講演会「熊野古道の神々と仏たち」
■開催日時
平成29年2月5日(日)午後1時30分~3時
■開催場所
映像ホール
■内容
紀伊半島は日本最大の半島です。この半島の南半分は紀伊山地と呼ばれ、三つの霊場(吉野・大峰、高野山、熊野三山)とそこへ至る参詣道が世界遺産に登録されてから、十年余を経過しました。紀伊山地の豊かな自然、山や岩、森や樹木、川や滝などを人々は慈しみ、崇拝してきました。そこに自然信仰が生まれ、神々の誕生がありました。六世紀に渡来して来た新たな体系だった宗教である仏教は、これらの神々と対立することなく共存の道を選択しました。本地垂迹説の成立にいたる神仏習合の世界は、以後近世に至るまでの日本の風土に根付き、中でも、熊野の地はその代表的で理想的な世界でした。明治初年の神仏分離政策の強行によって、日本の神々と仏たちは、分離され破壊され、理念としての習合は一神教によって大きく様変わりしました。たとえば、明治6年に青岸渡寺と呼ばれることになった那智山は、本尊が引っ越しを余儀なくされ、ワニグチ、梵鐘(ぼんしょう)も野ざらしになっていた事態を想像できるでしょうか。神仏分離の動乱の中で、痛く傷ついた紀伊山地の神々と仏たちの受難について、那智山を例に事実に沿いながら解説します。
【スケジュール予定】
13:00 開場・受付
13:30 開演
13:35 講演「熊野古道の神々と仏たち」
14:50 質疑応答
15:00 閉会
【入 場 料】無料
【定 員】100名(要申込・先着順)
【講 師】川端守(三重県立熊野古道センター長)
【受 付】平成29年1月5日(木)~ ※定員になり次第終了