三重テレビ「ゲンキ!みえ!生き活きリポート!」2009年6月21日放送

公共路線バス廃止の危機に、立ち上がった地域住民!
全国にさきがけてNPO法人としてバスを運行!
高齢者のためにバス停の間隔を短くするなど、地域住民が主体となった運営で、地域をゲンキにします!

四日市市羽津いかるが町。
ここで走っているバスは公共のバスではなく、地域住民が立ち上げた『NPO法人 生活バス四日市』が運営しているもので、その名も『せいかつバスよっかいち』。

利用客減少のため、公共の路線バスが廃止されたのは、平成14年5月末。
高齢化が進むこの地域にとっては大打撃でした。
そんなとき、たまたまこの地域の自治会の副理事だったのが、西脇良孝さん。

『NPO法人 生活バス四日市』代表 西脇義孝さん

「地区の住民にアンケートをとったところ、やっぱり住民の皆さんはバスを求めていました。
じゃあどうしてもやらないと。やるからには成功させないと、と」

買い物や病院への交通手段がなくなるのは、特にお年寄りにとっては「足」を奪われるのに等しいことです。
そこでさっそく『生活バス四日市運営協議会』を発足。

廃止となった翌年の平成15年4月には、『NPO法人生活バス四日市』を設立。
と同時に、『せいかつバスよっかいち』も運行を開始しました。
運営は路線沿線の協賛事業者からの協賛金や、行政の補助金などでまかなっています。

安全面・コストを考えて、バス運行自体はバス会社に委託。
企画・運営は地域の活性化を目指すために、地域住民が主体となっています。
そのため路線図も、地域住民が考える一番理想的な姿に。

国道などの大通りをあえて通らず、住宅街に隣接した道を通るため、路線はジグザグ。
路線距離9.5㎞に対し、バス停の数は31。
なんと300mにひとつ、バス停がある計算になります。

嬉しいのはその乗車価格。
なんと100円!
毎日利用する人にはありがたいです。

その上さらに、『応援券』というお得な券も発行。
1ヶ月1000円で、『せいかつバスよっかいち』に乗り放題になります。
しかも一家庭で2枚支給されるという、充実ぶり。
日に2回3回と乗車する人も多いため利用者は助かり、逆に利用されることで、運営を続けることができる・・・利用者と運営者の絆です。

手作りの応援券はスタッフたちが配達。
会って手渡すことで、利用されるお年寄りの健康状態なども確認できる・・・スタッフは言わば「見守り」の役目もしているのです。
まさに地域に密着した、バス運営。

生活バスの成功。
それは地域住民、行政、協賛企業、そしていろいろなジャンルの人が集まり力を発揮したからこそ。
困っているお年寄りを放っておけなかったゲンキさんたちが、このバスを走らせているのです!