三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2017年2月19日

様々な事情で捨てられたり、保護された猫を預かり、新たな里親を募集している『湯の山保護猫かふぇまたたび庵』。
昨年7月に菰野町の古民家を改装してオープンし、これまでに50匹以上の保護猫の里親を成立!
飼い主のいない猫をなくし、殺処分ゼロを目指す活動をする『またたび庵』のみなさんの取り組みを紹介します!

昨年7月にオープンしたばかりの『湯の山保護猫かふぇ またたび庵』。
飼い主のいない猫をなくし、殺処分0を目指す活動による「保護猫の家族探し」を目的とした猫カフェです。
代表の坂倉さんと3名のスタッフ、そして10名以上のボランティアによって運営されています。

 

『またたび庵』の利用は、大人30分700円から。
フリードリンクつきで、年間パスポートなどもあります。
猫が外に出ないように設けられた控室で手を洗って、ご対面です。

 

猫とふれあいに来ていたお客さんに話をお聞きしました。

「インターネットで知って初めて来ました。
家にも3匹いますが、他の猫ちゃんも見てみたいなと」

「寮住まいで猫を飼うことができないので、ここに癒されに来ています。
自分が楽しくて、さらに活動の助けになるので良いと思います」

とても有意義な時間を過ごしているようですね。

 

『またたび庵』代表の坂倉雅子さんに、保護猫かふぇへの思いをお聞きしました。

「5年ほど前から保護猫の預かりボランティアをしています。
地域猫を捕獲して手術ができる猫大人の猫に限られるんです。
子猫を保護することもあるのですが、すぐに手術をしてリリースすることができません。
そうなると、その子猫たちは自分たちで手元に置いて、新しい里親さんを探すしかないんですね。
そういったことが増えてきたため、やはり拠点がほしいと思ったのと、猫は臆病なため、譲渡会などでは本来の姿を見せられないことから、里親さんに、『この猫をうちに迎えたいわ』と思ってもらえる場所を作ることにしました」

※ 保護猫・・・飼い主のいない、様々な事情で捨てられたり、保護された猫

 

現在いる猫は、18匹。
最初は怖がっていますが、この過ごしやすい空間に、徐々に慣れ、人懐っこい性格になるそうです。

 

こちらの猫タワーは、隣にあるモデルルーム『木の家』の設計士さんによるもの。
が、猫が好きなため、「ぜひ、設計したい」と、この猫タワーを作ってくれたのだとか。
『またたび庵』を開設するには、多くの猫が好きな人たちの協力がありました。

 

2階のこちらの部屋は、来たばかりでまだ慣れていない猫用。
他の猫に慣れるためにも、まずはゲージの中で過ごします。

子猫用の部屋には現在子猫がいないため、風邪をひくなど療養中の猫がいます。

 

そしてベランダにはすべて網が張られ、猫ちゃんたちのために開放。
天気のいい日はここで日光浴を楽しんでいるそうです。
まさに猫ちゃんたちの楽園ですね。

 

『またたび庵』から猫を引き取った里親の家を訪ねました。
右が昨年10月に引き取られたコニーちゃん。
左が以前からこのお宅にいた、むぎちゃん。

最初の一ヶ月ほどは離して飼っていたそうですが、自然に2匹で遊ぶように。
今はもう、お互いの毛づくろいをし合うほどの仲良しです。

「『またたび庵』に何回かお邪魔して、コニーを見ている間に『この子だったら大丈夫かな』」と感じて、家に迎えました」

と、里親さん。

 

スタッフさんを挟んで話しているお二人も、里親になってくれたご夫婦。
初めてこちらのカフェに来て、すぐに気に入った猫と現在暮らしています。

 

これまでに里親に引き取られ、またたび庵を卒業していった猫ちゃんたちはおよそ50匹。
その思い出はアルバムに残されています。

 

保護猫を1匹でも里親につなごうと活動している『またたび庵』のみなさん。
しかし、その運営は決して楽ではありません。
寄付金やボランティアのおかげで、なんとか切り盛りしている状態だと言います。

「私は朝一番に来て、猫のご飯とトイレ掃除と、お昼ご飯を作っています。
この年になって生きがいが見つかり、感謝しています」

と、ボランティアの古田さん。

 

「普通にペットショップで猫を飼うのではなく、保護猫たちを譲渡する施設が当たり前になることを願っています。
でも本当は、収容する猫がいなくなって、『またたび庵』のような施設が必要なくなることが理想かもしれません。
犬や猫だけではなく、人間がどんな生き物とも共生できる社会になってほしいです」

と、坂倉さん。

 

『湯の山保護猫かふぇ またたび庵』。
みなさんもぜひ、猫ちゃんたちに会いにいってあげてくださいね!