき刈りがあります。
ひじき刈りの風景は、絶対都会では見られませんよ。
磯一面にひじきがあってね。
普通はひじきって黒いと思うでしょ?
なので見る人はみんな「これがひじき!?」って言いますよ。
本当は黒じゃなくて褐色・・・濃い茶色なんです。
ひじきは口開けの日が決まっているので、みんな一斉に一生懸命に採り始めます。
片田の先端にある麦崎という磯で、一番潮の引く3月頃にひじきを刈っている風景はとても良いです。
すぐ側に灯台もあって、美しい早春の風景です。

 

摩の知られざる食文化、塩辛

僕は志摩に来て、塩辛文化がけっこうあることを知りました。
御座の方から安乗まで、鯖、カマス、カツオ、イカ、カタクチイワシ・・・いろいろな塩辛がたくさんあるんです。
その塩辛を使った朝粥がなぜないのだろうと、ずっと思っています。
その朝粥があったら充分だと思うのですが。
塩辛はその地域の風土にあったものができるので、鯖の塩辛、カツオの塩辛・・・とても美味しいですよ。
ちゃんしたイカの肝を使って自分で仕込んだ作りたての塩辛は、世間で売っている塩辛とは別物の味わいです。
それほど美味しいんです。
志摩にはイカ以外にも季節の魚の塩辛があるので、イタリアンに使えたり、他の料理の出汁に使えたり、使い道はいろいろあると思います。
売っているのは鯖の塩辛とカツオの塩辛くらいですが、他にも地域地域に隠れた塩辛があります。
魚がたくさん獲れた時に保存したのが最初だと思うんですけど、一つ一つ個性があって違うんです。
干物や手こね寿司に続く、商品化できるアイテムだと思います。

 

摩の魅力をどんどん伝えていきたい

恋した女性にはいろいろするじゃないですか。
同じように、僕は志摩が好きで来たので、僕が感じた魅力を、志摩自然学校を通してお客さんに伝えていきたいと思います。