津市『松生卓球道場』の道場主、松生幸一さん(カフェ)

FM三重『ウィークエンドカフェ』2017年3月18日放送

今回は、津市にある『松生卓球道場』の道場主、松生幸一さんがお客様です。
松生さんが道場をオープンしたのが平成18年。
去年の5月に10年目を迎えました。
広い道場の2階は、宿泊もでき、合宿をすることも可能です。
松生さんの夢がたくさん詰まった道場です。

って楽しい、見て楽しいのが卓球

みなさん燃えるというか、一回興味を持ってもらうと。
やっぱりやって楽しい、見て楽しい。
やることによって、その難しさがわかると言いますかね。
卓球は細かいので、覚える技術幅がとても広いんです。
だから練習で積み上げていく楽しさがあります。
試合でこれができるようになった、これがダメだった・・・などが経験できる。
人間って向上心があるじゃないですか。
それからあの人には負けたくないという、ライバル心。
もっと頑張ろうと。
卓球の球の音は良いんですよ、ピンポンピンポンとテンポが良く。
家に帰っても残っている、その球の音が翌日のエネルギーになると思います。

 

退

職したら道場を開くことが夢だった!

銀行員時代に、退職したら卓球台が4〜5台入る空間を作って、楽しみたいなと思っていました。
ちょうど銀行員時代に体育館で教えてきた学生さんたちが50人くらいいたので、とてもその台数では足りないということで、現在ある12台、思い切ってつぎ込みました。
私設でこの台数を持っているのは、全国でも少ないと思います。
それだけあれば、三重県から全国でトップを争える選手たちががんばって練習してくれると思っています。

卓球というのは0.2〜0.3秒の間で勝負しなければならない、瞬間的なスポーツなので、考えていては間に合わない。
日頃から反復練習を繰り返し、球のコースの読みとか回転などを瞬時に判断できるようにします。
考えている状態では遅いんです。
マラソン選手のような体力と、動体視力、瞬発力、そして判断力のスポーツですね。
やり始めれば面白いのですが、今までは『暗い』というイメージがありました。
最近、リオデジャネイロが終わってから見直されて、花形種目の一つになっていると聞いています。
こちらにもオリンピックが終わってから、卓球をやりたいという子供たちがたくさん来ました。

 

では世界で通用する選手も輩出

私は小学校4年生から卓球を始めて、中学でクラブに入り、高校で熱心な先生に育ててもらいました。
三重県で活躍できるようになり、インターハイや全日本にも出場しました。
恩師のおかげ、指導者のおかげです。
だから今、逆の立場になって、若い人たちに育ってほしいという思いから道場を開き、現在は中学年の小学生を中心に60人ほどの生徒さんにがんばってもらっています。
下は3歳、上は80代の方までいます。

私は大学を卒業してからも卓球をしたいと心に秘めており、銀行に入ってからもしていましたし、嫌いになったことはありません。
コツコツやりながら、学校に行っては、力があって勉強と練習を両立できる人に来てもらって、それから積み上げていって。
女子は全日本実業団の軟式で8年連続ベスト8に入り、最高でベスト4になりました。
男子は北海道で開催された団体戦で日本一になることができました。
そういう意味では充実した銀行員生活、選手生活を送ることができたと思います。
自分は卓球で育ててもらったので、今の若い人にスポーツの良さをわかってもらえれば嬉しいですね。
そしてスポーツで一流であれば社会人としても一流で、生活できるという思いは常に持っています。

私は、卓球を好きになってもらうのは中学校のクラブに入ってからだと思っていましたが、道場を開いてから考えが変わりました。
能力のある子はできるだけ小さな頃から始めるべきです。
9〜15歳はゴールデンエイジと言って一番身長が伸び、動体視力なども一番発達する時期。
その時に始めるのが一番良いと気づきました。
(福原)愛ちゃんが卓球を始めた3〜4歳くらいが理想的だと思います。
こちらの道場にも子どもたちがたくさんいて、昨年は小学校の全日本ホープス団体戦で、準優勝しました。
現在野田学園にいる戸上隼輔くんは、今月世界ジュニアのスウェーデンオープンで世界一になっています。
もう一人、小学生の前出陸杜という選手も全国のナショナルチームのメンバーとなり、東アジアの団体戦で準優勝しています。
道場を開いたときの夢は日本一の選手を育てる事。
今では世界で通用する選手たちが生まれています。
三重県から良い選手が育っているので、後は環境を整えてあげるのが私の仕事だと思います。

 

元の子供たちを地元で愛される選手に

子どもたちは、学校が終わって、クラブの練習が終わってからこの道場まで来て、ご飯を食べて、2階に上がって宿題をして、終わったら1階に降りてくる。
4時半〜7時半くらいまでは小中学生が中心でやっています。
高校生は学校でやってきているので、来て食事と宿題をして、だいたい8時過ぎ〜10時過ぎまで練習しています。
台がいっぱいなので空いたところへ次々と入っていく。
そうでないとなかなか全国と対等には戦えません。
競技としては苦しいですね、チャンピオンは1人ですから。
全国的に見た三重県のレベルは、高校生は全国のトップとはいきませんが、それに続くくらいのところまで来ています。
平成33年に三重国体がありますので、県中が一丸となって選手強化をしていますし、選手自身もそれを目指して頑張っているので、Aクラスに近いところに来つつあると思います。
小学生はすでに全国準優勝しているくらいですから、トップクラスにいると思います。

強い県は愛知県・山口県。
学校が強化していて、全国から強い子を引っ張っていますので。
私は、できたら地元の選手で対等にやりたいという考えなので実業団のときも中国人や県外の強い人を引っ張ってくるというのは、あまりね・・・。

 

い段階から良い選手を作りたい

3年後には東京オリンピックがありますし、さらにその翌年、国体があるのに向け、卓球は早くから取り組みを始めています。
体育協会にも早くから選手強化について相談しに行ったのですが、こんな早くから来ているのは卓球だけだと笑われました。
でも卓球は強くなるのに時間のかかるスポーツなので、それくらい早くやらないと。
パッとやってできるスポーツもありますが、卓球は5年10年のスパンで考えないとできないスポーツの一つ。
だから低年齢化しているんですね。
今は小学生低学年からがんばらないと、勝てないという世界。
しかし勝つだけかすべてではなく大切なのは人間性。
社会人として良い人間になってもらうには人格がしっかりしていないと。
人間性が必ずプレイに出てくるんですね。
短気な子は短気なプレイをするし、我慢強い子は我慢強いプレイをします。
頭の良い子は瞬間的ながらも戦略を重視しますし。
性格がそのまま、必ず出てきます。
卓球の場合は球が軽いですから、技術半分・メンタル半分。
だから気が弱い子はどんなに実力があっても最後、怖がってしまうというか弱気になって負けてしまうことが多々あります。
やはり、ネガティブとポジティブをバランスよく持っている子が強くなりますね。

 

球のおもしろさ

戦術をいかに使うか。
自分が負けた時は、相手の戦術がうまかったということ。
自分の戦術をうまく作るにはやっぱり基本の練習・技術の練習をしっかりやって試合に臨まなければなりません。
負けた時は相手に完敗だと認め、勝てば自分の戦略、または運が良かったなと思えるように。
試合が終わった時に気持ちよく握手ができるように。
社会の中では、こちらが正しい正しくないとか、この人はいい人だそうでない人だ、ということがありますが、スポーツの場合はそうではなく、勝負がつきますからね。
負けを認めることができ、挫折を味わって、そこから起き上がる力を学べる・・・それが一番だと思います。