三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2017年1月29日

オーナーは地元の農家!
平成2年まで営業していた旅館をリノベーション!
三重県産の素材を主に使い、昼は喫茶、夜は居酒として営業し地域を盛り立てます!

三岐鉄道北勢線の終着駅、いなべ市阿下喜駅から徒歩5分の場所に、昨年11月に『上木食堂』がオープンしました!

平成2年まで営業していた旅館をリノベーションし、主に地元の食材をメニューに取り入れ、昼は喫茶、夜は居酒として営業。
もともとあった床材や家具などを使い、元の水場(調理場)のあった場所を、手を加えつつキッチンとして使用しています。

 

『上木食堂』店主の松本耕太さんに、このお店についてお聞きしました。

「ここの地名が阿下喜(あげき)なんですが、解体をしてる時に、樽に『上木』 
で『あげき』と書かれていたんです。昔はこのあたりの木を伊勢神宮に奉納してた由来から、縁起の良い漢字を使っていたらしく、使わせてもらいました」

 

「使っている食材は基本的に地元の農家の野菜、いなべ市内、もしくは三重県内のものを使うようにしています」

 

こちらが『上木食堂』のプレートランチ1000円。
スモークチキンのグリル・ヨーグルトマスタードソース、新じゃがいものポテトサラダ、さつまいもの柚子煮、葉っぱのサラダ、八風農園の浅漬け、白飯、山東菜汁。
いなべの新鮮な野菜をふんだんに使い、鶏肉ももちろん、地元産にこだわります。
この他に、『カレーランチ』も注文できますよ。

 

『上木食堂』で使われている野菜は、いなべ市内の『八風農園』のもの。
中学生の頃から農業に憧れていたという、『八風農園』の寺園風さん。
名古屋のオーガニックカフェや、松阪の有機農家等で野菜作りの経験を積み重ねた後(のち)、3年前に独立。
名古屋からいなべ市に移住してきました。

農薬や化学肥料を使わず、出来る限り自然に近い環境の畑で、旬の野菜を年間70種類~80種類栽培。
そして、実は、寺園さんこそが上木(あげき)食堂をOPENさせた、仕掛け人なのです!

 

「取り壊し予定の旅館の再活用の相談を受け、僕が育てる野菜を味わうことの出来る場所として食堂を始めることを決意しました。
僕が好きな味を、みなさんに提案したいと思っています」

と、寺園さん。

 

もちろん店頭でも野菜を販売。
今の時期はごぼうや人参などの根菜や、ジャガイモ、カブなどが甘みがあって美味しいそうです。

 

店主の松本さんはアパレル業から飲食業に転職。
名古屋市内の飲食店で働いていた時に野菜を納品していた寺園さんと出会いました。
そして松本さんが独立を考えていた時にちょうど寺園さんから旅館再利用の話があり、いなべに移住、そして『上木食堂』を開店しました。

「このあたりにほとんどない、カフェや居酒屋などいろいろな世代の人が集まる場を作りたいと聞いたので、そういう場になれば良いなと思っています」

と、松本さん。

 

寺園さんと松本さんの夢とこだわりが重なった店づくり。
そこには、志を同じくする地元の仲間たちの力も欠かせません。
肉やお米、玉子も・・・出来る限り顔が見える食材を。
寺園さんたち生産者の想いを、松本さんが調理し、お皿に盛ってカタチにしていく。
そんな『上木食堂』の噂は口コミでひろがり、すでにもう人気のお店になりつつあります。

 

「僕は野菜が苦手なのですが、これならば美味しく食べられます」

「さつまいもなどの野菜がとても甘く、しかも苦味は苦味であって、はっきりした味で野菜だけで美味しいです。
地元で作ったものを地元で食べられるのはうれしいですよね」

と、お客さんたち。

『上木食堂』は、若い層だけでなく、親子連れや年配の方と、広い客層に受け入れられているのが特徴。
やはり地元産の食材が大きな強みのようです。

 

こちらで働いているスタッフの女性、実はこのお店の大家さん。

「古民家をこんな風に使うのは、最初は不安でした。
でも、昔を知っている地域の人たちも食べに来てくれるので心強く、そして生まれ育った家が生き返ったようでうれしいです」

 

そして夕方。
農作業を終えた寺園さんは、『八風農園』を始めるにあたって手ほどきを受けた『ゆうき農園』の森友喜さんとタッグを組み、自宅横の空き地で週に一度の直売市『藤原市場』を開催しています。
地元の野菜作りの仲間と始めた小さな小さなマーケットですが、ご近所の奥さまに大人気なんです。

「野菜をお客さんに直接届けるのが一番の喜びなので、それを食べるという形にできる所をやっているのは楽しいことだと思います。
食べる形にしてっていう所をやってるのは楽しいなぁと思います。
風くんが描くイメージや思いを、そのまま形にして実現していってほしいですね」

と、森さん。

「この町ではたくさんの人ががんばっているので、お店をしながら、みんなと一緒に、お店や場所など、もっとたくさんの人がいなべに来たくなる場所を作っていければと思います」

「『食卓を揃える』ということで、さらに野菜の種類を増やして収穫できるようにいしてきたいですね。
いずれは油をしぼり、羊を飼い、チーズを作り・・・作ることができるものは、とことん自分たちでつくっていきたいと思っています」

と、松本さんと寺園さん。

 

夢と情熱を込めて・・・・。
いなべに心地よい風を吹かせる、そんなふたりの物語は、今、この場所から始まったばかりです。

 

藤原市場
住所 いなべ市藤原町下野尻946-3
開催日 毎週金曜日
開催時間 16:00~17:30